祝宴~千人感謝~
大人組のお話での主人公『瑠璃』
お子様組のお話での主人公『はるか』
二人の主人公と鬼達が、お祝いの宴を開いている。
この世界を『千人目』のお客様が訪れてくださったことを祝うために……。
* * *
この日のために月讀さんが借りきってくれた町のお座敷。
月讀さんと久遠は、急な用事ができてしまい、不参加決定。
久遠は地団駄踏んで悔しがっていたが、月讀さんは鬼達と同席しないですんだことに、かえってホッとしているふうだった。
おいしい料理の数々に、おいしいお酒。
宴が始まったばかりの頃は、瑠璃とはるかとで鬼達にお酌をしていたが、座が和んでからは、それぞれが思い思いに、飲んだり食べたりしている。
「瑠璃、ちっとも飲んでないじゃないか」
竜尊が瑠璃の肩を抱く。
「ああ、私はまだ、お酒は飲めない年齢だから」
「そんなこと誰が決めたんだ?第一おまえは、はるかより年上だろう?」
「確かに私は、はるかちゃんよりちょっと年上だけどね……でも、私の世界では、まだお酒飲んじゃいけない年なの」
「じゃあ、あれはなんだ?」
瑠璃が訝しげに、竜尊の示した先に目をやると、お子様組の三人が妙に盛り上がっている。
はるかの手には、湯飲みになみなみと注がれた液体。
そして、はるかに肩を寄せている魁童は、一升瓶を抱えているではないか。
「ちょっ……ちょっとっ!はるかちゃんってば!」
瑠璃は慌てて駆け寄るが、はるかは手にした湯飲みの中身を一気に飲み干した。
「はるかちゃん、お酒はだめだよ~、未成年なんだから」
「あ~瑠璃さん~」
はるかは上機嫌で瑠璃に笑顔を向ける。
「大丈夫れすよぉ~」
「だ……大丈夫じゃないじゃない!もう~、こんなに酔っ払っちゃって……」
「何言ってるんれすか……酔っ払う訳ないれすよお」
「誰がどう見たって、立派な酔っ払いだよ?」
「いやいやいや~それがれすねぇ、これはお酒じゃなくって……あ・ま・ざ・け・なんれすよ♪」
「はぁ!?」
瑠璃は魁童の手から、だいぶ軽くなった酒の瓶を引ったくった。
「……はるかちゃん……」
「んふー、何れしょう?瑠璃さん」
「甘いけど酒です って書いてあるように見えるんだけど……」
「あははは、魁童、これ甘酒じゃなくて、ほんとのお酒らって」
「そうなのか?そりゃあ、めでたいな……ふあぁ~、どうりで……眠くなっちまった」
「あ~私も寝る~……魁童、膝枕~♪」
「おい、そんじゃ俺が寝られないだろ?」
「え~……じゃあ、腕枕」
「ああ、そんならいいぜ」
「んで、玖々廼馳は抱き枕ね♪」
「はい、僕、お姉ちゃんの抱き枕になります」
「なっ……おい、ちょっと待て。玖々廼馳ばっかり、ずりいぞ」
「そう~?んじゃあ、玖々廼馳が私の抱き枕で、魁童の抱き枕が私」
「お、それいいな」
おおいに酔っ払って真っ赤な顔をした魁童とはるかは、ふらつきながら座敷の隅っこにたどり着くと、すぐに寝息をたて始めた。
顔はさして赤くないが眠そうに目が潤んだ玖々廼馳は、はるかの隣で横になると、彼女の腕を持ち上げて自分の体に回した。
三人が寄り添って眠っている様子は、子犬達のようで微笑ましい。
万が一急性アルコール中毒にでもなった場合、この世界では救急車を呼ぶ訳にもいかないし……と本気で心配していた瑠璃は、ひとまず安堵のため息をついた。
*
「お!お子様達は全員つぶれちまったか」
徳利と盃を手に、竜尊が瑠璃の隣にやって来た。
「竜尊、祢々斬と無月は?」
「ああ、無月なら予定通りつぶれてくれたぜ「予定通り……?」」
竜尊は一瞬『しまった』という顔をしたが、あまり深いことは考えられないくらいにお酒がはいっているとみえる。
「まあ、細かいことは気にするな。俺と瑠璃、二人で楽しむことだけを考えろ」
あおって空になった盃を卓に転がすと、竜尊は瑠璃を抱き締めた。
「やだ、竜尊……」
竜尊の体を押し戻そうとするが、彼の体重はますます瑠璃にのしかかってくる。
「竜尊、重いよ」
しかし、竜尊は無言のままで、彼を支え切れなくなった瑠璃を押し倒す形で、二人横倒しになった。
……そしてそのまま、竜尊は規則的な寝息をたて始めた。
「ちょっと、竜尊、竜尊ってば!もしかして、寝ちゃったの?」
瑠璃は、眠ってしまった竜尊を起こさないように体を離して起き上がる。
「もしかして……今この場で、シラフでいるのって私だけ?」
瑠璃は思わず、そう声に出してため息をついた。
「おい、俺をそこらの飲んだくれと一緒にするなよ」
「あ……祢々斬!」
「瑠璃、やっと二人きりになれたな」
「二人きり……なのかな?これって」
あちこちで気持ち良さそうに眠っている面々を眺めながら、瑠璃は苦笑する。
「ほら、祝いなんだからおまえも飲め」
祢々斬が盃を押しつけてくる。
「うん……飲んでも大丈夫だよね。ここは常盤國だし……実際、もうすぐ二十歳になるんだし……」
自分で自分を納得させると、瑠璃は祢々斬の前に盃を差し出した。
祢々斬は、そこに酒をつぐと、盃ごと瑠璃の手をつかみ、自分の口元に運んだ。
「あっ!?祢々斬っ」
祢々斬は、そのまま瑠璃に口付け、口移しで彼女に酒を含ませる。
「っ……けほっ……うぅ~やっぱり、おいしいものじゃないね」
「そりゃ、おまえが飲みなれてないからそう感じるんだろ。」
「慣れればおいしくなるものなの……?」
瑠璃は顔をしかめながらつぶやくと、小さく息を吐いて肩をすくめた。
「はるかちゃんが、うらやましいな……」
「酒が飲めるってことがか?」
「ふふ、まあそれもあるけど……祢々斬、けっこう酔ってる?」
「酔ってなんかいねえよ。今の流れなら、そういう話になるだろ?」
「ごめんごめん、気持ちよく酔ってる時に、愚痴みたいなこと聞かせたら悪いかな、と思って……」
「瑠璃が心に溜めてることなんだろ?だったら目の前にいる俺に吐き出せよ」
「ん~……あのね……はるかちゃんって、天真爛漫でまっすぐで……私にはないものをたくさん持ってるな……って」
「ふっ……何を言い出すかと思えば……。瑠璃、おまえはおまえで、あいつはあいつだろ」
「私だったら、決死の覚悟で気持ちを奮い立たせなくちゃできないようなことを……きっとこの子は、気負わずにさらっとやり遂げてしまうんだろうな……って思うの」
「全くおまえは……」
祢々斬は瑠璃を抱き寄せると、その頬に軽く口付けながら囁く。
「瑠璃、おまえのおかげで、俺達鬼は救われた。だからもう、何も悩まなくていい……俺と幸せになることだけを思ってれば、それでいい」
「それは、我も同感だ」
*
「「無月!!」」
「瑠璃を幸せにしたいと思うのは、我も同じだ」
「無月、もう大丈夫なの?」
「ああ。このままでは、我の出番がないまま終わってしまう、と思ってな」
くすりと笑う瑠璃の頭を、微笑みを浮かべた無月が優しく撫でる。
「おい、無月。瑠璃は俺と話してんだ。邪魔するな」
「いや、瑠璃のことばかりは、我とて譲れぬ」
二人の鬼の間でおろおろとしながら、それでも瑠璃は笑顔だった。
こんな会話ができるのも、この世界が平和になったからこそ。
「幸せ……だよね」
小さくつぶやいた瑠璃を、睨み合っていた祢々斬と無月が同時に振り返る。
「「ああ、幸せだ」」
「ふふふ、祢々斬と無月、息がぴったりだね」
複雑な表情で顔を見合わせる二人を前に、にこにこと微笑む瑠璃。
その時後ろから聞こえてきたのは――
「おいおい、この俺を忘れてもらっちゃあ困るぜ」
「竜尊、起きたの?」
「瑠璃を幸せにするのは、俺に決まってるだろ」
まだ酔いがかなり残っているらしい竜尊は、這うように瑠璃に近寄ると彼女の膝に突っ伏した。
「竜尊っ、てめえ!どさくさにまぎれて何やってんだ!?」
「瑠璃の膝を独占するとは許せぬ」
二人の猛烈な抗議も竜尊の耳には届かなかったようで、彼はそのまま瑠璃の膝枕で寝入ってしまった。
「竜尊も幸せそうな顔してるね」
束ねられた白銀の髪をそっと撫でる瑠璃の穏やかな表情に、祢々斬も無月も思わず息をのんで見とれる。
竜尊への嫉妬に燃える二人の胸の内を知ってか知らずか、瑠璃はとびきりの笑顔で言う。
「二人とも、いつもありがとう。これからも頼りにしてるね」
そう、自分達には『これから』がある。
瑠璃が、はるかが、導いてくれた平和の上に築いてゆく『未来』―――
「ふっ、仕方ねえ。今日だけは、最年長者にいい思いをさせてやるか」
「ああ。しかし、明日からは我も遠慮はせぬ」
こうして宴の夜は更けてゆくのだった。
* * *
皆様のご訪問に、心からの感謝をこめて……。
*
お子様組のお話での主人公『はるか』
二人の主人公と鬼達が、お祝いの宴を開いている。
この世界を『千人目』のお客様が訪れてくださったことを祝うために……。
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この日のために月讀さんが借りきってくれた町のお座敷。
月讀さんと久遠は、急な用事ができてしまい、不参加決定。
久遠は地団駄踏んで悔しがっていたが、月讀さんは鬼達と同席しないですんだことに、かえってホッとしているふうだった。
おいしい料理の数々に、おいしいお酒。
宴が始まったばかりの頃は、瑠璃とはるかとで鬼達にお酌をしていたが、座が和んでからは、それぞれが思い思いに、飲んだり食べたりしている。
「瑠璃、ちっとも飲んでないじゃないか」
竜尊が瑠璃の肩を抱く。
「ああ、私はまだ、お酒は飲めない年齢だから」
「そんなこと誰が決めたんだ?第一おまえは、はるかより年上だろう?」
「確かに私は、はるかちゃんよりちょっと年上だけどね……でも、私の世界では、まだお酒飲んじゃいけない年なの」
「じゃあ、あれはなんだ?」
瑠璃が訝しげに、竜尊の示した先に目をやると、お子様組の三人が妙に盛り上がっている。
はるかの手には、湯飲みになみなみと注がれた液体。
そして、はるかに肩を寄せている魁童は、一升瓶を抱えているではないか。
「ちょっ……ちょっとっ!はるかちゃんってば!」
瑠璃は慌てて駆け寄るが、はるかは手にした湯飲みの中身を一気に飲み干した。
「はるかちゃん、お酒はだめだよ~、未成年なんだから」
「あ~瑠璃さん~」
はるかは上機嫌で瑠璃に笑顔を向ける。
「大丈夫れすよぉ~」
「だ……大丈夫じゃないじゃない!もう~、こんなに酔っ払っちゃって……」
「何言ってるんれすか……酔っ払う訳ないれすよお」
「誰がどう見たって、立派な酔っ払いだよ?」
「いやいやいや~それがれすねぇ、これはお酒じゃなくって……あ・ま・ざ・け・なんれすよ♪」
「はぁ!?」
瑠璃は魁童の手から、だいぶ軽くなった酒の瓶を引ったくった。
「……はるかちゃん……」
「んふー、何れしょう?瑠璃さん」
「甘いけど酒です って書いてあるように見えるんだけど……」
「あははは、魁童、これ甘酒じゃなくて、ほんとのお酒らって」
「そうなのか?そりゃあ、めでたいな……ふあぁ~、どうりで……眠くなっちまった」
「あ~私も寝る~……魁童、膝枕~♪」
「おい、そんじゃ俺が寝られないだろ?」
「え~……じゃあ、腕枕」
「ああ、そんならいいぜ」
「んで、玖々廼馳は抱き枕ね♪」
「はい、僕、お姉ちゃんの抱き枕になります」
「なっ……おい、ちょっと待て。玖々廼馳ばっかり、ずりいぞ」
「そう~?んじゃあ、玖々廼馳が私の抱き枕で、魁童の抱き枕が私」
「お、それいいな」
おおいに酔っ払って真っ赤な顔をした魁童とはるかは、ふらつきながら座敷の隅っこにたどり着くと、すぐに寝息をたて始めた。
顔はさして赤くないが眠そうに目が潤んだ玖々廼馳は、はるかの隣で横になると、彼女の腕を持ち上げて自分の体に回した。
三人が寄り添って眠っている様子は、子犬達のようで微笑ましい。
万が一急性アルコール中毒にでもなった場合、この世界では救急車を呼ぶ訳にもいかないし……と本気で心配していた瑠璃は、ひとまず安堵のため息をついた。
*
「お!お子様達は全員つぶれちまったか」
徳利と盃を手に、竜尊が瑠璃の隣にやって来た。
「竜尊、祢々斬と無月は?」
「ああ、無月なら予定通りつぶれてくれたぜ「予定通り……?」」
竜尊は一瞬『しまった』という顔をしたが、あまり深いことは考えられないくらいにお酒がはいっているとみえる。
「まあ、細かいことは気にするな。俺と瑠璃、二人で楽しむことだけを考えろ」
あおって空になった盃を卓に転がすと、竜尊は瑠璃を抱き締めた。
「やだ、竜尊……」
竜尊の体を押し戻そうとするが、彼の体重はますます瑠璃にのしかかってくる。
「竜尊、重いよ」
しかし、竜尊は無言のままで、彼を支え切れなくなった瑠璃を押し倒す形で、二人横倒しになった。
……そしてそのまま、竜尊は規則的な寝息をたて始めた。
「ちょっと、竜尊、竜尊ってば!もしかして、寝ちゃったの?」
瑠璃は、眠ってしまった竜尊を起こさないように体を離して起き上がる。
「もしかして……今この場で、シラフでいるのって私だけ?」
瑠璃は思わず、そう声に出してため息をついた。
「おい、俺をそこらの飲んだくれと一緒にするなよ」
「あ……祢々斬!」
「瑠璃、やっと二人きりになれたな」
「二人きり……なのかな?これって」
あちこちで気持ち良さそうに眠っている面々を眺めながら、瑠璃は苦笑する。
「ほら、祝いなんだからおまえも飲め」
祢々斬が盃を押しつけてくる。
「うん……飲んでも大丈夫だよね。ここは常盤國だし……実際、もうすぐ二十歳になるんだし……」
自分で自分を納得させると、瑠璃は祢々斬の前に盃を差し出した。
祢々斬は、そこに酒をつぐと、盃ごと瑠璃の手をつかみ、自分の口元に運んだ。
「あっ!?祢々斬っ」
祢々斬は、そのまま瑠璃に口付け、口移しで彼女に酒を含ませる。
「っ……けほっ……うぅ~やっぱり、おいしいものじゃないね」
「そりゃ、おまえが飲みなれてないからそう感じるんだろ。」
「慣れればおいしくなるものなの……?」
瑠璃は顔をしかめながらつぶやくと、小さく息を吐いて肩をすくめた。
「はるかちゃんが、うらやましいな……」
「酒が飲めるってことがか?」
「ふふ、まあそれもあるけど……祢々斬、けっこう酔ってる?」
「酔ってなんかいねえよ。今の流れなら、そういう話になるだろ?」
「ごめんごめん、気持ちよく酔ってる時に、愚痴みたいなこと聞かせたら悪いかな、と思って……」
「瑠璃が心に溜めてることなんだろ?だったら目の前にいる俺に吐き出せよ」
「ん~……あのね……はるかちゃんって、天真爛漫でまっすぐで……私にはないものをたくさん持ってるな……って」
「ふっ……何を言い出すかと思えば……。瑠璃、おまえはおまえで、あいつはあいつだろ」
「私だったら、決死の覚悟で気持ちを奮い立たせなくちゃできないようなことを……きっとこの子は、気負わずにさらっとやり遂げてしまうんだろうな……って思うの」
「全くおまえは……」
祢々斬は瑠璃を抱き寄せると、その頬に軽く口付けながら囁く。
「瑠璃、おまえのおかげで、俺達鬼は救われた。だからもう、何も悩まなくていい……俺と幸せになることだけを思ってれば、それでいい」
「それは、我も同感だ」
*
「「無月!!」」
「瑠璃を幸せにしたいと思うのは、我も同じだ」
「無月、もう大丈夫なの?」
「ああ。このままでは、我の出番がないまま終わってしまう、と思ってな」
くすりと笑う瑠璃の頭を、微笑みを浮かべた無月が優しく撫でる。
「おい、無月。瑠璃は俺と話してんだ。邪魔するな」
「いや、瑠璃のことばかりは、我とて譲れぬ」
二人の鬼の間でおろおろとしながら、それでも瑠璃は笑顔だった。
こんな会話ができるのも、この世界が平和になったからこそ。
「幸せ……だよね」
小さくつぶやいた瑠璃を、睨み合っていた祢々斬と無月が同時に振り返る。
「「ああ、幸せだ」」
「ふふふ、祢々斬と無月、息がぴったりだね」
複雑な表情で顔を見合わせる二人を前に、にこにこと微笑む瑠璃。
その時後ろから聞こえてきたのは――
「おいおい、この俺を忘れてもらっちゃあ困るぜ」
「竜尊、起きたの?」
「瑠璃を幸せにするのは、俺に決まってるだろ」
まだ酔いがかなり残っているらしい竜尊は、這うように瑠璃に近寄ると彼女の膝に突っ伏した。
「竜尊っ、てめえ!どさくさにまぎれて何やってんだ!?」
「瑠璃の膝を独占するとは許せぬ」
二人の猛烈な抗議も竜尊の耳には届かなかったようで、彼はそのまま瑠璃の膝枕で寝入ってしまった。
「竜尊も幸せそうな顔してるね」
束ねられた白銀の髪をそっと撫でる瑠璃の穏やかな表情に、祢々斬も無月も思わず息をのんで見とれる。
竜尊への嫉妬に燃える二人の胸の内を知ってか知らずか、瑠璃はとびきりの笑顔で言う。
「二人とも、いつもありがとう。これからも頼りにしてるね」
そう、自分達には『これから』がある。
瑠璃が、はるかが、導いてくれた平和の上に築いてゆく『未来』―――
「ふっ、仕方ねえ。今日だけは、最年長者にいい思いをさせてやるか」
「ああ。しかし、明日からは我も遠慮はせぬ」
こうして宴の夜は更けてゆくのだった。
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皆様のご訪問に、心からの感謝をこめて……。
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