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一ノ瀬 蒼空
ある日のサイドワインダー伊予松山基地。
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碓井 丹波守 槐
「ねーねー!
ミナト ! エンジュとあそぼ!」 -
鵜久森 ミナト
「槐がボクと遊びたいなんて珍しいね、何して遊ぶの?」
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碓井 丹波守 槐
「模擬戦! なっちゃんとやったけど、面白かったよ!」
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鵜久森 ミナト
「なつきと? 結果は?」
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碓井 丹波守 槐
「20回やってエンジュが12回勝ったの!」
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鵜久森 ミナト
「20本勝負で12勝って…なつきが負け越したの!?」
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碓井 丹波守 槐
「なっちゃんも強かったけど、エンジュ勝っちゃった!」
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鵜久森 ミナト
「じゃあさ『ボク達』と模擬戦やろうよ! なつき達とイズミとで!」
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碓井 丹波守 槐
「いいよ! エンジュ勝つもんね!」
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こうして、サイドワインダー天狗隊(ハンター中隊)のメンバー4人(鵜久森大尉・松山姉妹・鷺原訓練生)は碓井槐と模擬戦をする事になった。
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この事は基地中で大きな話題となり、体育館にはこれを見ようと大勢の隊員達が詰め掛けた。
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サイドワインダー伊予松山基地 体育館
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美保関 少弐 天満
「さぁ、いよいよ始まります! ハンター中隊vs.碓井槐のエキシビジョンマッチ! 実況は美保関天満、解説を務めるのは、サイドワインダー伊予松山基地司令である石本ユミカ准将です!」
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石本 ユミカ
「宜しくお願いします」
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美保関 少弐 天満
「ここで、当エキシビジョンマッチのルールの説明を致します! ルールは1ラウンド5分の3ラウンド制、戦闘ポイントシステムを採用しています。ラウンド内で3回ダウンを奪うか、3ラウンド終了後に残り戦闘ポイントが多い方の勝ちとなります!」
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石本 ユミカ
「この戦闘ポイントシステムは、実際にサイドワインダー各基地の模擬戦でも用いられているシステムで、持ち点は200ポイントです。相手から攻撃を受けると10ポイント減っていき、0になるとダウンとなります。なお、攻撃を防いだ場合ポイントは減りません」
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美保関 少弐 天満
「さて、碓井槐の第一回戦の相手は…鷺原イズミ訓練生です!!」
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禅定門 念々佳
「「イズミちゃーん!! 頑張れー!!」」
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松山 なつき
「まさか、槐とまた模擬戦やるなんてね…しかもチーム戦で」
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松山 いつき
「槐ちゃんは私達を一人で相手するって言ってたし…槐ちゃんはバテちゃうかも」
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松山 なつき
「いつき、その甘い考えは危険だよ。槐は神様だしスタミナ切れなんて事も滅多と無いはずだから」
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鷺原 イズミ
「なつき中尉の言う通りです!」
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鵜久森 ミナト
「とにかく…1戦目はイズミが行くんだから、槐の手の内を丸裸にするのが一番だよ」
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鷺原 イズミ
「…分かりました!」
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美保関 少弐 天満
「さぁー! 第一回戦! 両者がリングに立ちます!!」
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一ノ瀬 蒼空
「審判を務めさせていただきます。ルールの確認は済みましたね? では、少し離れて下さい」
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鷺原 イズミ
「…(頷く)」
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碓井 丹波守 槐
「わかった!」
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美保関 少弐 天満
「さぁ、ブザーが鳴るとラウンドⅠの開始です! 鷺原訓練生と碓井槐が互いに武器を構えます!」
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一ノ瀬 蒼空
「ラウンドⅠ! スタート!!」
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ラウンド開始を告げるブザーが鳴り響き、すぐさまイズミが前に出た!
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鷺原 イズミ
「はぁあ!!」
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碓井 丹波守 槐
「それ!!」
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美保関 少弐 天満
「おおっと鷺原訓練生! 積極策に出た!! これはどう予想しますか?!」
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石本 ユミカ
「積極策に出たのは、槐ちゃんの手の内を丸裸にさせる作戦でしょう。制限時間を上手く使い切るか、敢えてダウンを取らせてハンター中隊が有利な展開に持って行く鵜久森隊長の考えですね」
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美保関 少弐 天満
「おっと、ここで鷺原訓練生が碓井槐を誘っています! 手の内を出させるつもりのようです!」
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碓井 丹波守 槐
「エンジュからいくよ!!」
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鷺原 イズミ
「っ!(避けられないっ!)」
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一ノ瀬 蒼空
「戦闘ポイント0! 鷺原ダウン!」
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美保関 少弐 天満
「おーっと!! 鷺原訓練生! 回避が間に合わなかったのか、碓井槐のクリティカルヒットを受けてダウン!!」
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石本 ユミカ
「まさか初手でクリティカルヒットを浴びせて来るとは思っていなかったでしょう、ハンター中隊も驚きを隠せていません」
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第一回戦は、碓井槐のワンサイドゲームで終わった。
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鷺原 イズミ
「すいません…手の内を出させるつもりでしたが…」
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松山 なつき
「いいんだよ、イズミは良くやったよ。いつき、くれぐれも遊ばないようにね」
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松山 いつき
「オッケー♪ 槐ちゃん相手だと楽しいからね♪」
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美保関 少弐 天満
「さぁ、第二回戦! 松山いつき少尉がリングへ入りました!」
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石本 ユミカ
「いつき少尉は、居合い斬りを楽しむ性格ですからね…『誘き寄せて強烈な一撃を放つ』といった展開になりそうです」
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美保関 少弐 天満
「さぁ、第二回戦! 第一ラウンド開始のブザーが鳴った!!」
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松山 いつき
「槐ちゃん♪ 掛かっておいで♪(挑発)」
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美保関 少弐 天満
「おおっと! 松山いつき少尉、碓井槐を挑発しました! やはり誘き寄せる作戦には変わりありません!」
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碓井 丹波守 槐
「じゃあ行くよ! いっちゃん!」
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美保関 少弐 天満
「碓井槐! 挑発を受けていつき少尉の元に突っ込んで行く!」
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松山 いつき
「…抜刀術『海月の舞』!」
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碓井 丹波守 槐
「わぁあ?!」
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一ノ瀬 蒼空
「クリティカルヒット! 碓井槐ダウン!」
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美保関 少弐 天満
「おおっと! ここで出た! 松山いつき少尉の抜刀術!! ここで碓井槐が初ダウン!!」
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松山 なつき
「よしっ!!」
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鵜久森 ミナト
「初ダウン取った!」
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碓井 丹波守 槐
「やられた~…」
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松山 いつき
「ダウン取っちゃった♪」
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その後は、いつきがダウンを奪われるも最後は残り戦闘ポイントの差でいつきが勝利。
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三回戦では、なつきが僅差で敗れ、残るはミナトのみとなった。
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美保関 少弐 天満
「さぁ、いよいよこれが最終戦! 鵜久森ミナト大尉の登場です!!」
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禅定門 念々佳
「「ミナトさーん!! 頑張ってー!!」」
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鵜久森 ミナト
「応援ありがとう! 頑張るよ!!」
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禅定門 念々佳
「「きゃー!! ミナトさーん!!」」
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美保関 少弐 天満
「さぁ、会場に割れんばかりの黄色い歓声が
木霊 します! エキシビジョンマッチ最終戦、鵜久森ミナト大尉vs.碓井槐! ラウンドⅠ開始です!」 -
一ノ瀬 蒼空
「構え!」
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碓井 丹波守 槐
「…!」
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一ノ瀬 蒼空
「ラウンドⅠスタート!!」
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美保関 少弐 天満
「さぁ、最終戦ラウンドⅠが始まりました! 二人とも接近戦でのインファイトを選びました!」
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石本 ユミカ
「インファイトの展開は鵜久森大尉にとって有利ですね、戦斧と二刀流レーザー剣では大きな差もあります。二刀流レーザー剣は一撃の攻撃力は戦斧に譲りますが、攻撃の多彩さと手数で優位に立てます。対して戦斧は手数や攻撃の多彩さで劣るものの、一撃の攻撃力の高さが武器です」
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鵜久森 ミナト
「はぁあ!!」
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碓井 丹波守 槐
「うわっ?!」
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一ノ瀬 蒼空
「戦闘ポイント0! 碓井槐ダウン!」
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美保関 少弐 天満
「ラウンドⅠで碓井槐ダウン! 変幻自在かつ多彩な攻撃で鵜久森大尉がダウンを奪いました!!」
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禅定門 念々佳
「「きゃーっ! ミナトさんステキー!!」」
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しかし、碓井槐もミナトの機動力に対応し、ラウンドⅡは槐がミナトからダウンを奪う。
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美保関 少弐 天満
「さぁ、泣くも笑うも最終ラウンド! これで全てが決まる!」
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一ノ瀬 蒼空
「ラウンドⅢスタート!!」
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鵜久森 ミナト
「っ!(ラウンドⅡより速い! なつき達と連戦なのに何故そんなに動けるの!?)」
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碓井 丹波守 槐
「えへへ~♪ エンジュ神様だもんっ!!(強烈な一撃)」
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鵜久森 ミナト
「うあっ!?」
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一ノ瀬 蒼空
「クリティカルヒット! 鵜久森ダウン!」
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美保関 少弐 天満
「あぁーっと!! 鵜久森大尉が瞬間ダウン! なんとも呆気ない幕切れ! 連戦の疲労も感じさせず、碓井槐がハンター中隊に勝ち越しました!!」
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こうして、ハンター中隊と碓井槐のエキシビジョンマッチは3対1で碓井槐の勝利となった。
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