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一ノ瀬 蒼空
蒲田で開催された同人誌即売会「眼鏡時空32」にて頒布した新刊『星の下での約束』を公開します!
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なつき
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高校の図書室で一際、背の高い眼鏡の青年が本に囲まれて座っていた。
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青年の名前は、なつき。
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学年でもトップクラスの成績を誇り、スポーツも万能ながら、なつきが一番愛するのは、頁を捲る時間だった。
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ある日、なつきのクラスに転校生がやって来た。
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なつきより小柄な転校生、それが私だった。
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私は人混みが苦手で、クラスよりも図書室で独り静かに過ごす事が多かった。
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なつきと私の出逢いは、偶然ではなかった。
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私が図書室の隅で落とした本を拾ったのは、なつきだった。
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それは、なつきが何度も読んだ事のあるファンタジー小説だった。
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松山 なつき
「これ、借りに来たんだよね?」
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そう微笑みながら、なつきは本を差し出した。
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私は頬を赤らめながら、そっと本を受け取った。
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一ノ瀬 蒼空
「はい、ありがとう御座います。この本、大好きなんです」
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その日から、二人は本の話で盛り上がるようになった。
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なつきは私に新しい本を勧め、私はそれを読んで感想を言う。
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二人の距離は、徐々に縮まっていった。
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季節は移り変わり、卒業が近付いていた。
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なつきは、私に告白する決心をした。
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なつきは私が好きな本の一節を引用して、手紙を書いた。
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松山 なつき
「アンタと読む物語は、どんなに素晴らしい冒険よりも、アタシにとって特別なんだ」
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卒業式の日、なつきはその手紙を私に渡した。
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私は涙を浮かべながら、頷いた。
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二人は手を取り合い、新しい章へと歩き出した。
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ミナト
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ミナトは学校で一番背が高く、いつも眼鏡を掛けている生徒だった。
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ミナトはクラスで浮いていたが、その背丈と知識の豊富さで敬意を集めていた。
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ある日、ミナトは学校の図書館で独り黙々と本を読んでいた。
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すると、自分より小柄な生徒が近付いて来て、恐る恐る声を掛けた。
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一ノ瀬 蒼空
「すみません、これ、どの本なんですか?」
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ミナトは笑顔で本のタイトルを教え、興味深そうに話し始めた。
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私は更に質問を重ね、ミナトは親切に答えた。
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その交流は次第に深まり、私はミナトにとって新しい友人となった。
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数日後、学校でのクイズ大会が行われる事になり、ミナトは代表として選ばれた。
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ミナトは緊張しながらも、自信を持って友人達に囲まれてステージに立った。
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そして、ミナトの知識と冷静さが勝利をもたらし、学校中がミナトを称讃した。
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それ以降、ミナトは孤立していた過去を乗り越え、新しい自信を得た。
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ミナトの眼鏡の奥に隠された智慧と優しさは、ミナトをただの背の高い生徒から、学校で尊敬される存在へと変えていったのだった。
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いつき
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春の午後、学園の図書館で独り静かに本を読むその姿は、いつもと変わらず落ち着いていた。
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眼鏡を掛けた顔は、どこか知的で少し物静かな雰囲気を持っていた。
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その高身長から、周囲の視線が引き寄せられる事も多かった。
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その名前は、
松山 いつき。 -
学園でも優秀な成績を誇り、クラスでも人気者だった。
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しかし、誰も知らないいつきの秘密があった。
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ある日、学園の文化祭の準備が進む中、いつきは図書委員会の一員として忙しく働いていた。
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そんな中、いつきは一人の生徒と出逢う。
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その生徒は明るく元気な性格で、いつも周囲を明るくする存在だった。
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その生徒と初めて話す事で、いつきは自分の中に眠っていた何かが揺れ動き始めたのを感じた。
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二人は文化祭の準備を通じて、段々と距離が近付いてゆく。
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いつきは相手の明るさに惹かれ、自分自身の内面にも変化を感じていた。
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文化祭当日、いつきは図書館で私と二人きりになる。
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そこで私は、思わず口に出してしまう。
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一ノ瀬 蒼空
「実は私、あなたの事が気になって…」
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いつきは驚きと同時に、嬉しさを感じた。
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そして、素直な気持ちを告白する勇気を持った。
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松山 いつき
「…蒼空ちゃん、実は私もあなたの事が気になっていたよ」
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二人の間には、新たな気持ちが芽生えた。
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そして、それはお互いの心を豊かにし、未来への希望を抱かせるものとなった。
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こうして、私といつきの間に芽生えた恋の物語は、静かにそして美しく続いていったのであった。
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終わり。
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綺音
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高校生の私は、いつも図書館で本を読んでいる、内気で文学に夢中な生徒だった。
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ある日、私が図書館で読書していると、もう一人の生徒が私の隣に座り、同じ本を手に取った。
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眼鏡を掛けており、優しそうな表情をしていた。
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私は、初めは緊張していたが、静かに本を読んでいる姿を見て安心した。
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私は自然と距離を縮め、共に本の内容や作者について語り合った。
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その生徒は、名前を
綺音 と言い、文学にも造詣が深く、私とは趣味や考え方が良く合う事が分かった。 -
やがて、私は綺音に惹かれ始めた。
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その優しさや深い考えに触れるたびに、私の心は綺音に寄り添いたくなった。
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しかし、自分の気持ちに素直になれず、告白する勇気を持てないでいた。
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ある日、私は学校で文学コンテストが行われる事を知る。
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私は綺音に参加するよう勧め、綺音も快く了承した。
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二人は協力して作品を書き上げ、コンテストに出品した。
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結果発表の日、私は緊張していた。
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しかし、舞台に立った私の目に飛び込んで来たのは、綺音の姿だった。
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綺音が笑顔で私を見詰め、手を差し伸べてくれた瞬間、私は自分の気持ちを素直に受け入れる勇気を持った。
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そして、図書館の本棚の陰で、二人は互いの気持ちを初めて確かめ合った。
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その後、私達は文学の世界で共に歩み始め、美しい恋物語が始まったのだった。
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放課後の眼鏡っ子
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放課後の教室には、いつもよりも静かな雰囲気が漂っていた。
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生徒達は帰り支度を整え、校舎から次々と姿を消して行く中、一人の生徒が教室の奥で何かに夢中になっていた。
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その名前は、
村田 幸治朗 。 -
クラスでも目立たず、地味な性格の村田は、眼鏡を掛けている事で更に存在感を薄くしていた。
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しかし、その地味な容姿とは裏腹に、村田は乙女ゲームが大好きな秘密の趣味を持っていた。
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放課後の時間は、村田にとってはゲームを楽しむ貴重な時間だ。
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机の上には乙女ゲームの攻略本が広げられ、幸治朗は熱心にそれを読み込んでいた。
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その中で、村田が特に興味を持っていたのは、ゲーム内のキャラクター達との恋愛模様だった。
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一ノ瀬 蒼空
「放課後、校舎の中庭で待ってるよ」
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机の上に、一つの紙切れが置かれていた。
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それは、村田のプレーしている乙女ゲームの中での出来事を彷彿とさせるメッセージだった。
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幸治朗は驚きながらも、興奮を隠せなかった。
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教室を出ると、そこには村田がゲーム内での好みのキャラクターを彷彿とさせる生徒が立っていた。
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生徒は、微笑みながら幸治朗に近付いて来た。
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一ノ瀬 蒼空
「待たせちゃった?」
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幸治朗は戸惑いながらも、私との会話を楽しんだ。
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私との仄々とした会話の中で、幸治朗は自分の日常が少しだけ輝いている事に気付いた。
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乙女ゲームの世界と現実の境界が、曖昧になりつつあった。
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放課後の時間は、私達にとって特別な時間となった。
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眼鏡っ子の静かな日常が、乙女ゲームのようなドラマチックな展開に彩られていったのだった。
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花束の誓い
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学園の図書館で、静かな午後が流れていた。
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二人の生徒、私と
遊火 は隣同士に座り、本に夢中になっていた。 -
私は、穏やかな笑顔で遊火を見詰め、
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一ノ瀬 蒼空
「この本、面白いでしょう?」
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と、尋ねた。
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遊火は、瞳を輝かせながら、
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神田エルンスト遊火
「ええ、本当に面白いわ。ありがとう、一ノ瀬先輩」
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と、答えた。
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二人は共に眼鏡を掛けており、その共通点から親しみを感じていた。
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学園の中でも、私達は眼鏡っ子として知られていた。
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図書館の中は静寂に包まれ、私達の会話が心地良い音楽のように響いていた。
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私と遊火は、本の内容や自分達の趣味について語り合いながら、次第に心を通わせていった。
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その日以来、私達は図書館での出逢いを切っ掛けに、親密な関係を築いていった。
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私達の間には、特別な絆が芽生えつつあった。
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ある日、私は遊火に対して、静かな場所で二人きりになりたいと提案した。
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遊火も喜んで応じ、学園の裏庭にある隠れた場所へと向かった。
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そこは青々とした木々に囲まれた小さな空間で、穏やかな風が吹き抜けていた。
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私と遊火は、互いの手を取り合い、静かな時間を過ごした。
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その時、遊火は思わず口を開いた。
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神田エルンスト遊火
「蒼空先輩、僕…あなたの事が好きなんです」
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私は、驚きと喜びの表情で遊火を見詰めた。
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一ノ瀬 蒼空
「私も、遊火。私も、あなたの事が大好きだよ」
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二人の間には、こうして契りが交わされた。
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私達の心は、互いに深く結ばれていった。
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そして、その日以降、私達は図書館や裏庭で、愛と友情を育んでいく事になるのだった。
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私と遊火は、共に歩む新たな人生への一歩を踏み出した。
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二人の間には深い絆があり、その結び目は永遠に輝き続ける事だろう。
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輝きの契り
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学園の中庭で、私と詩絵楽は静かに話していた。
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私達は二人とも眼鏡を掛けた生徒であり、学園で知られる存在だった。
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ある日、学園に新たな生徒が転校して来た。
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転校生の名前は、
玲果 。 -
玲果もまた眼鏡を掛けており、私と詩絵楽にとっては新たなライバルとなった。
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しかし、玲果は冷たく優雅な態度を持ち、学園の中で「悪役令嬢」として知られる存在だった。
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玲果は私と詩絵楽を見下し、挑戦の姿勢を見せてきた。
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私と詩絵楽は、最初は戸惑いながらも玲果との関係を受け入れる事に決めた。
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私達は互いの信念と友情を貫き、玲果との間で繰り広げられる様々な出来事に立ち向かっていった。
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私達の間には、時には競争心や対立が生まれる事もあったが、それでも絆は揺るぎないものだった。
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私達は互いに刺激し合い、成長し、学園の中で輝き続けた。
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そして最終的には、私と詩絵楽は玲果との間に友情を築く事に成功した。
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私達は互いの違いを認め合い、学園での新たな冒険に向けて共に歩んで行く事を決意した。
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私達の物語は、友情の輝きと共に、新たな絆が芽生える物語であった。
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笹木 詩絵楽 作
スライダーの会 編
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