-
-
午前8時 四国鉄道 宇多津駅
-
一ノ瀬 蒼空
この日、本州からの補給物資を満載した貨物列車が到着した。
-
一ノ瀬 蒼空
編成は、讃岐(香川)高松行きと伊予松山行きの貨物列車が10両編成となっており、
宇多津 駅(讃岐 宇多津町)まで20両で運転され、宇多津駅で讃岐高松行きと伊予松山行きの貨物列車に分かれる。 -
一ノ瀬 蒼空
□:讃岐高松行き
■:伊予松山行き
■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□ -
一ノ瀬 蒼空
図にすると上記のような編成になり、宇多津駅からは松山行きと高松行きに分割され、それぞれの目的地へ向かう。
-
一ノ瀬 蒼空
この日、宇多津駅には松山姉妹のほか、鷺原イズミ訓練生と一ノ瀬士官、そしてサイドワインダー讃岐高松基地の隊員も居た。
-
禅定門 念々佳
「では、讃岐高松行きの貨物列車の護衛は私達が担います」
-
松山 なつき
「じゃあ、伊予松山行きの貨物列車の護衛はアタシ達に任せて」
-
禅定門 念々佳
「どうか御無事で…」(敬礼)
-
松山 なつき
「…」(敬礼)
-
サイドワインダー伊予松山基地が護衛する区間は宇多津駅を出ると、すぐさま伊予と讃岐の県境に一番近い
川之江 駅(伊予 四国中央 川之江市)に運転停車する。 -
ここでサイドワインダー伊予松山基地の鉄道隊員が運転する戦闘車両を連結した専用の機関車に交換するためである。
-
美保関 少弐 天満
「松山中尉、御苦労様です!」
-
松山 なつき
「ここから松山まで一瞬たりとも気は抜けないよ、気を引き締めて任務を遂行しよう」
-
鷺原 イズミ
「はい!」
-
松山 いつき
「蒼空ちゃんもだよ?」
-
一ノ瀬 蒼空
「は、はいっ!」
-
こうして、戦闘車両と専用の機関車を貨物列車の前後に連結した貨物列車は川之江駅を出発した。
-
編成は図にするとこうなる。
-
凸:専用機関車
□:戦闘車両(動力付きは◎)
■:貨物列車
凸□■■■■■◎■■■■■□凸 -
途中、伊予三島駅(四国中央 伊予三島市)に紙製品の材料を荷下ろしする為に停車し、
新居浜 駅(新居浜市)には工業用製品の原料等を荷下ろしするために停車する。 -
その後は順調に松山駅を目指す…のだが、高架駅である
今治 駅(今治市)と、その先の区間からは虚人東山軍に狙われる確率が一気に跳ね上がる。 -
理由は一部で海に面する区間があり、そこから貨物列車を狙われるからだ。
-
鷺原 イズミ
「こちら乗務戦闘車両二号車。現在、敵影はありません」
-
松山 いつき
「なつき姉ぇ…順調過ぎる様な気がするね」
-
松山 なつき
「…不気味なくらいだね」
-
しかし、その不安な予感は見事に的中してしまう…。
-
一ノ瀬 蒼空
「こちら乗務戦闘車両2号車! 虚人東山軍の敵影確認!! 数は…リリーフ装輪戦車20両に
アリゲーター 攻撃ヘリ4機!」 -
松山 いつき
「今、
浅海 駅(松山市)を通過した所なのに…! なつき姉ぇ!」 -
松山 なつき
「…伊予北条駅(松山市 北条町)まで逃げ切れれば問題ないよ、既に基地へ連絡は入れてあるから」
-
現在、貨物列車は浅海駅から
大浦 駅(松山市)間を走行中だ、伊予北条駅まではまだ時間が掛かる。 -
ならば戦闘車両のみで虚人東山軍を撥ね
除 けねばならない。 -
戦闘車両の武装は、120mm連装
滑腔砲 が戦闘車両一両につき2門ずつ、計6門。 -
レーダー連動式の対空・対地両用機関砲、近接対空ミサイルが2基ずつと、非常に強力である。
-
松山 なつき
「全砲門開け! 目標、最も近いリリーフ装輪戦車!」
-
美保関 少弐 天満
「機関砲、対空モード! 近接対空ミサイル準備良し!」
-
松山 なつき
「撃て!!」
-
-
虚人東山軍のリリーフ装輪戦車部隊に向け、戦闘車両の120mm連装滑腔砲が火を吹く!
-
この連装滑腔砲に搭載されている
火器管制システム は、極めて非常に高度な物で、高速走行中であっても百発百中の精度を実現している。 -
鷺原 イズミ
「初弾命中!」
-
一ノ瀬 蒼空
「残り14両!」
-
しかし、陸のみならず空からも攻撃の手が来る。
-
美保関 少弐 天満
「敵攻撃ヘリ接近!」
-
松山 なつき
「対空戦闘始め!」
-
対空戦闘の号令が掛かると、近接対空ミサイルが発射され、対空モードの機関砲が火を吹く!
-
瞬く間に攻撃ヘリが撃墜され、空からの脅威は排除された。
-
一ノ瀬 蒼空
「敵航空部隊の殲滅を確認!」
-
鷺原 イズミ
「敵リリーフ装輪戦車部隊、離脱して行きます!」
-
松山 なつき
「ふぅ…」
-
松山 いつき
「何とか
凌 げたね…」 -
貨物列車は途中、虚人東山軍に遭遇したものの、傷一つ無く松山駅に到着した。
-
貨物列車の運行はこうして虚人東山軍から守られている。
タップで続きを読む