ホワイトデー大作戦
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
黄玉の道へ……の巻
「はるか、おっせえぞ!」
「(え?まだ約束の時間には早いはずなのに……あっ、そっか!)もしかして魁童、私のことそんなに待ち遠しかったの?」
「ばっ……何言ってんだよっ……そりゃ、おまえに会えるのが楽しみで朝からずっと……いや、なに言ってんだ俺??」
「わかったから落ち着いて」
私は魁童の肩をポンポンとたたく。
我に返って、ひとつ咳払いをする魁童。
「よし、こないだのお返しだ。んじゃ……手ぇ出せ」
「こう?」
"ちょうだい"というふうに、手の平を上に向けて差し出す。
「ん。それじゃあ……ほら」
私の手に魁童の手がのせられる。
「……?」
首をかしげる私に、頬を赤くした魁童が、ぶっきらぼうに言う。
「これが、俺からのお返しだ。今日一日の俺様を、はるかにやる」
「一日、私に付き合ってくれるってことかな?」
「ああ。はるかの好きにしろ」
いつも、魁童に振り回されてばかりだから、たまにはこういうのも良いかも……
「じゃあね……町に、当たるって評判の占いがあるんだ。魁童と一緒に、そこに行ってみたいんだけど……」
「は?占い?」
魁童はちょっと嫌そうな顔をしたが、今日の決定権は私にあるはず。
化粧で魁童の顔の紋様を消し、私達は町に向かった。
* * *
「あ、あそこだよ!よかった、ちょうど空いてる」
「なあ……もしよくないこと言われたら、どうするんだ?」
「え?魁童って、そういうの気にするんだ?」
「わ、わりいかよ」
バツが悪そうに下を向く魁童も、かわいい。
「私が思うにはね……本物の占い師さんなら、もしよくない事があれば、それを乗り越える手がかりを教えてくれる。反対に、悪いことを言って人を脅すだけなら、きっと偽者。偽者なら、言ってる内容も信じなくて大丈夫」
「ずいぶん、自分に都合のいい理屈だな」
魁童が笑った。
「まあ、そんなはるかだから、俺達鬼を救うことができたんだろうけどな」
* * *
さて、いよいよ占いが始まった。
顔を布で隠した占い師が、大きな水晶玉に手をかざす。
「ほぉ……あなた方の間には、とても大きな試練が見えますね」
魁童が息をのんで、私の手を握った。
「で……どうなんだ?これからの俺達は」
「まあ、そう慌てず……。試練は、あまりにも大きい……ですが、それを乗り越えてあなた方は出会い、結ばれた……そうではありませんか?」
私の手を握る魁童の手の力が強くなった。
「じゃあ、俺達はずっと一緒にいられるんだな?」
「常に相手を思い、互いの手を離さないようになさい」
* * *
「魁童、来てよかったね」
「ああ、やっぱ、俺とはるかは、運命の相手なんだよな」
「うん、ずっと一緒にいようね」
「決まってんだろ!なんたって、占い師のお墨付きだからな」
嬉しそうに背伸びをした魁童は、私に向かって「ほら」と手を差し出す。
「手、つなぐぞ」
「うん。絶対離さないでね」
つないだ手から、魁童のぬくもりが伝わってくる、幸せなホワイトデーだった。
*
「はるか、おっせえぞ!」
「(え?まだ約束の時間には早いはずなのに……あっ、そっか!)もしかして魁童、私のことそんなに待ち遠しかったの?」
「ばっ……何言ってんだよっ……そりゃ、おまえに会えるのが楽しみで朝からずっと……いや、なに言ってんだ俺??」
「わかったから落ち着いて」
私は魁童の肩をポンポンとたたく。
我に返って、ひとつ咳払いをする魁童。
「よし、こないだのお返しだ。んじゃ……手ぇ出せ」
「こう?」
"ちょうだい"というふうに、手の平を上に向けて差し出す。
「ん。それじゃあ……ほら」
私の手に魁童の手がのせられる。
「……?」
首をかしげる私に、頬を赤くした魁童が、ぶっきらぼうに言う。
「これが、俺からのお返しだ。今日一日の俺様を、はるかにやる」
「一日、私に付き合ってくれるってことかな?」
「ああ。はるかの好きにしろ」
いつも、魁童に振り回されてばかりだから、たまにはこういうのも良いかも……
「じゃあね……町に、当たるって評判の占いがあるんだ。魁童と一緒に、そこに行ってみたいんだけど……」
「は?占い?」
魁童はちょっと嫌そうな顔をしたが、今日の決定権は私にあるはず。
化粧で魁童の顔の紋様を消し、私達は町に向かった。
* * *
「あ、あそこだよ!よかった、ちょうど空いてる」
「なあ……もしよくないこと言われたら、どうするんだ?」
「え?魁童って、そういうの気にするんだ?」
「わ、わりいかよ」
バツが悪そうに下を向く魁童も、かわいい。
「私が思うにはね……本物の占い師さんなら、もしよくない事があれば、それを乗り越える手がかりを教えてくれる。反対に、悪いことを言って人を脅すだけなら、きっと偽者。偽者なら、言ってる内容も信じなくて大丈夫」
「ずいぶん、自分に都合のいい理屈だな」
魁童が笑った。
「まあ、そんなはるかだから、俺達鬼を救うことができたんだろうけどな」
* * *
さて、いよいよ占いが始まった。
顔を布で隠した占い師が、大きな水晶玉に手をかざす。
「ほぉ……あなた方の間には、とても大きな試練が見えますね」
魁童が息をのんで、私の手を握った。
「で……どうなんだ?これからの俺達は」
「まあ、そう慌てず……。試練は、あまりにも大きい……ですが、それを乗り越えてあなた方は出会い、結ばれた……そうではありませんか?」
私の手を握る魁童の手の力が強くなった。
「じゃあ、俺達はずっと一緒にいられるんだな?」
「常に相手を思い、互いの手を離さないようになさい」
* * *
「魁童、来てよかったね」
「ああ、やっぱ、俺とはるかは、運命の相手なんだよな」
「うん、ずっと一緒にいようね」
「決まってんだろ!なんたって、占い師のお墨付きだからな」
嬉しそうに背伸びをした魁童は、私に向かって「ほら」と手を差し出す。
「手、つなぐぞ」
「うん。絶対離さないでね」
つないだ手から、魁童のぬくもりが伝わってくる、幸せなホワイトデーだった。
*