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一ノ瀬 蒼空
大城エリザベス椿姫。
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一ノ瀬 蒼空
彼女はサイドワインダー讃岐高松基地の司令を務める准将(後に大将)である。
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一ノ瀬 蒼空
そんな彼女は生粋のキリスト教プロテスタント教徒であり、山鳩児童院の院長も兼務し、子供達のみならず弱い立場の人々の為に献身的に尽くす事から「シスターリズ」と呼ばれ尊敬されている。
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ある日の夕暮れ時の高松市街
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大城エリザベス椿姫
「さてと…今日は
子供達 に御馳走作ってあげないとですね♪」 -
椿姫は巡回を兼ね、高松市内のスーパーマーケットへ向かっていた。
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「買い出しは児童院の職員がする」と職員達は言うものの、先述の通り巡回を兼ねている為、椿姫自らが買い出しをしている。
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買い出しを兼ねた巡回中、椿姫がふと、一人の少女を見付けた。
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どうやら歩行者用信号が青になっているにもかかわらず、渡ろうとしないのだ。
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大城エリザベス椿姫
「…?(あら…? あの子…青信号になっても渡ろうとしない…まさか!?)」
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椿姫の予想は的中した。
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その少女は歩行者用信号が赤になり、止まっていた多数の車が走り出してしばらくしたその時、椿姫の目の前で少女が車道へ飛び出そうとしたのだ。
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椿姫は必死に引き止め、歩道に座らせた。
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大城エリザベス椿姫
「危ないですよ! 赤信号でしたよ!?」
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武方 一
「やだぁ! お願い! 死なせて!! あたしなんか…あたしなんかぁ!!」
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すると、この騒ぎで人だかりも出来て更には警察も駆け付けて来た。
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瀬笈 緋夏麗
「ちょっとどうしたんですか? 何かあったのか教えて頂けます?」
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大城エリザベス椿姫
「えっと…この子が車が多く走っているにもかかわらずに車道に飛び出そうとしたもので…」
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瀬笈 緋夏麗
「えー、身分を証明できる物はあるでしょうか?」
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大城エリザベス椿姫
「…サイドワインダー讃岐高松基地司令、大城エリザベス椿姫准将です(手帳を見せ)」
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瀬笈 緋夏麗
「お、大城司令っ?! た、大変失礼致しました!!」
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大城エリザベス椿姫
「この子、どうやら未成年らしく…一旦高松基地で保護しますが、宜しいですか?」
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瀬笈 緋夏麗
「はっ、どうかお気を付けて!」
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椿姫は、買い出しから戻った後、話を聞き出す事にした。
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武方 一
「ここが…サイドワインダーの…初めて見た…」
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斎宮 星見
「大城司令、御苦労様です」
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大城エリザベス椿姫
「えぇ、ありがとう」
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武方 一
「…(ぺこり)」
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サイドワインダー讃岐高松基地 司令官室
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大城エリザベス椿姫
「あなた…名前は?」
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武方 一
「
武方 一 です…」 -
大城エリザベス椿姫
「なんで…車が沢山走っている車道に飛び出そうとしたの?」
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武方 一
「あたしに…居場所なんて無いから…」
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大城エリザベス椿姫
「それって…」
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武方 一
「あたしなんか…生きてたって…っ」
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大城エリザベス椿姫
「話せる範囲でいいから…話してみて?」
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武方一は、椿姫に全てを話した…。
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学校でイジメを受け、更には家族からも腫れ物扱いされ、完全に孤立していた事。
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そして、助けを求めようにも助けを求められなかった事を。
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武方 一
「あたし…どうしようもないでしょ…」
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大城エリザベス椿姫
「そんなわけ無いじゃない…」
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武方 一
「学校でもいじめられて! 家族からも見放されて! 独りぼっちのあたしに居場所なんて無いの!! だからあのまま死なせてほしかっ…」
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その瞬間、椿姫の右手は櫻の頬を叩いていた。
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大城エリザベス椿姫
「軽々しく死ぬと言ってはいけません…どんなに苦しくても辛くても、一つだけの大切な命を簡単に投げ捨てるなど許すわけ無いでしょう!?」
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武方 一
「…っ!」
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大城エリザベス椿姫
「あなたは生きなければいけないんです!」
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武方 一
「あたしに…そんな人いるわけ…っ」
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大城エリザベス椿姫
「私があなたの親になります! そして、あなたと泣いたり笑ったりしたいんです!!」
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武方 一
「う…うぅっ…うわぁぁぁぁん!!!!」
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こうして、絶望の淵に居た一人の少女は、讃岐高松の聖女に救われた。
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少女は「大城ソフィア櫻」の名を椿姫に命名され、椿姫の養子としてサイドワインダー讃岐高松基地で訓練を受け、寝食を共にする事となった。
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櫻は後に、サイドワインダー讃岐高松基地のエース部隊「ミネルバ中隊」の隊長である「ダイバーⅠ」と呼ばれる事になる。
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