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一ノ瀬 蒼空
ある日の事、未玖宛に伊予松山基地の訓練生から恋文(
所謂 ラブレター)が届いた。 -
一ノ瀬 蒼空
しかし、未玖は同性からのラブレターは初めてであり、返答に困っていた…。
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サイドワインダー伊予松山基地
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児童院職員寮
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中本 未玖
「…と言う訳なの」
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松山 なつき
「なるほど…未玖さんに恋心を抱く訓練生からのラブレターねぇ…」
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松山 いつき
「読ませてもらったけど、可愛いじゃない♪」
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中本 未玖
「でも私…同性からのラブレターなんて一度も貰った事ないし…」
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松山 なつき
「うーん…アタシはこういう返事はあまり得意じゃないし…かといって…(いつきの方を見る)」
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松山 いつき
「えっ? やだなぁ…さすがの私でも勇気を振り絞ってラブレターを書いた訓練生の想いを無下にはできないよ…」
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中本 未玖
「じゃあどうしたら…」
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返答に悩む未玖となつき達…すると、そこに現れたのは…。
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鵜久森 ミナト
「あ、なつき達ここに居たんだ…もう程々にしてよ、任務外時間とは言え児童院職員寮に来るなんて…他の隊員達に示しがつかないじゃん」
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松山 なつき
「あ、ちょうどいい所に! 伊予松山基地の精鋭部隊ハンター隊の隊長!」
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松山 いつき
「松山のみならず高松基地の隊員にも慕われている頼れる隊長!」
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鵜久森 ミナト
「あのさー…ボクを褒めちぎるって事は何かあるって事だよね?」
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中本 未玖
「あのミナトさんっ、この手紙読んでもらえますか?」
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ミナトは未玖から手渡された例のラブレターを読んだ。
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するとミナトは…。
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鵜久森 ミナト
「あー…この訓練生ね…名前は『上甲ミサキ』かつて二人組の東山"ビッチツインズ"の被害を受けた女学生で、今は東山の子供を産んで
伊予松山基地 の訓練生になってるよ。これじゃあ未玖さんに惚れちゃうのも無理ないよ…」 -
鵜久森 ミナト
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中本 未玖
「そうなのね…」
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鵜久森 ミナト
「でも、この子のようなタイプは下手に文章と話の内容を選ぶと取り返しがつかないよ…」
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松山 いつき
「要するに『相手を傷つけないフォロー』と『心を打つ返答』かぁ…」
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松山 なつき
「まぁ…やってみない事には始まらないね…始めにアタシがやるよ」
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しかし…元々数学が得意で文章と話の内容がチグハグしているなつきの返答と、いつきは国語が得意で文章の選びは秀逸だが、話の内容が「攻め込み過ぎ」ていたりと問題だらけだった。
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中本 未玖
「うーん…これじゃどうしようも…」
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松山 なつき
「力になれなくてごめんなさい…」
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松山 いつき
「遊び過ぎちゃった(汗)」
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中本 未玖
「はぁ…ミナトさん…」
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鵜久森 ミナト
「…仕方ないなぁ(ペンを取る)」
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(返答:鵜久森ミナト書)
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鵜久森 ミナト
あなたの身の上を知って驚きを隠せませんが、私はそうするべきではないと思います。
私はあなたに対し、同情の気持ちも励ましの言葉も、何も持てません。 -
鵜久森 ミナト
だってあなたを愛してくれる人なら居るでしょう…私が。
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鵜久森 ミナト
私があなたに最大限の愛を注ぎます。
自分の殻を破る事ができないのなら、私が外から殻を破りに行きます。 -
松山 いつき
「えぇえ?! 突き放すと見せ掛けて超弩級のフォローを!?」
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中本 未玖
「しかも何気なく会う約束も取り付けた!?」
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(続き)
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鵜久森 ミナト
会わせて下さい…いや、あなたに会いたい!
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鵜久森 ミナト
ご、ごめんなさい…突然こんな事書いて…綺麗事ばかり並べて、私はそんなに大層な人間じゃないんです…。
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鵜久森 ミナト
だって私は…ただ…。
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鵜久森 ミナト
あなたを愛しているから。
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中本 未玖
「すごい! 締め方がプロ級っ!」
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鵜久森 ミナト
「まだ終わってないよ、仕上げにコレを付けて完成だよ!」
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ミナトは最後の仕上げに赤いバラのスタンプを押し、追伸として赤いバラの花言葉「私はあなたを愛する」と書き足したのだ。
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中本 未玖
「ええっ?! 赤いバラのスタンプを押して花言葉を書き足したの!?」
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松山 いつき
「ま、まさか…赤いバラのスタンプと花言葉を書き足す事で…!?」
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松山 なつき
「『大人の女性の手紙の返答』という憧れを相手に持たせるという演出…!?」
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鵜久森 ミナト
「…とまぁ、こんなものかな(ハーブカム噛みながら)」
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松山 いつき
「未玖さんにまでフォローを!?」
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松山 なつき
「完璧だよ…!」
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中本 未玖
「完璧過ぎる…これが…!」
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松山 なつき
「「"フォローのマエストロ"鵜久森ミナト!!」」
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鵜久森 ミナト
「訓練生寮のポストに投函して!」
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中本 未玖
「ありがとう御座いますっ!」
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こうして未玖は書き終えた手紙を訓練生寮のポストへ投函しに向かった。
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松山 なつき
「ミナト…ありがとう」
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鵜久森 ミナト
「いいんだよ♪ これは人生の中で誰でも経験する事でしょ?」
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松山 いつき
「後は天命に任せるだけだね…」
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松山 なつき
「…だね」
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そして、その日の課業終了後。
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上甲 ミサキ
「あ、あの…未玖さんっ…返事ですけど…直接言いたくて…」
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中本 未玖
「いいわよ、あなたの返事…聴かせて?」
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上甲 ミサキ
「私…未玖さんの凛とした
佇 まい…ハンター隊の皆さんをアシストする凄さ…児童院の子供達にも優しくて…そんな未玖さんが大好きなんですっ!!」 -
鷺原 イズミ
その日、一人の訓練生の想いが届き、二人は…。
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中本 未玖
「…喜んで♪」
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上甲 ミサキ
「未玖さんっ!(ぎゅぅっ)」
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鷺原 イズミ
「…よーし、新刊同人誌のシナリオ出来た!」
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