碧の約束
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私が常盤國に来てから、そろそろ一年がたつ。
鬼と人間が共存していく道も見つけ出し、平和な毎日が過ぎていく。
穏やかな毎日のはずなのに、最近、私の心にはさざ波が立っている。
今日も――考え事をする時にはいつもここに来るのだが――森の中の開けた原っぱで、膝を抱えて座り、空を眺めていた。
「瑠璃、こんな所にいたのか」
「……竜尊……」
「どうした?元気ないな」
「竜尊、私ね、もうすぐ誕生日なんだ」
「ほお、瑠璃も、一歩大人に近づくってことだな。めでたいことじゃないか……で、何をそんなに浮かない顔してるんだ?」
「これから私、どうなるのかな……」
膝に顔をくっつけ、ポツリとつぶやく。
「どうって、おまえ……」
「不安なの!!」
思わず大きな声を出した私に驚きつつも、そんな私を背中からそっと包みこむ竜尊。
「何がおまえをそんなに不安にさせる?話してみろ」
背中に竜尊のぬくもりを感じながら、私は心の奥でくすぶっている思いを口にした。
「私は……どんどん年をとっていくんだよ?どんどん衰えて、容貌だって変わってしまう。いつまでも、竜尊のそばにいられる訳じゃない……」
「それなら、俺の夢の中に取り込んで、そこで生きるか?」
「その方が幸せかもしれない……」
「ふっ、おまえらしくないな。いつもの勢いは、どこへいった?」
「竜尊が、いつか私から離れて行っちゃうと思うと、不安で不安で、たまらないの……」
涙が、とめどなく流れ落ちる。
「馬鹿だな、そんな心配、全く無用だ。俺には永遠に瑠璃しかいない」
私は、無言のまま、首を左右に強くふった。
人の心がいかに移ろいやすいものか、私なりにわかっているつもりだ。
小さなため息をひとつついて、竜尊は、私の耳元でささやいた。
「……瑠璃、口で言ってわからないなら、直接その体に教え込んでやろうか?」
気付いた時には、草の上に押し倒されていた。
「俺は今日、瑠璃を抱く。そう決めた」
抵抗する間もなく、私の着物の胸がはだけられる。
慌てて衿をかきあわせようとするが、竜尊の力にはかなわない。
竜尊は、あらわになった私の両肩を押さえると、深く激しく口付ける。
「りゅ……そ……んっ」
息苦しくなって唇を離そうとしても、竜尊はそれを許さない。
ひとしきり舌を絡めあった後、竜尊の唇は、私の首すじへ、胸へと、下りていく。
「瑠璃、きれいだ……」
まるで、私の体中に、竜尊のものであるというしるしを刻みこんでいくかのよう。
「……や……ぃやっ」
「いやじゃないだろ?」
「だ……だって…………っく、ひっく……」
抗いながら、また涙があふれきて、私はしゃくりあげた。
「瑠璃……どうして泣くんだ?」
私の顔を覗き込む竜尊の、切なげな瞳に吸い込まれそうになる。
「……だって……こわい……」
一線を越えてしまったら、自分が自分でなくなりそうで……。
「俺がいれば、怖いことなんか何もないだろ?」
きつく閉じているはずの太股が、割って入る竜尊の指になぞられ、簡単に開かれる。
「いい子だ、瑠璃……。俺に身をまかせろよ。すぐに気持ちよくしてやる」
竜尊の指と舌に愛撫され、体の芯からゾクゾクと熱い波が押し寄せてくる。
もう、拒む理由なんて、何もなかった。
「りゅうそ……ん……好き……大好き……」
「俺もだ……瑠璃、おまえは永遠に俺のもんだ」
私の中の竜尊に、休むことなくせめられ、もう何も考えられない。
「……っはぁ……ぁあん……りゅうそん……や……もぅ……」
「……瑠璃っ!!」
竜尊の荒い息を耳元に感じながら、彼の背中に腕を回して、強くしがみついた……
「瑠璃」
「ん……?なあに?」
気恥ずかしさに、視線をまっすぐ合わせられない。
「これをおまえに……」
差し出されたのは、青い綺麗な石のペンダント。
瑠璃色に輝くその石は、私の世界で、私がとても好きだった石。
「瑠璃が大人になったしるし……それから、俺達が永遠に一緒にいるっていう約束の証だ」
「……多分、私の方が先に死んじゃうよ?」
「黄泉の國まで追って行く」
「もし、別の人間に生まれ変わったら?」
「絶対に見つけ出すに決まってるだろ」
「ありがとう、竜尊……」
まだ火照りが冷めきらない私の体を、優しく抱き寄せると、竜尊はささやく。
「礼を言うのは、俺の方だ……瑠璃、おまえに出逢えて本当によかった……ありがとうな」
何があっても――たとえどちらかに死が訪れたとしても、永遠に私は竜尊のもの。そして、竜尊は私のもの。
碧い石に込められた、二人の約束――――。
*
鬼と人間が共存していく道も見つけ出し、平和な毎日が過ぎていく。
穏やかな毎日のはずなのに、最近、私の心にはさざ波が立っている。
今日も――考え事をする時にはいつもここに来るのだが――森の中の開けた原っぱで、膝を抱えて座り、空を眺めていた。
「瑠璃、こんな所にいたのか」
「……竜尊……」
「どうした?元気ないな」
「竜尊、私ね、もうすぐ誕生日なんだ」
「ほお、瑠璃も、一歩大人に近づくってことだな。めでたいことじゃないか……で、何をそんなに浮かない顔してるんだ?」
「これから私、どうなるのかな……」
膝に顔をくっつけ、ポツリとつぶやく。
「どうって、おまえ……」
「不安なの!!」
思わず大きな声を出した私に驚きつつも、そんな私を背中からそっと包みこむ竜尊。
「何がおまえをそんなに不安にさせる?話してみろ」
背中に竜尊のぬくもりを感じながら、私は心の奥でくすぶっている思いを口にした。
「私は……どんどん年をとっていくんだよ?どんどん衰えて、容貌だって変わってしまう。いつまでも、竜尊のそばにいられる訳じゃない……」
「それなら、俺の夢の中に取り込んで、そこで生きるか?」
「その方が幸せかもしれない……」
「ふっ、おまえらしくないな。いつもの勢いは、どこへいった?」
「竜尊が、いつか私から離れて行っちゃうと思うと、不安で不安で、たまらないの……」
涙が、とめどなく流れ落ちる。
「馬鹿だな、そんな心配、全く無用だ。俺には永遠に瑠璃しかいない」
私は、無言のまま、首を左右に強くふった。
人の心がいかに移ろいやすいものか、私なりにわかっているつもりだ。
小さなため息をひとつついて、竜尊は、私の耳元でささやいた。
「……瑠璃、口で言ってわからないなら、直接その体に教え込んでやろうか?」
気付いた時には、草の上に押し倒されていた。
「俺は今日、瑠璃を抱く。そう決めた」
抵抗する間もなく、私の着物の胸がはだけられる。
慌てて衿をかきあわせようとするが、竜尊の力にはかなわない。
竜尊は、あらわになった私の両肩を押さえると、深く激しく口付ける。
「りゅ……そ……んっ」
息苦しくなって唇を離そうとしても、竜尊はそれを許さない。
ひとしきり舌を絡めあった後、竜尊の唇は、私の首すじへ、胸へと、下りていく。
「瑠璃、きれいだ……」
まるで、私の体中に、竜尊のものであるというしるしを刻みこんでいくかのよう。
「……や……ぃやっ」
「いやじゃないだろ?」
「だ……だって…………っく、ひっく……」
抗いながら、また涙があふれきて、私はしゃくりあげた。
「瑠璃……どうして泣くんだ?」
私の顔を覗き込む竜尊の、切なげな瞳に吸い込まれそうになる。
「……だって……こわい……」
一線を越えてしまったら、自分が自分でなくなりそうで……。
「俺がいれば、怖いことなんか何もないだろ?」
きつく閉じているはずの太股が、割って入る竜尊の指になぞられ、簡単に開かれる。
「いい子だ、瑠璃……。俺に身をまかせろよ。すぐに気持ちよくしてやる」
竜尊の指と舌に愛撫され、体の芯からゾクゾクと熱い波が押し寄せてくる。
もう、拒む理由なんて、何もなかった。
「りゅうそ……ん……好き……大好き……」
「俺もだ……瑠璃、おまえは永遠に俺のもんだ」
私の中の竜尊に、休むことなくせめられ、もう何も考えられない。
「……っはぁ……ぁあん……りゅうそん……や……もぅ……」
「……瑠璃っ!!」
竜尊の荒い息を耳元に感じながら、彼の背中に腕を回して、強くしがみついた……
「瑠璃」
「ん……?なあに?」
気恥ずかしさに、視線をまっすぐ合わせられない。
「これをおまえに……」
差し出されたのは、青い綺麗な石のペンダント。
瑠璃色に輝くその石は、私の世界で、私がとても好きだった石。
「瑠璃が大人になったしるし……それから、俺達が永遠に一緒にいるっていう約束の証だ」
「……多分、私の方が先に死んじゃうよ?」
「黄泉の國まで追って行く」
「もし、別の人間に生まれ変わったら?」
「絶対に見つけ出すに決まってるだろ」
「ありがとう、竜尊……」
まだ火照りが冷めきらない私の体を、優しく抱き寄せると、竜尊はささやく。
「礼を言うのは、俺の方だ……瑠璃、おまえに出逢えて本当によかった……ありがとうな」
何があっても――たとえどちらかに死が訪れたとしても、永遠に私は竜尊のもの。そして、竜尊は私のもの。
碧い石に込められた、二人の約束――――。
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