【善法寺伊作前提】忍び怪談
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【第四夜】
(今夜もあなたは保健室で夜を明かす。
保険委員長の少年の背中にもたれて、昨夜の話を悶々と咀嚼しているようだ。)
虫の知らせってありがちな話だけど、身内とはいえ物理的でないと怖いよね。
おや?なんだか廊下が騒がしいね??
なんだ、乱太郎か…どうしたの?
「善法寺先輩!聞いて下さい!!
三郎次先輩ったら酷いんです!!」
ああ、落とし穴の話か。
乱太郎は見なかったの?
「はい??」
看板が立ってたでしょう。
上級生が仕掛け罠の練習に使ってるから注意って…それがその落とし穴の先だよ。
「……っ!?」
三郎治は意地悪だけど、本当は優しい子なんだよ。
でも、その逆もしかり…
良い人は本当に信じても良いのかな?
数馬、今日は君達の体験談を聞かせてあげて!
「はい、それでは今日は僕がお話しますね?
これは僕が三年生の友達と体験談したお話です」
【良い幽霊】
それは親しい三年生全員で馬で遠乗りに出かけた時の事でした。
ろ組の方向音痴コンビの乗馬練習の為に僕達は山道を翔けていた。
すっかり遅くなってしまったため、辺りは暗くて月明かりでやっと道の輪郭が見える程度だ。
先頭に藤内、僕、三之助、左門、作兵衛、孫兵の順に獣道を走っていると藤内がいきなり悲鳴を上げて手綱を引いた。
途端に急停止する馬。
「え!?」
「うわっ!」
「なんだなんだ??」
「ばっか!何やってんだよ!!」
「……っ!!」
並んでいた順番に叫んで僕達も慌てて馬を止めた。
何とかぶつからずに済んだと思って顔を上げると、進行方向の暗闇に小さな女の子が浮かんで見えた。
かと思えば、その女の子はスゥーッ…と消えてしまい、藤内が彼女を見て驚いたのだとわかった。
「いったいどうしたんだよ!」
作兵衛が怒鳴ると藤内が顔を真っ青にして言った。
「女の子が先に居て…消えたんだ…っ」
「あぁ?」
そんな藤内を見て、作兵衛は馬を降り道の先に歩いて行く。
しばらくして暗闇の先で作兵衛の戸惑う声がした。
「女の子は居ないけど…この先…崖だ…」
直ぐにみんなで見に行くと、確かにそこは断崖絶壁で。もしも女の子に驚いて止まって居なかったらみんな仲良く真っ逆さまだった。
「もしかして、助けてくれたんじゃねぇの?」
「そうか!良い幽霊だったんだな!!」
そうか…ちょっと怖かったけど、良い幽霊もいるんだな…
僕が微笑むと迷子コンビが楽しげに笑う。
しかし今度は今まで黙っていた孫兵が慌て出した。
「お前ら!みんな早く馬に乗れ!!
崖から離れろ!!」
念のためだと言って、藤内に三之助を、作兵衛に左門を、そして自分の後ろに僕を乗せて走り出した。
状況についていけずに戸惑う僕達に構う事なく先頭を走る孫兵。
忍術学園が見えてもまだ背後を気にかけて居るようで、門を潜って小松田さんの顔を見てやっと息ついたように縁側に腰掛けた。
「それで?何だったんだよ!」
やっぱりまず噛み付いて行くのは作兵衛で、他も勿論僕もまた戸惑いの目を向けていた。
「………はぁ…っ…そう言うのがわからないお前らが羨ましいよ…」
「はっ…はっきり言えよ!!」
「聞こえたんだよ!
三之助と左門が騒ぎ出した時…
直ぐ…耳元で…!!」
“落ちちゃえば良かったのに”
三年生代表
三反田数馬
(今夜もあなたは保健室で夜を明かす。
保険委員長の少年の背中にもたれて、昨夜の話を悶々と咀嚼しているようだ。)
虫の知らせってありがちな話だけど、身内とはいえ物理的でないと怖いよね。
おや?なんだか廊下が騒がしいね??
なんだ、乱太郎か…どうしたの?
「善法寺先輩!聞いて下さい!!
三郎次先輩ったら酷いんです!!」
ああ、落とし穴の話か。
乱太郎は見なかったの?
「はい??」
看板が立ってたでしょう。
上級生が仕掛け罠の練習に使ってるから注意って…それがその落とし穴の先だよ。
「……っ!?」
三郎治は意地悪だけど、本当は優しい子なんだよ。
でも、その逆もしかり…
良い人は本当に信じても良いのかな?
数馬、今日は君達の体験談を聞かせてあげて!
「はい、それでは今日は僕がお話しますね?
これは僕が三年生の友達と体験談したお話です」
【良い幽霊】
それは親しい三年生全員で馬で遠乗りに出かけた時の事でした。
ろ組の方向音痴コンビの乗馬練習の為に僕達は山道を翔けていた。
すっかり遅くなってしまったため、辺りは暗くて月明かりでやっと道の輪郭が見える程度だ。
先頭に藤内、僕、三之助、左門、作兵衛、孫兵の順に獣道を走っていると藤内がいきなり悲鳴を上げて手綱を引いた。
途端に急停止する馬。
「え!?」
「うわっ!」
「なんだなんだ??」
「ばっか!何やってんだよ!!」
「……っ!!」
並んでいた順番に叫んで僕達も慌てて馬を止めた。
何とかぶつからずに済んだと思って顔を上げると、進行方向の暗闇に小さな女の子が浮かんで見えた。
かと思えば、その女の子はスゥーッ…と消えてしまい、藤内が彼女を見て驚いたのだとわかった。
「いったいどうしたんだよ!」
作兵衛が怒鳴ると藤内が顔を真っ青にして言った。
「女の子が先に居て…消えたんだ…っ」
「あぁ?」
そんな藤内を見て、作兵衛は馬を降り道の先に歩いて行く。
しばらくして暗闇の先で作兵衛の戸惑う声がした。
「女の子は居ないけど…この先…崖だ…」
直ぐにみんなで見に行くと、確かにそこは断崖絶壁で。もしも女の子に驚いて止まって居なかったらみんな仲良く真っ逆さまだった。
「もしかして、助けてくれたんじゃねぇの?」
「そうか!良い幽霊だったんだな!!」
そうか…ちょっと怖かったけど、良い幽霊もいるんだな…
僕が微笑むと迷子コンビが楽しげに笑う。
しかし今度は今まで黙っていた孫兵が慌て出した。
「お前ら!みんな早く馬に乗れ!!
崖から離れろ!!」
念のためだと言って、藤内に三之助を、作兵衛に左門を、そして自分の後ろに僕を乗せて走り出した。
状況についていけずに戸惑う僕達に構う事なく先頭を走る孫兵。
忍術学園が見えてもまだ背後を気にかけて居るようで、門を潜って小松田さんの顔を見てやっと息ついたように縁側に腰掛けた。
「それで?何だったんだよ!」
やっぱりまず噛み付いて行くのは作兵衛で、他も勿論僕もまた戸惑いの目を向けていた。
「………はぁ…っ…そう言うのがわからないお前らが羨ましいよ…」
「はっ…はっきり言えよ!!」
「聞こえたんだよ!
三之助と左門が騒ぎ出した時…
直ぐ…耳元で…!!」
“落ちちゃえば良かったのに”
三年生代表
三反田数馬