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ある日の夜、夜間巡回に出ていたサイドワインダー伊予松山基地所属の松山なつき中尉。
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橋に差し掛かった時、二十代半ばだろうか…女性が身を投げようとしていた。
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なつきは即座にバイクを止め、その女性を引き止め、身投げを留まらせた。
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中本 未玖
「お願いっ!! 死なせてっ!! 私なんか…私なんか生きてる価値ないのっ!!」
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松山 なつき
「落ち着いて! アンタに何があったか分かんないけど、ひとまず落ち着いて!」
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その後、なつきがその女性を
宥 めてどこから来たのか、身投げしようとした事情を聞き出し始める。 -
松山 なつき
「えー…名前と住所をお教え頂けます?」
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中本 未玖
「中本未玖です…広島から来て…」
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松山 なつき
「身投げするなら知っている人が居ない
松山 で…と」 -
中本 未玖
「…」(頷く)
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その後、なつきは未玖から自殺(未遂)にまで至る事情を聞き出した。
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松山 なつき
「なるほど…メイクを変えただけで彼氏さんにクレンジングオイルを顔面に掛けられて…罵詈雑言を浴びせられて、一方的に別れられた…」
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中本 未玖
「…はい」
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松山 なつき
「とんだ
屑 男だね…『アイツ』と比べれば可愛いもんだけど」
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中本 未玖
「噂で聞いた事があります…東山備中ですよね…」
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松山 なつき
「そう、あのド畜生からされた事と比べれば…アンタが彼氏さんからされた事なんて…ね」
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なつきは未玖に、自分達の過去を全て話した。
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松山 なつき
「…と言うわけ」
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中本 未玖
「酷い…え、えっと…あなたの名前を教えてくれませんか…?」
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松山 なつき
「アタシは松山なつき、歳は高等二年で、サイドワインダー伊予松山基地所属の中尉だよ」
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中本 未玖
「えっ…高等二年…? 私より年下…? しかも中尉って…?」
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松山 なつき
「お姉さん、その見た目と口調から…25歳?」
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中本 未玖
「っ?!」(図星)
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松山 なつき
「アタリだね♪ ここで立ち話もアレだし、アタシ達の所に来る?」
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中本 未玖
「は、はいっ…」
(どうしよう…私より年下の…それも女の子にドキドキしてるなんて…) -
なつきは未玖をバイクの後ろに乗せ、サイドワインダー伊予松山基地へ帰投した。
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その道中、なつきは基地に無線で未玖が自殺未遂をした事などを全て話した。
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サイドワインダー伊予松山基地
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松山 なつき
「ただいま」
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中本 未玖
「こ、こんばんは…」
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松山 いつき
「なつき姉ぇ、話は聞いてるよ」
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中本 未玖
「わぁっ?! この子は!?」
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松山 なつき
「このアタシに似てるのは松山いつき、アタシの双子の妹なんだ♪」
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松山 いつき
「初めまして♪ 松山いつき少尉です♪ なつき姉ぇと双子の姉妹…とは言っても二卵性だけどね♪」
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中本 未玖
「中本未玖です…」
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松山 いつき
「宜しくね♪ 未玖さん♪」
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一人のオフィスレディーを救った女学生達、彼女らと共に見上げた南海道(四国)の夜が明ける…。
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舞台は東山備中とサイドワインダーが戦闘を繰り広げる瀬戸内及び四国。
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その最中に流れ着くように伊予(愛媛)松山に辿り着いた一人の士官。
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当ても無く、さ迷い歩いていると、東山備中(量産型の一体)が士官の前に現れる。
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「もう助からない…」と思っていたその時、現れたのは…。
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一ノ瀬 蒼空
主人公は、戦火飛び交う四国(伊予)に迷い込んだ士官。
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一ノ瀬 蒼空
そこで出逢ったのは、サイドワインダー伊予松山基地の少女達…。
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四国瀬戸内華想物語
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生死行き交う四国瀬戸内…四国の義勇軍「サイドワインダー」が、人工知能「虚人東山」が生み出したバーチャロイドと戦いを繰り広げていた。
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流れ着くように伊予松山へと辿り着いた一人の士官。
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これは、運命に翻弄されゆく一人の少女達の…美しくも儚い物語…。
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四国 伊予松山飛行場
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一ノ瀬 蒼空
「…ここが四国…聞いてたのと違って平和そう…」
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四国の伊予松山に降り立った私は、空港を出て行く当ても無く歩いていた…しかし…。
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東山 備中
「みぃ~つけたぁ…可愛くてやりがいのある人の子ぉ…」
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一ノ瀬 蒼空
「っ!?」
(聞いた事がある…四国は赤髪の盗賊が暴れてるって…!) -
東山 備中
「私は東山備中…あなた…私の子供を孕んでもらうわよ!!」
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一ノ瀬 蒼空
「っ!!」
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「私はここで終わる…」そう思った刹那、東山備中の断末魔が聞こえた。
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瞑っていた眼を開けると、そこに居たのは…。
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【救】松山 なつき
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松山 なつき
「『伊予松山のエース』たるアタシが頂くよ、回りくどい事抜きでね!」
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故郷を救い、護るために戦い続ける「風神」。
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もう二度と涙を流さぬために、強さを追い求めた…。
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松山 なつき
「信じて、アタシが全て護り抜くから」
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東山 備中
「やれやれ…少し壊せば黙るかしら?」
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松山 なつき
「理由は要らない…アンタを潰す…」
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もう誰も傷付けさせない…同じ運命を背負わせるわけにはいかないのに。
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松山 いつき
「なつき姉ぇ! あまり無茶な事はしないで!」
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松山 なつき
「心配いらないよ、アタシの眼を見て」
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松山 なつき
「『風神の爪痕』その身に刻んであげるよ、一生消えないよ…」
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もう、離してやれないかも知れない…例え命を削ろうとも。
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私は最期まであなたと戦う。
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松山 なつき
「よそ見厳禁! アタシの側に居る事! いいね?」
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【仁】鵜久森 ミナト
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鵜久森 ミナト
「強くあるのは、弱い人々を守り助けるためなんだ!」
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一国の守護をその手に託された若き「隊長」。
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己が魂のまま振るう二振りのレーザー剣。
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戦場に乱れ咲く華。
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どれだけ血を流しその赤に染まろうとも、大切な人のために戦うと決めたのだから。
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東山 備中
「あなたも力と欲望のままに生きてみたら?」
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鵜久森 ミナト
「それだけはしない! 例え血を流して倒れようとも!」
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その瞳の輝きの裏に隠された「心」とは。
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鵜久森 ミナト
「…ただ、悲願のためだけに戦っていたはずなのに…なぜ気付いてしまったのかな…この感情も『試練』かな…」
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例え戦う事になろうとも、私はあなたの手を取る。
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鵜久森 ミナト
「いつか来る決断の時まで、キミの側でキミを護りたい」
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【愛】石本 ユミカ
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石本 ユミカ
「私とあなたの間にも、愛が生まれる事を信じてる…だから隠れても逃げてもいい…私が逢いに行くから!」
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己の信念を護るために、武器を手に取った「聖母」。
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己の過去を背負い、悔やみ、失われ逝く命を嘆いた。
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もう誰の涙も見たくはない。
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己の手で皆の笑顔を護りきると誓った。
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東山 備中
「あなたの絶望は広くて浅い…」
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石本 ユミカ
「憎しみも憤りも全て愛が癒す…平和な国はこの私が作る!」
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石本 ユミカ
「愛と笑顔が溢れる四国…それが私の夢だから!」
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﨔木 長門守 夜慧
「調子に乗るな! お前は何も分かってねぇ…!」
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石本 ユミカ
「愛情を軽蔑する者は愛情に涙する…一体どうすればあなたにも分かるの…?」
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矛盾の中に秘めた想い…傷付くのは、もう自分だけで良いのに…断ち切らなければ進めないのか…例えその愛が血で染まったものであっても。
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私はあなたにこの身を委ねたい。
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石本 ユミカ
「誰にも壊させない、私のあなたへの愛だけは」
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【導】松山 いつき
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松山 いつき
「私にも守らせてよ、あなたの大事なものを」
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ただ一人の「想い人」を失い、刃となった「雷神」。
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大切な「想い人」を失い、護るべき術を忘れた…だから…笑顔で魂を刈り取る事しかできなかった。
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東山 備中
「やれやれ…その笑顔の下は泣いているわよ?」
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松山 いつき
「それがどうしたの? じゃあ、あなたの命を終わらせてあげる!」
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松山 いつき
(護るために戦っているはずなのに…なぜ分からない…なぜ離れるの…?)
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松山 なつき
「いつき、それじゃ駄目なんだ!」
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松山 いつき
「なつき姉ぇは黙ってて、これは私の問題だから…」
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もう二度と、誰にも奪わせない…例え魂を犠牲にしても。
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私は、あなたを救いたい。
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松山 いつき
「もう一度呼んで、あなたの声で、私の名前を」
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【炎天無尽】鷺原 イズミ
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鷺原 イズミ
「例え火の中、水の中! このあたしに任せて下さい!」
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荒廃した故郷を救うため、燃え上がった「
焔 」。 -
心を燃やし、突き進んで来た。
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任せて下さい、先輩はあたしが護りますから。
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東山 備中
「あなたの覚悟は緩い…緩過ぎる…」
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鷺原 イズミ
「あたしの覚悟は甘くない! 土足で踏みにじるなど絶対許さんぜよ!」
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大切なものを護るため、焔を
纒 い戦う道を選んだ。 -
鷺原 イズミ
「土佐の女意地、見せてやる!」
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私に出来た「後輩」例えどんな未来へ向かおうと。
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私は、あなたの誇りでありたい。
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鷺原 イズミ
「先輩! あたしの事、見てて下さいね!」
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【献身天女】大城 エリザベス 椿姫
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大城エリザベス椿姫
「弱き人々に手を差し伸べる…それをする理由などありません」
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愛する故郷を護るべく、立ち上がる「聖女」。
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彼女は弱き人々に手を差し伸べ、救い続ける…己の「罪」を償うためのはずだった…。
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東山 備中
「綺麗事を並べようと、その罪と染み付いた血の匂いは隠せない…!」
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大城エリザベス椿姫
「それは分っています…だからこそ、私はこの身を捧げているのです」
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「贖罪」の裏に隠された「真実」…例えその罪が許されなくとも。
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私はあなたと共に居たい。
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大城エリザベス椿姫
「どれだけ離れていても、私とあなたの心は繋がっています」
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鷺原 イズミ
「…こちらハンターⅣ、スーパートムキャット発艦完了、可変翼を戦闘形態に移行しますっ!」
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人類史上、未曾有の天変地異と共に降り注いだ悪夢と、その狭間に咲き乱れる華々の夢。
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鷺原 イズミ
「敵軍接近、間も無く交戦…あたしの援護は、あなたに任せましたからね…ハンターⅤの士官さん!」
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一ノ瀬 蒼空
「忘れさせない…私の、私の名前は…!」
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物語の舞台は、瀬戸内海を巡る
西国 、激動する時代に忘れ去られていた「辺境」の島々…。 -
花月地院 陽成
「そう…この廃寺が、私の始まり…そして、終わりの場所です…先輩さん」
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神田エルンスト遊火
「前の世界では、先輩と出逢えなかった…この世界では、今度こそ僕は、きっと運命を変えられる…」
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山田 ランスロ 玉子
「
汝爾 にも聞こえるであろう、某 を呼び醒ます深き者共の声明 が…!」 -
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鳥羽 魅兎
「誰も呼び覚ましてないと思いますけど…ウサも士官さん達のために、新しい商品を入荷したッス!」
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水上 ジャンヌ 溟
「我が親愛なる、迷える子羊よ…もう二度と、あの
大海原 を、私の結界を穢させてはなりません…!」 -
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碓井 丹波守 槐
「大丈夫だよ、しーたん! だってエンジュは…神様なんだから!」
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西海 に生まれ落ちた一滴の血は、やがて世界を焼き尽くす業火の焔へと…そして新時代の彼方に、私達を待ち受けていたのは…。 -
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嶺咲 ウルスラ
「この時を待ち望んでいたわ…さあ御主人様、共に参りましょう…先生の、偉大なる父上の元に…!」
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