雨ふり
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朝から降り続いている雨が、音をたてて木々を揺らす昼下がり。
晴れていれば、お弁当持ってピクニックでも……と考えていたけれど、この雨では出かけることもできず、魁童が根城にしているこの小屋で、二人ゴロゴロしている。
「けどさ、はるかも物好きだよな」
所在なさげに壁にもたれて座っている魁童が、私の髪を引っ張りながら笑う。
寝ころんでこの世界の雑誌のような書物をめくっていた私は、ちらっと魁童を見上げる。
「……曲がりなりにも術士で、しかも女のくせにこんな所に入り浸ってるなんてな」
確かに『入り浸ってる』という表現は、当たっているかも。
この小屋は、わりときれいで居心地がいい。
そこで私は、座布団やら枕、食器に本の類いまでいろんな物を持ち込み、時間がとれる時にはここで魁童と過ごしている。
……っていうか、私の別荘扱い?
特にすることもなく、まったり……こういうのも、たまにはいいものだ。
「魁童は、私がいると邪魔?」
「だ、誰も、んなこと言ってないだろ」
私は起き上がって魁童の隣に座る。
「私のこと……本当に好き?」
「え……あ、当たり前だろっ」
すでに魁童の顔は真っ赤。
「ほんと?じゃあ……」
私は目を閉じて、口付けを待つ仕草をする。
「え……お、おい」
魁童の慌てふためく様子が、目を閉じていてもしっかり伝わってくる。
なかなか動かない事態にしびれを切らし、パッと目を開けると、魁童の顔があと数センチの距離まで迫っていた。
慌ててもう一度目をつぶり、魁童のキスを受ける。
そっと触れただけの唇をすぐに離そうとする魁童を、私は両腕を回してつかまえた。
「うわっ!……はるか?」
「魁童、私も魁童のこと大好き……」
紅潮した魁童の頬を両手ではさみ、今度は私から口付ける。
長く深い口付けをかわした後、どちらからともなく床に寝ころぶ。
並んで天井を見上げ、未だやまない雨の音に耳を傾ける。
「ふふ、こうやって何にもしないでいるのも、いいものだね」
「ああ……はるか、ほら」
魁童は、私を引き寄せ腕枕をしてくれた。
特別なことは何もない昼下がり。
でも、私が一番好きな時間――――
*
晴れていれば、お弁当持ってピクニックでも……と考えていたけれど、この雨では出かけることもできず、魁童が根城にしているこの小屋で、二人ゴロゴロしている。
「けどさ、はるかも物好きだよな」
所在なさげに壁にもたれて座っている魁童が、私の髪を引っ張りながら笑う。
寝ころんでこの世界の雑誌のような書物をめくっていた私は、ちらっと魁童を見上げる。
「……曲がりなりにも術士で、しかも女のくせにこんな所に入り浸ってるなんてな」
確かに『入り浸ってる』という表現は、当たっているかも。
この小屋は、わりときれいで居心地がいい。
そこで私は、座布団やら枕、食器に本の類いまでいろんな物を持ち込み、時間がとれる時にはここで魁童と過ごしている。
……っていうか、私の別荘扱い?
特にすることもなく、まったり……こういうのも、たまにはいいものだ。
「魁童は、私がいると邪魔?」
「だ、誰も、んなこと言ってないだろ」
私は起き上がって魁童の隣に座る。
「私のこと……本当に好き?」
「え……あ、当たり前だろっ」
すでに魁童の顔は真っ赤。
「ほんと?じゃあ……」
私は目を閉じて、口付けを待つ仕草をする。
「え……お、おい」
魁童の慌てふためく様子が、目を閉じていてもしっかり伝わってくる。
なかなか動かない事態にしびれを切らし、パッと目を開けると、魁童の顔があと数センチの距離まで迫っていた。
慌ててもう一度目をつぶり、魁童のキスを受ける。
そっと触れただけの唇をすぐに離そうとする魁童を、私は両腕を回してつかまえた。
「うわっ!……はるか?」
「魁童、私も魁童のこと大好き……」
紅潮した魁童の頬を両手ではさみ、今度は私から口付ける。
長く深い口付けをかわした後、どちらからともなく床に寝ころぶ。
並んで天井を見上げ、未だやまない雨の音に耳を傾ける。
「ふふ、こうやって何にもしないでいるのも、いいものだね」
「ああ……はるか、ほら」
魁童は、私を引き寄せ腕枕をしてくれた。
特別なことは何もない昼下がり。
でも、私が一番好きな時間――――
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