サンタな贈り物
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クリスマスイブ。
「他の男と過ごすなんてのは、絶対許さないからね!!!」
とっても妹思いな兄からそう釘をさされた千鶴。
それならば、と“女の子どうし気兼ねなく楽しもう!”をコンセプトに、千、小鈴と連れ立ってカラオケへと繰り出した。
今をときめく花の女子高生。
三人いれば、プレゼント交換も大盛り上がり。
ピザやポテトなどの軽食をオーダーし、まさに飲めや(酒ではないが)歌えの賑やかなクリスマス会。
『ピンポーン』
「あ、飲み物かな?私出るね」
ドアを開けた千鶴の前には――
二人がかりで大きな箱を抱えている、不知火と天霧の姿があった。
防衛本能が働いたのだろう、千鶴は目の前の光景を見なかったことにし、そのままドアを閉めようとする。
「ぅおいっ!!なにしやがんだ!?」
不知火が、ドアの隙間に身体を滑り込ませ、今にも閉じられようとしているそれを無理矢理押し開ける。
その空間に、天霧が彼の背丈ほどもある大きな荷物を、グイグイと押し込む。
「受け取っていただかなければ、私どもが帰れませんので」
そんな二人を見て、千鶴がにっこりと笑う。
「せっかくのクリスマスですから、天霧さんと不知火さんも、カラオケご一緒にいかがですか?」
顔を見合わせた二人だったが、「とにかく中にどうぞ」と招き入れられ、素直に従った。
「天霧さん、デュエットしましょうっ」
「待ってました、お千ちゃん!」
荷物をドア付近に放置したまま、皆で和気あいあい、楽しくカラオケに興じ始める。
ほどなく、ポツネンと忘れ去られた箱が、グラグラと揺れだした。
と思ったら、バタンと横倒しになり、中から蹴破られたらしき穴があき、赤い帽子に赤い服の怪しげな人影が現れた。
「天霧!不知火!貴様ら、何をしているっ!?」
「なんだ、風間起きてたのか」
「不知火、おまえこそ寝ぼけているのではあるまいな?我が嫁が荷ほどきをするところまで導くのが、貴様の仕事であろう!?」
「か……風間さん……?」
声の主である千鶴は、両手を胸の前で組み、目をキラキラさせている。
サンタコスの風間に駆け寄ると、服の生地やフワフワの髭に、物珍しそうに触れる。
「これほど本格的なサンタクロース……こんなに間近で見るのは、初めてです」
「さすが、それでこそ我が嫁。多少気恥ずかしくはあったが、わざわざこの出で立ちでやって来た甲斐があったというものだ」
風間は満足げに真っ白な髭をなでる。
「さあ、望みの品はなんだ?おまえのサンタクロースである俺に言ってみろ?」
ちょっと場違いっぽくはあるが、クリスマスムードたっぷりのオーラを振りまき談笑する風間と千鶴。
そんな二人をよそに、島原女子チームはドン引き。
千が顔をひきつらせながら遠い目をする。
「確かに、あいつならやりかねない、とは思ってたけど……」
「実際ここまでなりふり構わないとは、驚きました」
小鈴が苦笑いをこぼす。
不知火が腕組みをして、うんうんとうなずく。
「そうそう!その反応こそが、正常だよなぁ」
マイクを握りしめたまま、妙に感心した面持ちの天霧がつぶやく。
「こうしてみると、あの二人は意外にウマが合うといいますか……これ以上にない組み合わせですね」
小鈴が微笑みながら応じる。
「ええ、とってもお似合いです」
「さぁ~て、仕切り直しだ!あの二人はほっとけ、ほっとけ、じゃんじゃん歌うぜぇ~!!」
不知火が宣言し、クリスマス会は再び盛り上がる。
ほっておかれたはずが、いつの間にか座に加わった風間は、千鶴に「あーん」とポテトを食べさせてもらい、ご満悦。
楽しい宴は、繁華街の見回りにやって来た土方先生につまみ出されるまで、賑やかに続いた。
千鶴の告白
『天霧さんと不知火さんが運んできた怪しげな荷物、忘れたふりをして、カラオケボックスの部屋に置き去りにしようかと目論んでいたことは、風間さんには内緒です』
*
「他の男と過ごすなんてのは、絶対許さないからね!!!」
とっても妹思いな兄からそう釘をさされた千鶴。
それならば、と“女の子どうし気兼ねなく楽しもう!”をコンセプトに、千、小鈴と連れ立ってカラオケへと繰り出した。
今をときめく花の女子高生。
三人いれば、プレゼント交換も大盛り上がり。
ピザやポテトなどの軽食をオーダーし、まさに飲めや(酒ではないが)歌えの賑やかなクリスマス会。
『ピンポーン』
「あ、飲み物かな?私出るね」
ドアを開けた千鶴の前には――
二人がかりで大きな箱を抱えている、不知火と天霧の姿があった。
防衛本能が働いたのだろう、千鶴は目の前の光景を見なかったことにし、そのままドアを閉めようとする。
「ぅおいっ!!なにしやがんだ!?」
不知火が、ドアの隙間に身体を滑り込ませ、今にも閉じられようとしているそれを無理矢理押し開ける。
その空間に、天霧が彼の背丈ほどもある大きな荷物を、グイグイと押し込む。
「受け取っていただかなければ、私どもが帰れませんので」
そんな二人を見て、千鶴がにっこりと笑う。
「せっかくのクリスマスですから、天霧さんと不知火さんも、カラオケご一緒にいかがですか?」
顔を見合わせた二人だったが、「とにかく中にどうぞ」と招き入れられ、素直に従った。
「天霧さん、デュエットしましょうっ」
「待ってました、お千ちゃん!」
荷物をドア付近に放置したまま、皆で和気あいあい、楽しくカラオケに興じ始める。
ほどなく、ポツネンと忘れ去られた箱が、グラグラと揺れだした。
と思ったら、バタンと横倒しになり、中から蹴破られたらしき穴があき、赤い帽子に赤い服の怪しげな人影が現れた。
「天霧!不知火!貴様ら、何をしているっ!?」
「なんだ、風間起きてたのか」
「不知火、おまえこそ寝ぼけているのではあるまいな?我が嫁が荷ほどきをするところまで導くのが、貴様の仕事であろう!?」
「か……風間さん……?」
声の主である千鶴は、両手を胸の前で組み、目をキラキラさせている。
サンタコスの風間に駆け寄ると、服の生地やフワフワの髭に、物珍しそうに触れる。
「これほど本格的なサンタクロース……こんなに間近で見るのは、初めてです」
「さすが、それでこそ我が嫁。多少気恥ずかしくはあったが、わざわざこの出で立ちでやって来た甲斐があったというものだ」
風間は満足げに真っ白な髭をなでる。
「さあ、望みの品はなんだ?おまえのサンタクロースである俺に言ってみろ?」
ちょっと場違いっぽくはあるが、クリスマスムードたっぷりのオーラを振りまき談笑する風間と千鶴。
そんな二人をよそに、島原女子チームはドン引き。
千が顔をひきつらせながら遠い目をする。
「確かに、あいつならやりかねない、とは思ってたけど……」
「実際ここまでなりふり構わないとは、驚きました」
小鈴が苦笑いをこぼす。
不知火が腕組みをして、うんうんとうなずく。
「そうそう!その反応こそが、正常だよなぁ」
マイクを握りしめたまま、妙に感心した面持ちの天霧がつぶやく。
「こうしてみると、あの二人は意外にウマが合うといいますか……これ以上にない組み合わせですね」
小鈴が微笑みながら応じる。
「ええ、とってもお似合いです」
「さぁ~て、仕切り直しだ!あの二人はほっとけ、ほっとけ、じゃんじゃん歌うぜぇ~!!」
不知火が宣言し、クリスマス会は再び盛り上がる。
ほっておかれたはずが、いつの間にか座に加わった風間は、千鶴に「あーん」とポテトを食べさせてもらい、ご満悦。
楽しい宴は、繁華街の見回りにやって来た土方先生につまみ出されるまで、賑やかに続いた。
千鶴の告白
『天霧さんと不知火さんが運んできた怪しげな荷物、忘れたふりをして、カラオケボックスの部屋に置き去りにしようかと目論んでいたことは、風間さんには内緒です』
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