ハッピー・バレンタイン
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柘榴の祠へ……の巻
バレンタインデーも、いよいよ終盤。
私は、竜尊のいる石榴の祠に向かった。
「はい!これ竜尊に……一応、手作りなの」
「それはうれしいな……確か、おまえの世界の行事だったな」
「うん。みんなにも同じのを渡して来たんだけどね……竜尊だけは特別だから、何かほしいものがあったら、教えて?」
「何がほしいかって?ふ、そんなの言わなくてもわかってるだろ?」
不吉な予感を感じ、思わず後ずさった私に、竜尊は、おかまいなしににじり寄ってくる。
「はずかしがることないだろ?」
私の腰に手を回して抱き寄せると、いきなり帯をほどきにかかる。
「いやあぁーーーっ!!」
『バッチーン!』
* * *
魁童「ぉわっ!竜尊相手に、やりやがった」
祢々斬「さすが、異界の女」
無月「渾身の平手打ちだったな」
玖々廼馳「お姉ちゃん……かっこいいです……」
先にバレンタインプレゼントをもらった四人の鬼達が木陰に身を隠し、声をひそめて言葉をかわしている――――
最後に竜尊を訪ねるという瑠璃を心配する気持ち半分、竜尊が何をしでかしてくれるのか、という好奇心半分で、石榴の祠に向かう瑠璃の後をつけてきたのだった。
* * *
「まいったな……それほどまでに、瑠璃に嫌われていたとは」
竜尊に手首をつかまれ、ハッと我にかえった私は、悲しそうな竜尊の瞳に、自分の血の気がひいていくのを感じた。
「違っ……違うの、竜尊」
必死に声をあげながら、涙がこぼれてくる。
「ごめん……なさい……私……びっくりして、あんなこと……」
竜尊は微かに笑うと、あたたかい両手で、涙に濡れた私の頬を包んだ。
* * *
魁童「おいおい……なんだ?この展開??」
祢々斬「まるきり竜尊の思うツボじゃねえか」
無月「瑠璃は、優しすぎるのだ」
玖々廼馳「お姉ちゃん……」
* * *
「さぁて、俺を嫌いじゃないってことを、瑠璃はどうやって証明してくれるのかな」
「え……?どうしたら、竜尊に信じてもらえるの?」
「日が暮れるまで、俺の言うとおりにするなら、信じるとしよう」
「ほんと?わかった。夜になるまで、竜尊につき合うよ」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべた竜尊を見て、私は、自分がとんでもないことを言ってしまったのだということに初めて気付いた……
「おまえら、聞いたか?」
竜尊が突然、木の向こう側に向かって叫ぶ。
「え!?もしかして、みんないるの?……ひゃっ」
軽々とお姫様抱っこされ、竜尊の顔が近づく。
「他のやつのことなんて、気にするなよ」
「ちょっと……竜尊……下ろしてっ」
「さて、おまえはさっき、なんて言ったんだったかな?」
「…………」
私は観念してもがくのをやめ、竜尊に体を預けた。
「じゃあな、おまえら。俺と瑠璃は、これからお楽しみの時間だ。もう、ついてくるんじゃねえぞ」
* * *
魁童「けっ!誰がついてくかっ」
祢々斬「俺ら、結局見せつけられただけだったな」
無月「瑠璃が幸せならば、それでよい」
玖々廼馳「竜ちゃんばっかり、ずるいです……」
* * *
その後、ちょっぴり意地悪な竜尊と、二人で時を過ごした、熱い熱いバレンタインだった。
*
バレンタインデーも、いよいよ終盤。
私は、竜尊のいる石榴の祠に向かった。
「はい!これ竜尊に……一応、手作りなの」
「それはうれしいな……確か、おまえの世界の行事だったな」
「うん。みんなにも同じのを渡して来たんだけどね……竜尊だけは特別だから、何かほしいものがあったら、教えて?」
「何がほしいかって?ふ、そんなの言わなくてもわかってるだろ?」
不吉な予感を感じ、思わず後ずさった私に、竜尊は、おかまいなしににじり寄ってくる。
「はずかしがることないだろ?」
私の腰に手を回して抱き寄せると、いきなり帯をほどきにかかる。
「いやあぁーーーっ!!」
『バッチーン!』
* * *
魁童「ぉわっ!竜尊相手に、やりやがった」
祢々斬「さすが、異界の女」
無月「渾身の平手打ちだったな」
玖々廼馳「お姉ちゃん……かっこいいです……」
先にバレンタインプレゼントをもらった四人の鬼達が木陰に身を隠し、声をひそめて言葉をかわしている――――
最後に竜尊を訪ねるという瑠璃を心配する気持ち半分、竜尊が何をしでかしてくれるのか、という好奇心半分で、石榴の祠に向かう瑠璃の後をつけてきたのだった。
* * *
「まいったな……それほどまでに、瑠璃に嫌われていたとは」
竜尊に手首をつかまれ、ハッと我にかえった私は、悲しそうな竜尊の瞳に、自分の血の気がひいていくのを感じた。
「違っ……違うの、竜尊」
必死に声をあげながら、涙がこぼれてくる。
「ごめん……なさい……私……びっくりして、あんなこと……」
竜尊は微かに笑うと、あたたかい両手で、涙に濡れた私の頬を包んだ。
* * *
魁童「おいおい……なんだ?この展開??」
祢々斬「まるきり竜尊の思うツボじゃねえか」
無月「瑠璃は、優しすぎるのだ」
玖々廼馳「お姉ちゃん……」
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「さぁて、俺を嫌いじゃないってことを、瑠璃はどうやって証明してくれるのかな」
「え……?どうしたら、竜尊に信じてもらえるの?」
「日が暮れるまで、俺の言うとおりにするなら、信じるとしよう」
「ほんと?わかった。夜になるまで、竜尊につき合うよ」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべた竜尊を見て、私は、自分がとんでもないことを言ってしまったのだということに初めて気付いた……
「おまえら、聞いたか?」
竜尊が突然、木の向こう側に向かって叫ぶ。
「え!?もしかして、みんないるの?……ひゃっ」
軽々とお姫様抱っこされ、竜尊の顔が近づく。
「他のやつのことなんて、気にするなよ」
「ちょっと……竜尊……下ろしてっ」
「さて、おまえはさっき、なんて言ったんだったかな?」
「…………」
私は観念してもがくのをやめ、竜尊に体を預けた。
「じゃあな、おまえら。俺と瑠璃は、これからお楽しみの時間だ。もう、ついてくるんじゃねえぞ」
* * *
魁童「けっ!誰がついてくかっ」
祢々斬「俺ら、結局見せつけられただけだったな」
無月「瑠璃が幸せならば、それでよい」
玖々廼馳「竜ちゃんばっかり、ずるいです……」
* * *
その後、ちょっぴり意地悪な竜尊と、二人で時を過ごした、熱い熱いバレンタインだった。
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