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十三宮 幸
東京蒲田で開催される同人誌即売会に参加する事となった、文芸サークル「スライダーの会」。
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十三宮 幸
即売会のテーマが「眼鏡」なので、眼鏡っ子が登場する新刊同人誌を制作するが、開催まで残された時間は少ない。
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十三宮 幸
妹の柊七海、同級生の笹木詩絵楽、地下アイドルの望月まぅゆ様らと協力し、私達はイベントの準備に励む事となった。
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十三宮 幸
これは、サークル初の同人誌即売会に臨む「スライダーの会」が紡ぐ、愛と感動と眼鏡の物語である…のかも知れない。
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2684(共和六)年 弥生十七日
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関東州 東京府 東京市 神田区
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今日は秋葉原で、日本を代表する地下アイドルである
望月 まぅゆ様のイベントがあった。 -
それに参加していた私達は終演後、メイドカフェで自主的に二次会を開き、今後の活動方針を会議していた。
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十三宮 幸
「まあ、まずは望月さんのイベント楽しかったね!」
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十三宮 寿能城代 顯
「そうだね、まぅゆ様のパフォーマンスはいつも最高だよ」
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十三宮 幸
「次のイベントは来月、蒲田産業会館で開催される同人誌即売会だってよ」
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十三宮 寿能城代 顯
「蒲田って僕が住んでいる所だし、産業会館も自宅から自転火車で行けるし、それなら私達も、その即売会にサークルとして参加できるのでは…?」
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十三宮 幸
「同人ならではの作品を売り買いできたら面白そうだし、参加してみようか?」
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十三宮 寿能城代 顯
「ああ、そうしよう! まぅゆ様と一緒のイベントに出られるなんて、楽しみだ」
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十三宮 幸
「じゃあ、来月の同人誌即売会に向けて、一緒に準備しよう!」
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こうして、私達のサークル「スライダーの会」は、来月に開催される同人誌即売会への参加を決めた。
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今日は、柊七海の誕生日でもある。
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私達は、誕生日プレゼントであるバーチャルアイドルの鏡を手に、七海の部屋へと向かった。
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七海は、私達の最愛の妹であり、いつも私達を支えてくれる存在である。
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十三宮 幸
「お誕生日おめでとう、ななみん! これからも、宜しくね」
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柊 七海
「ありがとう! 幸お兄ちゃん、本当に嬉しいよ!」
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七海の幸せな声に包まれながら、彼女の誕生日を祝う。
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ケーキを食べたり、話をしたりしながら、家族の絆を感じる一時を過ごす。
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十三宮 幸
「これ、七海のために選んだプレゼントだよ。バーチャルアイドルの鏡だから、いつでも応援してくれるって思って選んだんだ」
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柊 七海
「本当に!? 嬉しい! これ、お守りにするよ!」
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十三宮 幸
「大事にしてね、いつでも私達が一緒に居るよ」
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柊 七海
「ありがとう! 幸お兄ちゃん、これからもずっと一緒に居てね」
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私達は、これからも七海の成長を見守り、彼女が夢を叶えるための力になりたい。
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私達の心には、家族の絆と共に過ごす素晴らしい時間、七海の笑顔がずっと残っている。
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私達の大切な存在である七海の幸せを願いながら、未来へと歩みを進めるのであった。
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相模(さがみ)県 南武郡 横浜市 西区
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同人誌即売会への参加が決まったのは良いが、開催まで一月しか残されておらず、新刊を執筆する時間は少ない。
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私達は、親友の笹木詩絵楽と横浜で待ち合わせし、同人誌のアイディアを考える事にした。
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笹木さんは、いつもの態度で私をからかい始めた。
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笹木 詩絵楽
「な~に? このあたしに相談? 全く…あんたっては奴は、あたしが居ないと何にもできないんだから♪」
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彼女の言葉に少しドキッとしつつも、私は笑顔で話を続ける。
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十三宮 幸
「同人誌即売会のテーマが『眼鏡』だから、何かしら眼鏡が登場する新刊を書きたいんだけど、アイディアが欲しくて…」
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笹木 詩絵楽
「もう、しょうが無いわね~。じゃあ、あたしが手伝ってあげるわよ♪」
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彼女の協力を得て、私達は一緒にアイディアを出し合いながら、ストーリーの骨子を組み立てた。
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笹木 詩絵楽
「眼鏡って、何だか知的なイメージがあるわよね。いっその事、あたしがモデルになってあげようかしら?」
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十三宮 幸
「ああ、それは良いアイディアだね! 笹木さんが眼鏡を掛けた姿は、きっと読者を魅了するはずだよ」
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笹木さんの小悪魔な魅力と、眼鏡をテーマにしたストーリーで、新刊同人誌を創る事ができそうだ。
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私達は、時間を忘れてアイディアを詰め込み、ストーリーの構成を考えた。
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笹木 詩絵楽
「このシーンでは、あたしが眼鏡を外して主人公に近付くとか、どうかしら?」
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十三宮 幸
「それは良いね! 笹木さんらしい、小悪魔な一面が映える演出だ」
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二人でアイディアを出し合いながら、ストーリーがどんどん形になってゆく。
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私達は、同人誌即売会までの時間を大切にしながら、作品を一緒に完成させる事を約束した。
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十三宮 幸
「笹木さん、本当にありがとう。あなたが居てくれるから、私も頑張れるよ」
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笹木 詩絵楽
「ふん、当然よ。あたしはいつだって、あんたの飼い主なんだから」
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私達の絆は深まり、同人誌制作への意欲も高まった。
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一緒に頑張りながら、私達は新たな作品を生み出す準備を進めていった。
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こうして同人誌制作に取り組む中で、限られた時間で新刊の小説を考えてくれた、笹木さんへの親近感も深まった。
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十三宮 幸
「笹木さん、本当にありがとう! あなたのお蔭で、良い進捗になったよ」
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私が笑顔で言うと、笹木さんも嬉しそうに微笑みながら答える。
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笹木 詩絵楽
「まあ、こちらこそ役に立てて嬉しいわよ。あたしも今日は、あんたの暇潰しに付き合ってあげたい気分だったから」
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私達は励まし合いながら、作業を進めた。
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しかし、笹木さんは相変わらず、周囲をドキドキさせてしまう言動が多く、それは私に対しても同様だった。
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笹木 詩絵楽
「ねえ、十三宮君。ちょっと、こっちに来てみて」
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と、笹木さんが甘い声で囁いた。
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彼女は妖艶な笑みを浮かべながら、戸惑う私の背後に回った。
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笹木 詩絵楽
「ほら、もっと近くで一緒に作業しましょう」
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と、笹木さんが耳元で囁いた。
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彼女の熱い息遣いを感じ、その魅力に抗う事ができず、ドキドキが止まらない。
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十三宮 幸
「笹木さん…あなたと一緒に居ると、本当に刺激的で楽しい。でも、今は作業を進めないと…」
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彼女と手を握りながら、私はそう言った。
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笹木 詩絵楽
「そうね、今は仕事を優先しましょ。じゃあ…御褒美の続きは、また後でね」
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少し不満そうな表情を浮かべながらも、笹木さんは甘い声で言った。
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笹木さんの魅力に振り回されながらも、私達は何とか作業を進める事ができた。
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こうして、笹木さんの原案による新刊同人誌『星の下での約束』が完成した。
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また、東京大森で活動している地域団体(同窓会)の協力により、もう一冊の新刊『めぐみ坂の春祭』も出来上がった。
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更に、私達の大切な仲間である
十三宮 澪花 咲都季 ちゃん達のお蔭で、サークルの看板や名札に使える画像も用意する事ができた。 -
残った時間は、笹木さんとゆっくり過ごす事に。
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笹木 詩絵楽
「御苦労様。はぁ…疲れ過ぎて帰る気も起こらないから、今夜は帰りたくないわ。あ、もしかして…さっきの続きしたいとか思ってる?」
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色っぽい声で語りかける、笹木さんの誘惑に心を揺さぶられる。
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十三宮 幸
「笹木さんの元カレ達も、あなたのそういう魅力に落とされたんだろうな…w」
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私が答えると、彼女は妖艶な笑みを浮かべた。
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笹木 詩絵楽
「そうよ、誰もが私に魅惑されるわ。あいつらも、あんたも…ね」
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そう得意げに言いながら、私達は寄り添って密着した。
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彼女の甘い唇が私の唇を包み込み、私は彼女の魅力に溺れてゆく。
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十三宮 幸
「笹木さん…私は、あなたの事が…」
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私が告げると、彼女は満足そうな表情で微笑んだ。
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笹木 詩絵楽
「分かってるわ…あたしも、好きよ」
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そう彼女が囁いた後、私達は再びキスを交わし、刺激的な瞬間が繰り返された。
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その後も私達は、密室で秘密の時間を…とか思っていたら、笹木さんが急に立ち上がった。
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笹木 詩絵楽
「あたし、そろそろ帰らないと。眼鏡のイベント、楽しみね。じゃあ、またね…ふふっ♪」
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十三宮 幸
「…え? あ、お疲れ様…」
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ああ…なるほど、こうやって
元 カ レ 達の心を弄んできたんだな、この女は…w -
でも…笹木さんが相手なら、それすらも許せてしまいそうな気が…?
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笹木 詩絵楽
「あ、それと…あたしの新刊、あんたのほうでも再チェックしといてくれない? このあたしが書いてあげたんだから、精々ありがたく読みなさいよね♪」
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十三宮 幸
「ああ、そうだね。分かったよ。改めて、ありがとう!」
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そういうわけで、笹木さんが書いてくれた新刊『星の下での約束』を、改めて読んでみる事にしよう。
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