松山 なつき

  • 一ノ瀬 蒼空

     2649年(光復元年)に地球世界を襲った天変地異の結果、日本列島は複数の国家に分裂し、各地で内戦が頻発していた。

  • 一ノ瀬 蒼空

    特に首都圏を擁する関東平野での戦乱が注目されるが、それと並んで重要なのは西日本、瀬戸内海を戴く西国さいごくである。

  • 一ノ瀬 蒼空

    そこでは近畿・中國地方と九州の軍勢が、瀬戸内海を巡って戦闘を繰り広げていた。

  • 一ノ瀬 蒼空

    その狭間にあって、最も深刻な無政府状態に陥っていたのが…四国であった。

  • 一ノ瀬 蒼空

    海に囲まれた四国は、本州から遮断された資源の枯渇、住民同士の衝突による内乱、そして…相次ぐ盗賊の蹂躙に苦しめられていた。

  • 一ノ瀬 蒼空

     この事態を乗り越えるべく、四国4県の生存者は同盟し、中立国共同体「南海コモンウェルス」が結成された。

  • 一ノ瀬 蒼空

    こうした中で2666(光復十八)年、地元の女学生「松山なつき」姉妹は、志を同じくする「鵜久森ミナト」らと出逢った。

  • 一ノ瀬 蒼空

    やがて彼女らは、四国の自由と平和を取り戻すため、コモンウェルスの義勇軍「サイドワインダー」を編成した。

  • 一ノ瀬 蒼空

    そして2669(光復二十一)年…弱き立場の人々を救い、分断された日本国家の統一・独立を成し遂げ、世界の秩序を変えるための初陣が、芸予諸島にて開戦した。

  • 一ノ瀬 蒼空

    九州の「神田エルンスト」「夢宮魅咲」や、異界から来訪した妖魔「十三宮澪花」らも援軍に参戦。

  • 一ノ瀬 蒼空

    四国と瀬戸内を愛する少女達との寝食を共に過ごし、戦い抜いた彼方へと開花する「」の未来を信じて…出撃!

  • Cancer twin sisters by Natsuki

  • 松山 なつき

    「お姉ちゃんだから」

  • 松山 なつき

     その言葉には必ずと言って良いほど何かが付いて来る。

  • 松山 なつき

    「お姉ちゃんだから良い子で居なさい」

  • 松山 なつき

    「お姉ちゃんだからしっかりしなさい」

  • 松山 なつき

     姉だからこそ、妹達には情けない姿は絶対見せられない。

  • 松山 なつき

    お姉ちゃんって面倒。

  • 西海道 肥前郡 伊万里県
  •  ここは九州、肥前の国。

  • 東部には、弥生時代を中心とする吉野ヶ里遺跡が広がり、北西には唐津湾、縄文晩期の水田稲作農耕を伝える菜畑遺跡や、16世紀末に築かれた肥前名護屋城がある。

  • その山と海に挟まれた廃墟の奥に、一人の後輩…神田エルンストが居た。

  • ここは…彼女の始まりの地、自らの原罪が眠る場所。

  • 田舎の村落には珍しい、地元のコンビニで買い物する事が、彼女の数少ない楽しみであった…のだが、その店舗は何者かの呪詛で燃やされてしまい、彼女の限られた居場所は、また一つ失われてしまった。

  • 結局…自分が帰るべき場所は、ここしか無いのだろうか…そんな事を考えていた所に、自分達を親友だと勝手に思い込んでいる花月地院陽成が現れた。

  • 花月地院 陽成

    「ねぇ、エルンスト。部屋に閉じ籠もってないで外に出て見たらどうなのさ」

  • 神田エルンスト遊火

    「…やだ、外に出ても良い事なかったから」

  • 花月地院 陽成

    「そんな事言わずにさ、外に出るだけでも違うから」

  • エルンストの手を引いて半ば無理矢理、外に出した。

  • 神田エルンスト遊火

    「引っ張らないでよ! 外に出るから!」

  • 南海道 伊予県 松山市
  •  伊予松山に降り立つエルンスト。

  • ここ四国は、九州や東京湾岸などを統治する日本帝国とも、近畿・中國地方を支配する軍事政権とも異なり、既存勢力に従属しない「中立国共同体」地域である。

  • 四国の人々は、諸外国との抗争に巻き込まれるのを避け、現地住民による自治・独立を死守しながら、日本国家の将来的な再統一を準備している。

  • この「南海コモンウェルス」は、独立国家のような大規模の常備軍は持っていないが、四国の4県から志願・選抜された、非常に士気が高く、平均年齢の若い義勇軍が活躍している。

  • ちなみに「義勇兵」を英語で言うと「ボランティア」である。

  • 神田エルンスト遊火

    「ここが四国…海賊に荒らされてるって聞いたけど、復興も進んでるんだ…あれ…どこ行けば良いんだっけ…」

  • 松山 なつき

    「どうしたの?」

  • 神田エルンスト遊火

    「え…えと…空港から出ようとしたら迷っちゃって…」

  • 松山 なつき

    「そう…じゃあ外まで案内するよ♪」

  •  物語の舞台は、これまでの現代史から忘れ去られていた「辺境」の島に…。

  • 雰囲気が違う理由
  •  ほとんど全寮制の軍事教練を受けている彼女らも、平時は日常生活を送る乙女である。

  • 一ノ瀬 蒼空

    「なつきー」

  • 松山 なつき

    「?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「杉本さん、今日はどうしたのかな?」

  • 松山 なつき

    「杉本さん?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「ほらあれ…」

  • 杉本すぎもとさん
    「…(ぼー…)」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「やっぱ、可愛いよねー特にあのennuiな感じがー普段はアレだけど」

  • 松山 なつき

    「あー…(いや…アレは多分…)」

  • 「ヴ?…(あ?…二日目しんっど…腹痛・腰痛・頭痛の三重苦)」

  • 松山 なつき

    「…(ポタージュ缶を置いとこ)」

  • 「ん…? なつきっ! コンポタ? なんで?」

  • 松山 なつき

    「お腹痛いんでしょ? 冷やしたらダメだよ」

  • 「あ…ありがと…」

  • 一ノ瀬 蒼空

    、ちょっと話し掛けて来るっ! 土日空いてるか聞いて来よっと」

  • 松山 なつき

    「やめといた方がいいよー?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「なんで?」

  • 松山 なつき

    「今話し掛けたら下手すると殴られるから」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「え? ドユコト?」

  •  松山なつき中尉は、こういう気遣いに長けている。

  • ある日の夕方
  • 松山 なつき

    「どうしたの? そんなに急いで…」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「えっと…なつき中尉あ、あの…今度の日曜日、私と一緒に…外出デートしてくれませんか? もちろん基地、隊の皆には内緒で…///」

  • 松山 なつき

    「いいよ♪ もちろんデートの後は…ね♪」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はいっ…なつき先輩…/// 喜んで…♪ にもやっと居場所が見付かった思いです…♪」

  • (スクランブル発令の館内放送)

  • 管制機 クリスタロス

    《総員! 緊急発進!!》

  • 松山 なつき

    「あぁん、ひどぅい! こんな時にまたスクランブルだよ!!」

  •  虚人東山軍、瀬戸内海から西条さいじょう市に上陸!

  • 東山軍は新兵器「リリーフ戦車」で東予とうよ三芳みよし町に突入し、三津浜みつはま競馬場(松山市 三津浜町)で鍛錬予定の軍馬を戦車内に連れ込み操縦席で駅弁しながら逃走中!

  • 至急、敵軍を追跡し、我々の軍馬を救出せよ!

  • 松山 なつき

    「中でアンアンIKU~しながら…ふざけてるよ!!」

  • 東山 備中

    「お前もアンアンIKU~しないか?」

  • 松山 なつき

    「四ねビッチ」

  •  東山軍の無免許提督は、瞬殺された。

  • なお、次回の再来襲には間に合う模様。

  • 外出当日
  • 一ノ瀬 蒼空

    「お待たせしましたっ!」

  • 松山 なつき

    「じゃあ行こっか♪ 夜の7時までに基地に戻って来れば良いから♪」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はいっ♪♥」

  •  サイドワインダー伊予松山航空基地は、松山飛行場の民間空港と滑走路を共用しており、必然的に基地も飛行場の敷地内にある。

  • 無論、市内中心へと出るには路線バスか路面電車に乗って向かう。

  • 松山 なつき

    「こうして外出するのは久し振りだなぁ…いつき以外の子と二人で外出…ましてやデートなんて初めてだよ♪」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「そうなんですか? なつき中尉って、色んな人達と外出しているイメージがありましたけど…」

  • 松山 なつき

    「アタシといつきとミナトとは一緒に外出する仲だけど…二人きりでっていうのは初めてなんだ♪」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「ほぇー…」

  •  そして、二人は市内電車に乗り、市内中心部へ向かった。

  • 松山 なつき

    「ねぇ、どこか行きたい所とかある?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「この間出来たカフェのパンケーキ食べたいですっ♪ 、一度食べて見たくてっ♪」

  • 松山 なつき

    「じゃあ、一番最初はそこに行こうよ♪」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はいっ♪♥」

  •  そして、市内電車の終点ターミナル駅に到着し、そのカフェがあるアーケード街へと向かった。

  • 松山 なつき

    「そのカフェってどの辺りにあるの?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「えーっとこの辺りに…あ、あそこです!」

  • 松山 なつき

    「『カフェ&スイーツ フェアリーフォレスト』…四国初出店だっけ?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はいっ♪ 早速入りましょうよ♪」

  •  その後、二人は看板メニューのパンケーキと、オレンジフラッペカプチーノを満喫し、その後はアーケード街を散策した。

  • 一ノ瀬 蒼空

    「あ、あのなつき中尉…///」

  •  なつきの服の袖を引っ張った。

  • 松山 なつき

    「どこかで休む?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はい…二人きりになれる所で…///」

  •  なつきと一ノ瀬士官は、アーケード街から少し離れた所にある休憩所に向かった。

  • そこは完全個室になっており、二人きりになるには丁度良い所だった。

  • 松山 なつき

    「ほら…深呼吸して力を抜いて…どう…? 気持ち良いでしょ…?」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はぃ…/// なんだかあったかくて…ふわふわして…///」

  • 松山 なつき

    「こんなにしちゃって…♪ よっぽどアタシに抱かれたかったんだね♪」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はぁ…んんぅ…///」
    (私…憧れのなつき中尉に抱かれてる…///)

  • 鷺原 イズミ

     なお、鷺原イズミ訓練生が覗き見していた模様…。

  • 【なつきちゃんと一ノ瀬士官が一緒に寝てた】

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「なつきさーん、そろそろ仮眠終わりですよ?」

  • 松山 なつき

    「zzz…」

  • 一ノ瀬 蒼空

    「すやぁ…」

  •  抱き合って寝ていた。

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「え…なつきさんと…一ノ瀬士官さんが一緒のベッドで寝てるって…」

  • 松山 なつき

    「あ…もう仮眠終わり…って、あれ?」

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「ふ、二人は…仮眠室で…?!」

  • 松山 なつき

    「ち、違うって(汗)」

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「こいつら因子ファミリー継承プラン(意味深)ヤったんだ!!(あ゛ーっ」

  • 松山 なつき

    「ヤった言うな、一緒に寝てただけだし…」

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