激闘!土佐湾上陸作戦

  • 激闘!土佐湾上陸作戦
  • 黒沢 俄勝大姉 蓬艾

    「…備中様、敵襲です! 土佐湾に、敵方の水軍が来寇! 十字架を掲げし異国の黒船です!」

  • 東山 備中

    「おのれ、鵜久森の決起は陽動か! 虚人東山軍、戦闘開始だ!」

  • 東山 備中

    「「了解、侵入者を排除する」」

  •  総大将である東山備中タウ型の指揮に基づき、量産型の東山備中達が次々と起動・開眼し、戦闘形態にトランスフォームする。

  • 同じ顔をした敵軍の群れに困惑しながらも、土佐湾に着岸した達は、遂に四国への第一歩を踏み出し、上陸と同時に激戦の幕が開かれた!

  • 嶺咲 ウルスラ

    「東山備中タウ変異株は、男性ホルモンが退化しており、精細胞も少ないので、襲われても着床・妊娠リスクが低く、女性も安心して戦えますね。では、交戦」

  •  安心できるのか分からない合図と共に、降り立った海岸から北へと疾走する!

  • 瀬笈 緋夏麗

    「神・救世主・聖霊の御名において、サタン東山を討ち、愛すべき隣人を救出する! 全軍、進め!」

  • 十三宮 勇

    「着岸したわ! カナタちゃん達、今よ!」

  • 十三宮 カナタ

    「高知エルダー中隊四番、十三宮カナタ! いざ、参ります!」

  • 十三宮 幸

    「カナタさん、援護するよ!」

  • 十三宮 巫部 仁

    「めぐちゃんも一緒だよ! 十三宮仁、戦わせて頂きます!」

  •  達の眼前に広がる戦場、それは想像を絶する光景であった。

  • 巨大津波で堆積した泥土の中に、かつて「高知市」と呼ばれた街の残骸が埋もれ、突き刺さっている。

  • 数多あまたの瓦礫、社寺の鳥居、英雄の彫像…そして、誰の物かも分からぬ人骨の山。

  • それらが散乱した泥土の上にあるのは、まさしく「滅んだ世界」である。

  • しかも、達を待ち受ける敵は、同じ顔をした東山備中の大群。

  • 「人間と人工知能が戦争する未来」とは、今この瞬間ここにあるのかも知れない。

  • 敵・味方の弾幕が飛び交う中、量産型の東山備中を一体ずつ片付け、陣地を確保しながら前進して行く。

  • 十三宮 カナタ

    「お母さん・お父さん、カナタに力を貸して…!」

  •  3月に生まれた十三宮カナタの戦陣を彩る、両親の形見である二つの誕生石。

  • 父親から貰った髪飾りの血石ブラッドストーンは、十字架の救世主を語り伝え、その紅は敵の照準を狂わせ、弾道を逸らす。

  • そして、母親から貰った珊瑚サンゴは、極楽浄土への解脱げだつを導き、それを埋め込んだ剣が、迫り来る東山備中を、その罪と共に業火へと斬り裂く!

  • 塔樹 無敎

    「…地形解析完了! 高知平野東部の南国なんこく海軍航空基地(高知空港)に、まだ使えそうな滑走路が残っています。それを確保すれば…!」

  • 十三宮 寿能城代 顯

    「南国…長宗我部ちょうそかべ岡豊おこう城があった場所で、確か戦時中には…いや、了解! 念々佳さん、南国飛行場を制圧してくれ!」

  • 禅定門 念々佳

    「了解、お任せ下さい!」

  •  再びホーネットに飛び乗った禅定門念々佳が、南国市に展開する虚人東山軍を掃討し、航空基地遺構の飛行場を確保する。

  • この滑走路を使えば、空母艦載機以外の戦闘機も離陸できるが、問題は、機体を滑走路まで運搬する時間だ。

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「時間が足りない、だと? だったら、俺に任せな!」

  •  﨔木夜慧が時間を止めている間に、戦闘機を南国飛行場へと運ぶ。

  • 胸も軍事費も肥大している美保関天満は、この時を待っていたという顔で、世界最強のステルス戦闘機ラプターを持って来たのだが…。

  • 美保関 少弐 天満

    「旧海軍航空基地…この滑走路って昔、特攻隊が出撃した場所だよね…」

  • 十三宮 寿能城代 顯

    「アメリカと死闘するために建設された飛行場から、アメリカ製の戦闘機を飛ばす日が来るとはな…」

  •  操縦席に跨がった美保関天満は、眼を閉じて深呼吸しながら、雌餓鬼らしくない事を考えた。

  • 美保関 少弐 天満

    (…あなた方が護ろうとした未来は、あたし達が必ず…!)

  •  そして、開眼した。

  • 美保関 少弐 天満

    「アプリコーゼン中隊ポタージュ初号機、イキます!」

  • 十三宮 寿能城代 顯

    (…物凄く格好良い場面なのに、美保関さんが言うと、何故か「行きます!」が卑猥に聞こえてしまう…)

  •  ラプターに続いて、ステルス攻撃機ナイトホークも離陸し、十三宮カナタを上空から援護する態勢が整った。

  • 東山 備中

    「十三宮軍の前進を止めろ! 撃てーっ!」

  • 東山 備中

    「「了解、ターゲットを狙撃する」」

  • 十三宮 カナタ

    「…あ、分隊長! 避けてっ!」

  • 十三宮 幸

    「あぁっ!」

  • (吹き飛ばされ、倒れる音!)

  • 十三宮 巫部 仁

    「あなた、大丈夫!?」

  • 十三宮 幸

    「くっ…こんな所で、終わるなんて…」

  • 十三宮 幸

    (激痛と共に、意識が遠のいて逝く…と思いきや、何かをプシュッと刺された感触と共に、嶺咲先輩の膝枕で目を覚ました)

  • 嶺咲 ウルスラ

    「はーい、嶺咲先輩特製の鎮痛剤、お注射完了~♪ これでしばらくは、痛みを気にせず戦えますから、死なない程度に頑張ってね~♪」

  • 十三宮 幸

    「は…はい!(副作用が物凄く心配だけど)頑張ります!」

  • 東山 備中

    「チッ…歩兵だけじゃぁ、押し返せねぇか…俄勝、戦車を出せ!」

  • 黒沢 俄勝大姉 蓬艾

    「戦車って、あれですよね? 馬に車輪を引かせる、古代地中海の…」

  • 東山 備中

    「馬車じゃねぇよ! 戦車だって、現代の戦車! チャリオットじゃなくて、タンクのほう!」

  • 黒沢 俄勝大姉 蓬艾

    「すいません…私、江戸時代の亡霊ですので、近頃の流行りには疎い者でして…」

  • 東山 備中

    「いーから、さっさと戦車隊を出せっちゅーの!」

  • 十三宮 カナタ

    「あれは…虚人東山軍の戦車隊を確認! 気を付けて、タンクには銃が効かないよ! めぐちゃん先輩、雷撃を!」

  • 十三宮 巫部 仁

    「分かった、やってみる!」

  •  巫女服の少女が、両手に構えた2本の庖丁から、紫色の雷電を放つ…しかし!

  • 十三宮 カナタ

    「駄目かな…装甲が厚くて、内部にまでダメージが入らない!」

  • 十三宮 巫部 仁

    「うぅ…これ以上は撃てないよ~っ!」

  • 十三宮 カナタ

    「念々佳ちゃん、タンクを空爆して!」

  • 禅定門 念々佳

    「了解、私達に任せて!」

  • 美保関 少弐 天満

    「マルチロックオンミサイル、発射準備!」

  • 十三宮 寿能城代 顯

    「誘導貫通爆弾、投下!」

  • (爆音!)

  • 十三宮 カナタ

    「…命中確認、やった! 皆ありがとう!」

  •  一進一退を繰り返しながらも、戦況は少しずつ有利に…!

  • 東山 備中

    「…この上は、やむを得ねぇ! 俄勝、城を燃やせ!」

  • 黒沢 俄勝大姉 蓬艾

    「そ…そんな事をしたら、囚人達が…!」

  • 東山 備中

    「もう構わねぇ! どうせ地獄に堕ちるなら、人質も皆殺しだ!」

  • 十三宮 カナタ

    「どこかに、お母さん達が幽閉されているはず…手遅れになる前に、早く助けなきゃ!」

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「はぁ…おい、聴いてくれ…!」

  • 十三宮 巫部 仁

    「あ…夜慧ちゃん、どうしたの?」

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「俺が時間を止めている間に、備中の脳内ハードディスクをハッキングして、地図データを抜き取った! 人質が監禁されているのは、高知城天守閣だ!」

  • 十三宮 巫部 仁

    「天守閣って、お城の上階にあるはずじゃ…この辺りに、それらしい城郭は見当たらないよ?」

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「いや、それがな…津波で倒壊した高知城は、横転した状態で、この泥土の真下に埋まっているんだ! 今、出入口の座標を送る…あっちだ!」

  •  レーダーに表示された、救出地点の位置座標…それは、参謀の黒沢俄勝と、総大将である提督の東山備中が待ち構えている、敵軍本陣の方向と一致する…!

  • 十三宮 幸

    「仲間を助けるには、彼らと決着を付けるしか無いって事か…!」

  • 十三宮 カナタ

    「…やるしか無い! 全軍、突撃! 総攻撃だよ!」

  • 十三宮 巫部 仁

    「分かった…これが、最後の攻勢だね。神様・仏様、どうか御加護を…いざ、尋常に勝負です!」

  • 東山 備中

    「…まだだ、まだ終わらせねぇよ! 俺達は、誇り高き虚人東山軍! 例え玉砕しようとも、最期まで戦うぞ! 撃て! 撃てーッ!」

  •  前方から、弾幕の暴風が…いつ死んでも不思議ではない。

  • けれど…ここまで来たからには、もう後戻りはできない!

  • 東山 備中

    「「提督へのレーダー照射を確認、防御陣形に至急移行する」」

  • 十三宮 幸

    「量産型が、提督を囲む盾のように布陣を変えた! 最期まで、しぶといな…」

  • 十三宮 カナタ

    退いて! 量産型に用は無いの!」

  • 東山 備中

    「「ぐはぁっ!」」

  • 十三宮 巫部 仁

    「東山様、お覚悟です…雷撃、発射!」

  •  庖丁を握り締めた両手に力を込め、思い切り飛び跳ねた空中から放つ雷撃が、前方に密集しつつある量産型を、次々と連鎖的に感電させる!

  • 東山 備中

    「「エラーが発生しました。原因、感電による熱暴走。トラブルシューティング中…再起動不能、強制シャットダウンします」」

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「…はぁ…はぁ…その調子だ、お前ら頑張れよ…」

  • 十三宮 幸

    「﨔木さん、大丈夫? あんなに時間停止能力を使ったら…」

  • 﨔木 長門守 夜慧

    「いや、大丈夫じゃない…俺の能力は、時間を止め過ぎると、俺自身の心臓が止まるかも知れn…うっ!(バタッ)」

  • 十三宮 幸

    「あ」

  • 十三宮 カナタ

    「や…夜慧ちゃん、死なないでっ!」

  • 嶺咲 ウルスラ

    「夜慧様は、私が搬送します! 皆様は、とにかく前進して下さい! 本陣を攻め落とすのが最優先です!」

  •  﨔木夜慧を回収する嶺咲ウルスラと擦れ違うように、戦闘とは無縁な平和主義者…であるはずの司祭が、前線に出て来た。

  • 十三宮 伊豆守 聖

    「…私には、自らの呪術を見せびらかす趣味は御座いません…ですが、最愛なる妹達を、家族を守るためならば…」

  • 嶺咲 ウルスラ

    「聖様! この先は戦場です、お戻りになって下さい!」

  • 十三宮 伊豆守 聖

    「ケルト十字展開! 女帝皇帝戦車太陽19の正位置! 以上のアルカナにより、敵方からの攻撃は…全て無効です!」

  • 嶺咲 ウルスラ

    「えー、それは禁止カードですよ~! さすがの聖様でも、そんなチートを使えるわけ…」

  • (パチッ!)

  • 十三宮 カナタ

    「…あれ? 敵の弾幕が急に消えた!」

  • 東山 備中

    「「リロード不能、原因不明」」

  • 十三宮 巫部 仁

    「聖姉様は(本気になると)とっても強いんだよ^^」

  • 十三宮 幸

    「だったら最初から、姉さんが戦えば良かったんじゃ…」

  • 十三宮 伊豆守 聖

    「…では、私は戻ります。ウルスラ様、後は宜しくお願い致します。私、戦争は苦手ですので^^」

  •  最強の姉、何事も無かったかのように撤収。

  • 嶺咲 ウルスラ

    「え…あ、はい。全軍、カナタ様の最終攻勢を援護します! 銃撃部隊、撃ち方用意…放てーっ!」

  •  背後から嶺咲先輩の怒号と共に、今度は味方の援護弾幕が、達の上下左右をかすりながら直進して行く。

  • その弾道の延長線上に待ち構える、黒沢俄勝と東山備中に照準を定めた私達は、とにかく走り(馬みたいな耳が生えてきそうなぐらい)我武者羅に走り抜けた。

  • 黒沢 俄勝大姉 蓬艾

    「愛する者を救うために、自らの命を賭する…十三宮カナタ様、あなた方の勝ちです。これ以上の戦闘は無益ゆえ、撤退致します」

  • 東山 備中

    「俄勝、どこに行く!? 貴様やっぱり裏切るのか!? おい、待てってば!」

  •  そして、達は遂に…眼前に残る敵将は「提督」こと東山備中タウ型だけだ!

  • 十三宮 カナタ

    「東山備中! 私を育て、愛してくれた人達のために…私、十三宮カナタは今、あなたを討つ! 焔纒ほむらまといの構え、いざ覚悟!」

  • 東山 備中

    「覚えているぞ、お前は…あの日、逃げた餓鬼だな。そして今、親御の仇を討つべく舞い戻って来た…と。悪くねぇ度胸だ、来い!」

  •  この東山備中は、従来型のような小者ではない…悪党を率いる者たる矜持、独特の威圧感を持っている…だが、それを達は乗り越えねばならない!

  •  十三宮カナタと東山備中は、どちらも火属性である。

  • 義の焔と、偽の炎…二つの膨大な熱エネルギーが衝突した刹那、天地を斬り裂くプラズマが放電し、増援の量産型備中を次々と破壊した。

  •  そして、地下では…。

  • 夢宮 魅咲

    「…兄様! 助けに来てくれたの!?」

  • 十三宮 寿能城代 顯

    「魅咲…待たせてごめん! もう大丈夫だよ! 味方艦隊が迎えに来ている、脱出しよう! 皆さん、こっちです!」

  • 山田 ランスロ 玉子

    「あぁ…助かった、今回は本当に死ぬかと思った…」

  • 十三宮 寿能城代 顯

    「よーし、捕虜の救出に成功! 後は、乗艦まで護衛するだけだ…あれ、誰か足りないような…?」

  •  高知城址に突入した十三宮軍は、強制収容されていた捕虜を全員、救出する事に成功した…が、その中に十三宮カナタの両親は居なかった…。

  •  プラズマ放電が収まり、戦場の視界が回復した時、この決戦に勝ち残り、最後まで大地に立ち続けていたのは…。

  • 十三宮 カナタ

    「…はぁ…はぁ…!」

  •  満身創痍の十三宮カナタ、その眼前には…致命傷を喰らった東山備中の姿が。

  • 東山 備中

    「…お前の、勝ちだ…だが、俺が死んでも…虚人東山軍の実験は、終わらない。新たなる変種が、貴様らを苦しめ続ける…その行く末、地獄から見ているぞ…」

  • 十三宮 カナタ

    「ひぃ…東山ぁ! わ…私は、お前をぉ…っ!」

  • 東山 備中

    「幸運を祈る、強き者よ(ポチッ)」

  • 十三宮 幸

    「…え、まさか!」

  • 十三宮 巫部 仁

    「カナタちゃん! 伏せて!」

  •  敵軍総大将、東山備中タウ型提督は、体内(何故か股間)に仕込んでいた自爆プログラムを起動し、自ら命を絶った。

  • 同時刻、土佐に展開していた量産型も一斉に自爆し、遂に土佐は解放された。

  • 十三宮 巫部 仁

    「…私達、勝ったんだ…もう駄目、おねんねする…(バタッ!)」

  • 十三宮 幸

    「あー! 仁さんも死なないで~!」

  •  土佐奪還・四国統一作戦は、数千人もの死傷者を出す、壮絶な戦いであった。

  • しかし、この決戦で連合軍は、虚人東山軍に誘拐されていた捕虜を全員救出し、敵の総大将、東山備中タウ型と、その量産型を全滅させる事ができた。

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