ある日の夜、夜間巡回に出ていたサイドワインダー伊予松山基地所属の松山なつき中尉。

橋に差し掛かった時、二十代半ばだろうか…女性が身を投げようとしていた。

なつきは即座にバイクを止め、その女性を引き止め、身投げを留まらせた。

　その後、なつきがその女性を宥（なだ）めてどこから来たのか、身投げしようとした事情を聞き出し始める。

　その後、なつきは未玖から自殺（未遂）にまで至る事情を聞き出した。

　なつきは未玖に、自分達の過去を全て話した。

　なつきは未玖をバイクの後ろに乗せ、サイドワインダー伊予松山基地へ帰投した。

その道中、なつきは基地に無線で未玖が自殺未遂をした事などを全て話した。

　一人のオフィスレディーを救った女学生達、彼女らと共に見上げた南海道（四国）の夜が明ける…。

　舞台は東山備中とサイドワインダーが戦闘を繰り広げる瀬戸内及び四国。

その最中に流れ着くように伊予（愛媛）松山に辿り着いた一人の士官。

当ても無く、さ迷い歩いていると、東山備中（量産型の一体）が士官の前に現れる。

「もう助からない…」と思っていたその時、現れたのは…。

　生死行き交う四国瀬戸内…四国の義勇軍「サイドワインダー」が、人工知能「虚人東山」が生み出したバーチャロイドと戦いを繰り広げていた。

流れ着くように伊予松山へと辿り着いた一人の士官。

これは、運命に翻弄されゆく一人の少女達の…美しくも儚い物語…。

　四国の伊予松山に降り立った私は、空港を出て行く当ても無く歩いていた…しかし…。

「私はここで終わる…」そう思った刹那、東山備中の断末魔が聞こえた。

瞑っていた眼を開けると、そこに居たのは…。

　故郷を救い、護るために戦い続ける「風神」。

もう二度と涙を流さぬために、強さを追い求めた…。

　もう誰も傷付けさせない…同じ運命を背負わせるわけにはいかないのに。

　もう、離してやれないかも知れない…例え命を削ろうとも。

私は最期まであなたと戦う。

　一国の守護をその手に託された若き「隊長」。

己が魂のまま振るう二振りのレーザー剣。

戦場に乱れ咲く華。

どれだけ血を流しその赤に染まろうとも、大切な人のために戦うと決めたのだから。

　その瞳の輝きの裏に隠された「心」とは。

　例え戦う事になろうとも、私はあなたの手を取る。

　己の信念を護るために、武器を手に取った「聖母」。

己の過去を背負い、悔やみ、失われ逝く命を嘆いた。

もう誰の涙も見たくはない。

己の手で皆の笑顔を護りきると誓った。

　矛盾の中に秘めた想い…傷付くのは、もう自分だけで良いのに…断ち切らなければ進めないのか…例えその愛が血で染まったものであっても。

私はあなたにこの身を委ねたい。

　ただ一人の「想い人」を失い、刃となった「雷神」。

大切な「想い人」を失い、護るべき術を忘れた…だから…笑顔で魂を刈り取る事しかできなかった。

　もう二度と、誰にも奪わせない…例え魂を犠牲にしても。

私は、あなたを救いたい。

　荒廃した故郷を救うため、燃え上がった「焔（ほむら）」。

心を燃やし、突き進んで来た。

任せて下さい、先輩はあたしが護りますから。

　大切なものを護るため、焔を纒（まと）い戦う道を選んだ。

　私に出来た「後輩」例えどんな未来へ向かおうと。

私は、あなたの誇りでありたい。

　愛する故郷を護るべく、立ち上がる「聖女」。

彼女は弱き人々に手を差し伸べ、救い続ける…己の「罪」を償うためのはずだった…。

　「贖罪」の裏に隠された「真実」…例えその罪が許されなくとも。

私はあなたと共に居たい。

　人類史上、未曾有の天変地異と共に降り注いだ悪夢と、その狭間に咲き乱れる華々の夢。

　物語の舞台は、瀬戸内海を巡る西国（さいごく）、激動する時代に忘れ去られていた「辺境」の島々…。

　西海（さいかい）に生まれ落ちた一滴の血は、やがて世界を焼き尽くす業火の焔へと…そして新時代の彼方に、私達を待ち受けていたのは…。