第三話 星の下での約束

  • 一ノ瀬 蒼空

     蒲田で開催された同人誌即売会「眼鏡時空32」にて頒布した新刊『星の下での約束』を公開します!

  • なつき
  •  高校の図書室で一際、背の高い眼鏡の青年が本に囲まれて座っていた。

  • 青年の名前は、なつき。

  • 学年でもトップクラスの成績を誇り、スポーツも万能ながら、なつきが一番愛するのは、頁を捲る時間だった。

  •  ある日、なつきのクラスに転校生がやって来た。

  • なつきより小柄な転校生、それがだった。

  • は人混みが苦手で、クラスよりも図書室で独り静かに過ごす事が多かった。

  •  なつきとの出逢いは、偶然ではなかった。

  • が図書室の隅で落とした本を拾ったのは、なつきだった。

  • それは、なつきが何度も読んだ事のあるファンタジー小説だった。

  • 松山 なつき

    「これ、借りに来たんだよね?」

  •  そう微笑みながら、なつきは本を差し出した。

  •  は頬を赤らめながら、そっと本を受け取った。

  • 一ノ瀬 蒼空

    「はい、ありがとう御座います。この本、大好きなんです」

  •  その日から、二人は本の話で盛り上がるようになった。

  • なつきはに新しい本を勧め、はそれを読んで感想を言う。

  • 二人の距離は、徐々に縮まっていった。

  •  季節は移り変わり、卒業が近付いていた。

  • なつきは、に告白する決心をした。

  • なつきはが好きな本の一節を引用して、手紙を書いた。

  • 松山 なつき

    「アンタと読む物語は、どんなに素晴らしい冒険よりも、アタシにとって特別なんだ」

  •  卒業式の日、なつきはその手紙をに渡した。

  • は涙を浮かべながら、頷いた。

  • 二人は手を取り合い、新しい章へと歩き出した。

  • ミナト
  •  ミナトは学校で一番背が高く、いつも眼鏡を掛けている生徒だった。

  • ミナトはクラスで浮いていたが、その背丈と知識の豊富さで敬意を集めていた。

  • ある日、ミナトは学校の図書館で独り黙々と本を読んでいた。

  • すると、自分より小柄な生徒が近付いて来て、恐る恐る声を掛けた。

  • 一ノ瀬 蒼空

    「すみません、これ、どの本なんですか?」

  •  ミナトは笑顔で本のタイトルを教え、興味深そうに話し始めた。

  • は更に質問を重ね、ミナトは親切に答えた。

  • その交流は次第に深まり、はミナトにとって新しい友人となった。

  •  数日後、学校でのクイズ大会が行われる事になり、ミナトは代表として選ばれた。

  • ミナトは緊張しながらも、自信を持って友人達に囲まれてステージに立った。

  • そして、ミナトの知識と冷静さが勝利をもたらし、学校中がミナトを称讃した。

  •  それ以降、ミナトは孤立していた過去を乗り越え、新しい自信を得た。

  • ミナトの眼鏡の奥に隠された智慧と優しさは、ミナトをただの背の高い生徒から、学校で尊敬される存在へと変えていったのだった。

  • いつき
  •  春の午後、学園の図書館で独り静かに本を読むその姿は、いつもと変わらず落ち着いていた。

  • 眼鏡を掛けた顔は、どこか知的で少し物静かな雰囲気を持っていた。

  • その高身長から、周囲の視線が引き寄せられる事も多かった。

  •  その名前は、松山まつやまいつき。

  • 学園でも優秀な成績を誇り、クラスでも人気者だった。

  • しかし、誰も知らないいつきの秘密があった。

  •  ある日、学園の文化祭の準備が進む中、いつきは図書委員会の一員として忙しく働いていた。

  • そんな中、いつきは一人の生徒と出逢う。

  •  その生徒は明るく元気な性格で、いつも周囲を明るくする存在だった。

  • その生徒と初めて話す事で、いつきは自分の中に眠っていた何かが揺れ動き始めたのを感じた。

  •  二人は文化祭の準備を通じて、段々と距離が近付いてゆく。

  • いつきは相手の明るさに惹かれ、自分自身の内面にも変化を感じていた。

  •  文化祭当日、いつきは図書館でと二人きりになる。

  • そこでは、思わず口に出してしまう。

  • 一ノ瀬 蒼空

    「実は、あなたの事が気になって…」

  •  いつきは驚きと同時に、嬉しさを感じた。

  • そして、素直な気持ちを告白する勇気を持った。

  • 松山 いつき

    「…蒼空ちゃん、実は私もあなたの事が気になっていたよ」

  •  二人の間には、新たな気持ちが芽生えた。

  • そして、それはお互いの心を豊かにし、未来への希望を抱かせるものとなった。

  •  こうして、といつきの間に芽生えた恋の物語は、静かにそして美しく続いていったのであった。

  •  終わり。

  • 綺音
  •  高校生のは、いつも図書館で本を読んでいる、内気で文学に夢中な生徒だった。

  • ある日、が図書館で読書していると、もう一人の生徒がの隣に座り、同じ本を手に取った。

  • 眼鏡を掛けており、優しそうな表情をしていた。

  •  は、初めは緊張していたが、静かに本を読んでいる姿を見て安心した。

  • は自然と距離を縮め、共に本の内容や作者について語り合った。

  • その生徒は、名前を綺音あやねと言い、文学にも造詣が深く、とは趣味や考え方が良く合う事が分かった。

  •  やがて、は綺音に惹かれ始めた。

  • その優しさや深い考えに触れるたびに、の心は綺音に寄り添いたくなった。

  • しかし、自分の気持ちに素直になれず、告白する勇気を持てないでいた。

  •  ある日、私は学校で文学コンテストが行われる事を知る。

  • は綺音に参加するよう勧め、綺音も快く了承した。

  • 二人は協力して作品を書き上げ、コンテストに出品した。

  •  結果発表の日、は緊張していた。

  • しかし、舞台に立ったの目に飛び込んで来たのは、綺音の姿だった。

  • 綺音が笑顔で私を見詰め、手を差し伸べてくれた瞬間、は自分の気持ちを素直に受け入れる勇気を持った。

  •  そして、図書館の本棚の陰で、二人は互いの気持ちを初めて確かめ合った。

  • その後、達は文学の世界で共に歩み始め、美しい恋物語が始まったのだった。

  • 放課後の眼鏡っ子
  •  放課後の教室には、いつもよりも静かな雰囲気が漂っていた。

  • 生徒達は帰り支度を整え、校舎から次々と姿を消して行く中、一人の生徒が教室の奥で何かに夢中になっていた。

  •  その名前は、村田むらた幸治朗こうじろう

  • クラスでも目立たず、地味な性格の村田は、眼鏡を掛けている事で更に存在感を薄くしていた。

  • しかし、その地味な容姿とは裏腹に、村田は乙女ゲームが大好きな秘密の趣味を持っていた。

  •  放課後の時間は、村田にとってはゲームを楽しむ貴重な時間だ。

  • 机の上には乙女ゲームの攻略本が広げられ、幸治朗は熱心にそれを読み込んでいた。

  • その中で、村田が特に興味を持っていたのは、ゲーム内のキャラクター達との恋愛模様だった。

  • 一ノ瀬 蒼空

    「放課後、校舎の中庭で待ってるよ」

  •  机の上に、一つの紙切れが置かれていた。

  • それは、村田のプレーしている乙女ゲームの中での出来事を彷彿とさせるメッセージだった。

  • 幸治朗は驚きながらも、興奮を隠せなかった。

  •  教室を出ると、そこには村田がゲーム内での好みのキャラクターを彷彿とさせる生徒が立っていた。

  • 生徒は、微笑みながら幸治朗に近付いて来た。

  • 一ノ瀬 蒼空

    「待たせちゃった?」

  •  幸治朗は戸惑いながらも、との会話を楽しんだ。

  • との仄々とした会話の中で、幸治朗は自分の日常が少しだけ輝いている事に気付いた。

  • 乙女ゲームの世界と現実の境界が、曖昧になりつつあった。

  •  放課後の時間は、達にとって特別な時間となった。

  • 眼鏡っ子の静かな日常が、乙女ゲームのようなドラマチックな展開に彩られていったのだった。

  • 花束の誓い
  •  学園の図書館で、静かな午後が流れていた。

  • 二人の生徒、遊火ゆうかは隣同士に座り、本に夢中になっていた。

  •  は、穏やかな笑顔で遊火を見詰め、

  • 一ノ瀬 蒼空

    「この本、面白いでしょう?」

  •  と、尋ねた。

  • 遊火は、瞳を輝かせながら、

  • 神田エルンスト遊火

    「ええ、本当に面白いわ。ありがとう、一ノ瀬先輩」

  •  と、答えた。

  •  二人は共に眼鏡を掛けており、その共通点から親しみを感じていた。

  • 学園の中でも、達は眼鏡っ子として知られていた。

  •  図書館の中は静寂に包まれ、達の会話が心地良い音楽のように響いていた。

  • と遊火は、本の内容や自分達の趣味について語り合いながら、次第に心を通わせていった。

  •  その日以来、達は図書館での出逢いを切っ掛けに、親密な関係を築いていった。

  • 達の間には、特別な絆が芽生えつつあった。

  •  ある日、は遊火に対して、静かな場所で二人きりになりたいと提案した。

  • 遊火も喜んで応じ、学園の裏庭にある隠れた場所へと向かった。

  •  そこは青々とした木々に囲まれた小さな空間で、穏やかな風が吹き抜けていた。

  • と遊火は、互いの手を取り合い、静かな時間を過ごした。

  •  その時、遊火は思わず口を開いた。

  • 神田エルンスト遊火

    蒼空先輩、僕…あなたの事が好きなんです」

  •  は、驚きと喜びの表情で遊火を見詰めた。

  • 一ノ瀬 蒼空

    も、遊火。も、あなたの事が大好きだよ」

  •  二人の間には、こうして契りが交わされた。

  • 達の心は、互いに深く結ばれていった。

  • そして、その日以降、達は図書館や裏庭で、愛と友情を育んでいく事になるのだった。

  •  と遊火は、共に歩む新たな人生への一歩を踏み出した。

  • 二人の間には深い絆があり、その結び目は永遠に輝き続ける事だろう。

  • 輝きの契り
  •  学園の中庭で、と詩絵楽は静かに話していた。

  • 達は二人とも眼鏡を掛けた生徒であり、学園で知られる存在だった。

  •  ある日、学園に新たな生徒が転校して来た。

  • 転校生の名前は、玲果れいか

  • 玲果もまた眼鏡を掛けており、と詩絵楽にとっては新たなライバルとなった。

  •  しかし、玲果は冷たく優雅な態度を持ち、学園の中で「悪役令嬢」として知られる存在だった。

  • 玲果はと詩絵楽を見下し、挑戦の姿勢を見せてきた。

  •  と詩絵楽は、最初は戸惑いながらも玲果との関係を受け入れる事に決めた。

  • 達は互いの信念と友情を貫き、玲果との間で繰り広げられる様々な出来事に立ち向かっていった。

  •  達の間には、時には競争心や対立が生まれる事もあったが、それでも絆は揺るぎないものだった。

  • 達は互いに刺激し合い、成長し、学園の中で輝き続けた。

  •  そして最終的には、と詩絵楽は玲果との間に友情を築く事に成功した。

  • 達は互いの違いを認め合い、学園での新たな冒険に向けて共に歩んで行く事を決意した。

  •  達の物語は、友情の輝きと共に、新たな絆が芽生える物語であった。

  •   笹木ささぎ詩絵楽シエラ

      スライダーの会 編

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