ホワイトデー大作戦
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紅玉の丘へ……の巻
私は、はやる心を抑えながら、祢々斬に会いに行った。
祢々斬は、すっかり出かける態勢で待っていた。
「じゃあ、行くぞ」
「行くって、どこへ?」
「それは着いてからのお楽しみだ」
普段は足を踏み入れたことのない山道に分け入り、しばらく歩いて行くと、岩に囲まれた自然の温泉が目の前に広がった。
「わあ~素敵!森の動物達が入りに来そうだね」
「実際、俺と動物くらいしか知らない、秘密の場所だからな」
「秘密の温泉かぁ……気持ちよさそう」
「おまえ、修行であざをつくっただの、打ち身になっただのって、しょっちゅう言ってるからな。この温泉は、そういう怪我によく効くんだ。」
「祢々斬……心配してくれてたの?」
「その体は、俺のものだからな。大事にしてもらわなきゃ困るだろ?」
「う……うん、ありがと」
祢々斬が、私の頭を軽く撫でた。
「わかったら、さっさと温まって傷を癒してこい」
「せっかくだから、祢々斬も入ったら?」
「あ?……いや、俺は周りを見張っているから、やめておく」
「そんな、私だけ悪いよ」
「今日は瑠璃のために来たんだから、悪いなんて思うな」
「でも……」
本当に申し訳ない気持ちで渋る私に、祢々斬が向き直った。
「瑠璃、頼むから俺の理性の限界を察しろよ」
頬を赤くした祢々斬は、そう言うと私に背を向けた。
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね」
自然の中の広々とした温泉は、とても気持ちよくて、体だけでなく心も充分に癒された。
これを独り占めなんて、本当にもったいない。いつか、祢々斬と一緒に……なんて考えていたら、のぼせそうになってしまった。
「おい、瑠璃、大丈夫か!?」
それまで、祢々斬に話しかけたり、きゃあきゃあとはしゃいでいた私が静かになったので、心配した祢々斬がこちらを向いた。
「あ……うん。そろそろあがるね」
私は立ち上がった。
途端――――祢々斬の顔が、一気に真っ赤になる。
「ばっばかやろ!」
慌てて後ろを向く祢々斬……
「きゃあ、み、見えた……?……よね」
私は恥ずかしさのあまり、またお湯の中にザブンとつかった。
「まったくおまえは……」
身支度を整えた私に、祢々斬がため息をついてみせる。
「ご、ごめんね……のぼせちゃって頭が回らなかったの……」
祢々斬はふっと笑って、私の頬にそっと口付けた。
「俺以外の男に、絶対見られるんじゃねえぞ」
答える代わりに、私は背伸びをして、祢々斬の頬に口付けをした。
祢々斬のおかげで身も心もぽかぽかになった、暖かなホワイトデーだった。
*
私は、はやる心を抑えながら、祢々斬に会いに行った。
祢々斬は、すっかり出かける態勢で待っていた。
「じゃあ、行くぞ」
「行くって、どこへ?」
「それは着いてからのお楽しみだ」
普段は足を踏み入れたことのない山道に分け入り、しばらく歩いて行くと、岩に囲まれた自然の温泉が目の前に広がった。
「わあ~素敵!森の動物達が入りに来そうだね」
「実際、俺と動物くらいしか知らない、秘密の場所だからな」
「秘密の温泉かぁ……気持ちよさそう」
「おまえ、修行であざをつくっただの、打ち身になっただのって、しょっちゅう言ってるからな。この温泉は、そういう怪我によく効くんだ。」
「祢々斬……心配してくれてたの?」
「その体は、俺のものだからな。大事にしてもらわなきゃ困るだろ?」
「う……うん、ありがと」
祢々斬が、私の頭を軽く撫でた。
「わかったら、さっさと温まって傷を癒してこい」
「せっかくだから、祢々斬も入ったら?」
「あ?……いや、俺は周りを見張っているから、やめておく」
「そんな、私だけ悪いよ」
「今日は瑠璃のために来たんだから、悪いなんて思うな」
「でも……」
本当に申し訳ない気持ちで渋る私に、祢々斬が向き直った。
「瑠璃、頼むから俺の理性の限界を察しろよ」
頬を赤くした祢々斬は、そう言うと私に背を向けた。
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね」
自然の中の広々とした温泉は、とても気持ちよくて、体だけでなく心も充分に癒された。
これを独り占めなんて、本当にもったいない。いつか、祢々斬と一緒に……なんて考えていたら、のぼせそうになってしまった。
「おい、瑠璃、大丈夫か!?」
それまで、祢々斬に話しかけたり、きゃあきゃあとはしゃいでいた私が静かになったので、心配した祢々斬がこちらを向いた。
「あ……うん。そろそろあがるね」
私は立ち上がった。
途端――――祢々斬の顔が、一気に真っ赤になる。
「ばっばかやろ!」
慌てて後ろを向く祢々斬……
「きゃあ、み、見えた……?……よね」
私は恥ずかしさのあまり、またお湯の中にザブンとつかった。
「まったくおまえは……」
身支度を整えた私に、祢々斬がため息をついてみせる。
「ご、ごめんね……のぼせちゃって頭が回らなかったの……」
祢々斬はふっと笑って、私の頬にそっと口付けた。
「俺以外の男に、絶対見られるんじゃねえぞ」
答える代わりに、私は背伸びをして、祢々斬の頬に口付けをした。
祢々斬のおかげで身も心もぽかぽかになった、暖かなホワイトデーだった。
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