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十三宮 幸
第二次世界大戦が終結した後も、地球に平和は訪れず、冷戦の時代に突入したのは衆知の如くである。
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十三宮 幸
ユーラシア大陸の極東、私達が暮らす日本列島もその激動に巻き込まれ、後世の教訓とすべき
数多 の歴史が刻まれたという事も。 -
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十三宮 幸
しかし、それに勝るとも劣らぬ重大事件が、あの小惑星衝突であったのは言う迄も無い。
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十三宮 幸
辛うじて絶滅を免れた我々人類が、地球文明の再建を決意してから早くも歳月が過ぎ、各国がどうにか復興を果たしつつある中、日本国家もまた、右往左往しながらではあるが、取り敢えずは新年の太陽を遥拝する事ができた。
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2675(聖徳五)年1月
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関東州 東京府 東京市
麹町 区 江戸千代田城 -
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十三宮 伊豆守 聖
日本帝国の元首である西宮堯彦と、前任者の大覚寺雲母日女が、江戸千代田城から正月の御挨拶を放送していた。
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十三宮 伊豆守 聖
しかし雲母日女は、御自身の「爆乳」とやらを見せびらかすだけで、一体何を話されているのか、良く分からなかった…。
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東京市 大森区・品川区 大森貝塚
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十三宮 巫部 仁
「日本考古学発祥の地」である縄文時代後期・晩期(紀元前千年)の遺跡、大森貝塚の周辺に、私達が同居している
十三宮 教会の家がある。 -
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十三宮 巫部 仁
私達の姉、要は「保護者」に当たる十三宮聖は、幼年期から私達を可愛がってくれた。
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十三宮 幸
十三宮仁は、私の幼馴染み的な家族で、初対面の頃から私に好意を抱いてくれている、大切な(少し病んでいる)人。
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十三宮 幸
今日は、私達が関わっているゲーム同好会(同人サークル)に、新しい参加者が来るらしいので、その人と会いに行く予定である。
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東京府 武蔵野市 吉祥寺駅
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十三宮 巫部 仁
大森貝塚から北西に、広大な武蔵野台地を移動し、武蔵野市に到着。
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十三宮 巫部 仁
そこで私達は、橘ラインハルト立花という新登場キャラクターに遭遇した。
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十三宮 巫部 仁
橘立花は、私達と一緒にゲームを制作したい!と提案しに来たらしい。
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十三宮 巫部 仁
具体的には、ここ武蔵野市を主な舞台とし、ヒロインが9人ほど登場する「ギャルゲー」を創りたいとの事。
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十三宮 巫部 仁
詳細に関しては、
野州 (栃木)鹿沼 市の「交通安全教育センター」で、ほかの仲間を交えて会議するらしい。 -
十三宮 巫部 仁
しかし、東京大森からここまで来て、更に武蔵(埼玉)を縦断して野州に向かうには、相応の交通費が掛かる。
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十三宮 巫部 仁
その後、司令官の落合航に呼び出された橘立花は、艦載電子戦機
グラウラー に乗って、どこかへと消えてしまった。 -
十三宮 巫部 仁
落合司令官は、愛機の
スーパートムキャット 艦載戦闘機をレッカー移動されたらしい…可哀相。 -
十三宮 巫部 仁
帰宅後、入浴を済ませる。
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十三宮 巫部 仁
何歳になっても「体を洗ってあげますよ^^」という態度で接する十三宮聖は、いつまで経っても「お姉ちゃん」である。
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十三宮 巫部 仁
私達が出掛けている間、
七宝院 学園から理科の教材が送られて来たので、中身の内容を確認する事にした。 -
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十三宮 巫部 仁
しかし、教材の名前が「馬鹿でも解る地学講座」…もう少し、まともな命名はできないのだろうか…?
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十三宮 巫部 仁
折角の機会なので、この教材で一緒に地学(地球科学)を勉強する事にした。
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十三宮 寿能城代 顯
地学の研究対象である地球は、岩石圏・水圏・大気圏という三つの領域に大別される。
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十三宮 寿能城代 顯
このうち、岩石圏を取り扱う分野としては、地質学・火山学・地震学・測地学・地形学が挙げられる。
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十三宮 寿能城代 顯
地形学は、地球表面の形態がどのようにして造られたのか、その成因を探究する科学であり、自然地理学とも重複する分野である。
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十三宮 寿能城代 顯
例えば…東京周辺に広がる武蔵野台地は、氷河時代(新生代 第四紀 更新世)の洪水や地殻変動によって形成された、隆起扇状地という洪積台地であり、造られた年代・地域に応じて、古い順に「
下末吉 面」「武蔵野面」「立川 面」という3箇所に分けられる。 -
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十三宮 寿能城代 顯
約12~13万年前の最終間氷期(更新世中期)に形成された台地が下末吉面で、その一つである「
荏原 台」に、私達の郷土である東京大森が立地している。 -
十三宮 寿能城代 顯
約6万年前のウルム最終氷期(更新世後期)に造られた台地が武蔵野面で、その一つである「武蔵野段丘」にあるのが、吉祥寺駅などの武蔵野市である。
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十三宮 巫部 仁
なお、落合航が武蔵野市の廃墟に路上放置したスーパートムキャットは、空中警戒管制機クリスタロスの命令により、レッカー移動で撤去されていた…。
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十三宮 巫部 仁
こうして、良く分からない地学講座は終焉を迎え、疲れて眠くなった私達は、安らかに就寝した…。
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その後、橘立花が創りたがっていたギャルゲーを、同人サークル「スライダーの会」が、実際に制作する事となった。
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武蔵野市の幹雄が原作を考案し、東京大森・蒲田の十三宮顯、宇都宮市の三浦フレデリックらが制作に携わり、試行錯誤を重ねた。
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ヒロインは「雨宮りこ」ら9人に、隠しキャラ「いおり」を含めた10人で、その人数からタイトルは『Nine Lives』と命名された。
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原作者である幹雄自身も、主人公の親友として出演するほか、『Planet Blue』シリーズの日向風信・橘立花・十三宮仁もゲスト出演する事に。
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こうして、新作企画『Nine Lives』が公開された…という次第である。
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