「ねーねー！ ミナト（みーたん）！ エンジュとあそぼ！」

「槐がボクと遊びたいなんて珍しいね、何して遊ぶの？」

「模擬戦！ なっちゃんとやったけど、面白かったよ！」

「なつきと？ 結果は？」

「20回やってエンジュが12回勝ったの！」

「20本勝負で12勝って…なつきが負け越したの!?」

「なっちゃんも強かったけど、エンジュ勝っちゃった！」

「じゃあさ『ボク達』と模擬戦やろうよ！ なつき達とイズミとで！」

「いいよ！ エンジュ勝つもんね！」

「さぁ、いよいよ始まります！ ハンター中隊vs.碓井槐のエキシビジョンマッチ！ 実況は美保関天満、解説を務めるのは、サイドワインダー伊予松山基地司令である石本ユミカ准将です！」

「ここで、当エキシビジョンマッチのルールの説明を致します！ ルールは１ラウンド５分の３ラウンド制、戦闘ポイントシステムを採用しています。ラウンド内で３回ダウンを奪うか、３ラウンド終了後に残り戦闘ポイントが多い方の勝ちとなります！」

「さて、碓井槐の第一回戦の相手は…鷺原イズミ訓練生です!!」

「まさか、槐とまた模擬戦やるなんてね…しかもチーム戦で」

「いつき、その甘い考えは危険だよ。槐は神様だしスタミナ切れなんて事も滅多と無いはずだから」

「とにかく…１戦目はイズミが行くんだから、槐の手の内を丸裸にするのが一番だよ」

「さぁー！ 第一回戦！ 両者がリングに立ちます!!」

「審判を務めさせていただきます。ルールの確認は済みましたね？ では、少し離れて下さい」

「わかった！」

「さぁ、ブザーが鳴るとラウンドⅠの開始です！ 鷺原訓練生と碓井槐が互いに武器を構えます！」

「ラウンドⅠ！ スタート!!」

「それ!!」

「おおっと鷺原訓練生！ 積極策に出た!! これはどう予想しますか?!」

「おっと、ここで鷺原訓練生が碓井槐を誘っています！ 手の内を出させるつもりのようです！」

「エンジュからいくよ!!」

「戦闘ポイント０！ 鷺原ダウン！」

「おーっと!! 鷺原訓練生！ 回避が間に合わなかったのか、碓井槐のクリティカルヒットを受けてダウン!!」

「いいんだよ、イズミは良くやったよ。いつき、くれぐれも遊ばないようにね」

「さぁ、第二回戦！ 松山いつき少尉がリングへ入りました！」

「さぁ、第二回戦！ 第一ラウンド開始のブザーが鳴った!!」

「おおっと！ 松山いつき少尉、碓井槐を挑発しました！ やはり誘き寄せる作戦には変わりありません！」

「じゃあ行くよ！ いっちゃん！」

「碓井槐！ 挑発を受けていつき少尉の元に突っ込んで行く！」

「わぁあ?!」

「クリティカルヒット！ 碓井槐ダウン！」

「おおっと！ ここで出た！ 松山いつき少尉の抜刀術!! ここで碓井槐が初ダウン!!」

「よしっ!!」

「初ダウン取った！」

「やられた～…」

「さぁ、いよいよこれが最終戦！ 鵜久森ミナト大尉の登場です!!」

「応援ありがとう！ 頑張るよ!!」

「さぁ、会場に割れんばかりの黄色い歓声が木霊（こだま）します！ エキシビジョンマッチ最終戦、鵜久森ミナト大尉vs.碓井槐！ ラウンドⅠ開始です！」

「構え！」

「…！」

「ラウンドⅠスタート!!」

「さぁ、最終戦ラウンドⅠが始まりました！ 二人とも接近戦でのインファイトを選びました！」

「はぁあ!!」

「うわっ?!」

「戦闘ポイント０！ 碓井槐ダウン！」

「ラウンドⅠで碓井槐ダウン！ 変幻自在かつ多彩な攻撃で鵜久森大尉がダウンを奪いました!!」

「さぁ、泣くも笑うも最終ラウンド！ これで全てが決まる！」

「ラウンドⅢスタート!!」

「っ！（ラウンドⅡより速い！ なつき達と連戦なのに何故そんなに動けるの!?）」

「えへへ～♪ エンジュ神様だもんっ!!（強烈な一撃）」

「うあっ!?」

「クリティカルヒット！ 鵜久森ダウン！」

「あぁーっと!! 鵜久森大尉が瞬間ダウン！ なんとも呆気ない幕切れ！ 連戦の疲労も感じさせず、碓井槐がハンター中隊に勝ち越しました!!」