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お嬢様
川島、一緒にお風呂はいろ!
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執事
オレ……いえ、私とですか?
嬉しいお誘い、
ありがとうございます。
すぐに準備をいたしますね。 -
お嬢様
お願い。
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執事
お嬢様、
今宵は満月でございます。
屋上のガラス張りバスルームの方で、照明を落として月を眺めながら、ご入浴されてはいかがでしょう。 -
お嬢様
月明かりで入るの?素敵!
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執事
さようでございますか。
では、そのように。 -
バスルーム
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執事
お嬢様、お嬢様……?
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お嬢様
ん……、あれ。私寝ちゃってた?
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執事
ええ。
私にもたれかかってスヤスヤと。
これ以上お湯に浸かっていると、のぼせてしまいますよ。
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お嬢様
じゃあ、髪を洗うね。
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執事
かしこまりました。
お髪(ぐし)もお身体も、すべて私にお任せくだい。
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お嬢様
えっ……うん。
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お嬢様
月明かりしかないし、あまり見えないから大丈夫かな。
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執事
ではお髪から……
お嬢様、シャンプーの泡が入らないよう目を閉じていてくださいね。
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お嬢様
はーい。
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執事
ふふ、よいお返事です。
今回は頭皮をマッサージを兼ねて、しっかりめに洗髪いたしますね。
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執事
お痒いところはございませんか?
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お嬢様
うーん。全部かな!
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執事
全部でございますか。
ふふ、欲張りなお嬢様です。
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お嬢様
はぁ、ン
んん……ぁ、気持ちいい……
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執事
っ!
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お嬢様
川島どうしたの?
手が止まっちゃったけど。
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執事
いえ、なんでもございません。
……続けますね。
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お嬢様
あぁ……すごく気持ちいいの。
川島の指……、ぁ……もっとぉ
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執事
!お嬢様っ。
わざとそんな甘いお声を出されて── -
お嬢様
川島やめないで……っ、お願い
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執事
……
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お嬢様
あ、川島の大き──
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執事
目を開けないでください!
悪趣味が過ぎますよ。
私をからかうのがお好きなのですから、まったくもう。
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お嬢様
ふふっ、興奮したの?
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執事
……当然でしょう。
さ、お流しいたしますね。
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お嬢様
ありがとう。
今度は私が
川島の髪洗ってあげる。
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執事
そんな……
洗っていただくなんて。
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お嬢様
これは命令だからね。
はい、ここに座って。
泡が入らないようよう目を閉じててね。 -
執事
はい、お嬢様。
お願いいたします。
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お嬢様
川島、髪伸びたね。
生え際と耳の裏も念入りに……
気持ちいい?
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執事
ええ。
あの、少しお耳を拝借してもよろしいですか。
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お嬢様
ん、なあに?
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執事
お嬢様……。すごく……
すごく気持ちがいい。
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執事
愛してる。
さっきの甘い声の続きが聴きたい……聴かせてください。
オレのベッドで一晩中。
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お嬢様
っ!
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執事
ダメですか?お嬢様。
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お嬢様
そんなこと……急にエッチな声で言わないでよっ。
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執事
ふふっ。ああ~
可愛いなオレのお嬢様は。
さ、早くあがって部屋に行きましょう。
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お嬢様
あがったらリビングで映画を見るんでしょ?
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執事
お嬢様が、あんなやらしい声で誘うのがいけないのです。
オレに火をつけた罰は重いですよ。
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お嬢様
べつに誘ってないから。
本当にその思い込みの激しさ、
なんとかしてよね!
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お嬢様
私、先にあがる。
川島は、どうぞごゆっくり。 -
執事
あっ、お嬢様。
お待ちください。
すぐに参りますから、お髪を乾かすのはオレにお任せくださいね!
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執事
ふぅ。なぜいつも逃げられてしまうのか……。
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執事
どうかお教えください、
神様、仏様、お嬢様!
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