【善法寺伊作前提】忍び怪談

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【第七夜】

(今日で約束の一週間目の夜。
戸を開けて出迎える伊作の姿に何やら妙な胸騒ぎを覚えたが、微笑まれ、差し出された座布団におずぞずと座った。)

こんばんわ…

天狗か、古来天狗は子供をさらうだとか、知恵を与えるなんて言い伝えがあるけど、きっと子供好きなんだね?



さぁ、いよいよ今日で最後の怪談。

ずーっと、ずーっと、昔の話。
昔々ある所にあった忍術を学ぶ学園のお話。





【呼ばう子供達】





昔々、あるところに忍術を学ぶ学園があった。

若い頃は忍者として腕を振るったお年寄りが、自分の業を若い者に伝えようと開いた学園はひっそりと大きくなった。

誰もが知っているけど、誰も場所がわからない。

でも自然と子供が集まり、とても良い腕の忍者になり、皆学園を巣立って行った。

卒業生は誰も学園の場所は話さない。
自分の仕事の為なら別に話したって良かったんだけど、みんなそれをしなかった。

なぜなら、みんな…学園が大好きだったからだ。

優秀な忍びを送り出し続ける学園。
そんな学園を疎ましく思う奴ら、そして学園の持つ繋がりや情報。

それを狙ってる奴は沢山いた。

だから、誰も話さなかった。


しかし、ある日学園は襲われた。
卒業生の誰かが裏切ったのだ。


でも実はそんな事珍しい事ではなくて、いつもなら事前に片付けられてしまうから学園に攻め込まれる様な事はなかった。

それが誰も学園の事を漏らさない理由の一つではあったんだけどね?


盲点だった。


いつの間にか学園を狙う奴らが手を結んでいたんだ。


いつもの穏やかな授業風景。
沢山の生徒の笑い声や、先生の凛とした教え。


日常は突然赤く染まった。
いきなり大勢の奴らが学園に攻め込んで次々と生徒や教師を襲った。

高学年や先生達は下級生を逃がしたりしながら勇敢に戦った。
けど、それも虚しく次々と悲惨な最後を辿った。
一年生なんて、まだ10になったばかりの子だっていたのに容赦なく殺された。


みんな死んでしまった。


僕が最後に見たのは、真っ赤に染まった保健室の床と燃え上がる学園の硝煙倉だったよ。


そう…ここの事だよ?


ふふっ!それからね?
みんなが死んで、奴らが引き上げて、学園が焼け落ちても僕らは学園から離れる事はなかった。


ずっと、ずっとみんなで繰り返してるの。
この学園での生活を…


そうして君みたいな人が迷い込むのを待ってるんだよ?

良い人のフリをして毒を飲ませて殺しちゃうの。

寂しいからね?
そうやって仲間を増やすの…


………まだ何がなんだわからないって顔してるね??


思い出してご覧?

君は何故ここに居るの??

君は何処から来たの??



思い出せた?
あはっ!顔色が真っ青だよ??
保健委員(うち)のチビ達も新しい先輩が出来て喜ぶよ!!








さぁ…今日から君も、お友達だよ?









六年は組
善法寺伊作
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