ブラの行方

  • 執事

    いい天気だ。洗濯物は
    やはり外干しにかぎるな。

  • 執事

    お嬢様の下着類は陰干しに……
    っ。レースが少し
    ほつれている。

    買いなおすかどうか
    お伺いしなければ。

  • 執事

    お嬢様のブラ……はぁー。
    すきだ、ああ…愛し合いたい

  • お嬢様

    川島川島〜?

  • お嬢様

    何してるかと思ったら
    洗濯もの干してたのね。

    探しちゃった。

  • 執事

    !!

  • お嬢様

    ちょっと、今の何?
    なにか隠したでしょ。

  • 執事

    いいえ。
    なんでもございません!

  • お嬢様

    ウソ。
    見せなさい。

  • 執事

    はい……ちょうど、
    お嬢様のものを
    干そうとしていたところで。

  • お嬢様

    ただのブラじゃない。
    なんで慌てて隠す必要が──

    まさか私のブラで
    変なことしてたんじゃ

  • 執事

    そんな。ただ、
    お嬢様の可愛らしいお胸を
    思い出していただけです。

  • お嬢様

    本当にそれだけ?

  • 執事


    ……匂いを嗅いでキスと
    頬ずりもいたしました。

  • お嬢様

    イヤっ、変態!
    バカじゃないの。

  • 執事

    変態……。お嬢様、これは
    れっきとした愛の行為で

  • お嬢様

    私が同じことしてたら
    川島だってイヤでしょ?

  • 執事

    いいえ。
    嬉しくて嬉しくて、飛び上がってしまうと思いますが。

  • お嬢様

    はあ?

  • 執事

    お嬢様がオレの下着に頬ずりしながら、オレのことを思い出しハァハァしてるなんて、考えただけでも……

  • 執事

    ああダメだ、興奮してきた。
    ハァ、ハァ。

  • お嬢様

    川島がハァハァいって
    どうするの。

    それより、もうやめてね。
    人の下着にそういうことするの。

  • 執事

    !!

  • 執事

    お嬢様、もしかして
    それはヤキモチですか?

  • お嬢様

    なっ、なんで私が自分のブラに
    ヤキモチ妬かなきゃいけないの。

  • 執事

    そうか、そういうことか。
    ふっ。ふふふ……。

  • お嬢様

    えっと。
    じゃあ、あとお願い──

  • 執事

    お嬢様!

    今夜は本物のお胸を
    愛でさせてくださいね。

    ブラでなく本物の
    可愛いお胸にキスと頬ずりと

  • お嬢様

    イヤ。川島なんて……

  • お嬢様

    川島なんてずーっと
    洗濯もの干してなさい。

  • 執事

    なんですか、その言い分は。
    ふふっ。

  • 執事

    素直じゃないところも
    愛してますよ。

  • 執事

    ……ッ、すきだ…

  • お嬢様

    んっ…、こんなところで
    ぁ、川島……っ

  • 執事

    お嬢様……お嬢様…っ

  • お嬢様

    あっ!
    私のブラが──

  • 執事

    ああ、かなり遠くまで
    突風に飛ばされてしまいましたね。

  • お嬢様

    どうしよう、川島

  • 執事

    致し方ないでしょう。
    もう見えなくなってしまいましたし。

  • 執事

    今度はブラの方がお嬢様に
    ヤキモチを妬いたのかもしれませんね。

  • お嬢様

    ふふっ。バカみたい。
    残りのもの干すの手伝うね。

  • 執事

    ありがとうございます。

    私の下着をハァハァしながら
    干してくださいますか。

  • お嬢様

    そんなの自分で干しなさい!

  • 執事

    ふふふ……はい。
    かしこまりました、お嬢様。

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