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お嬢様
……くしゅん。
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執事
お嬢様!まさかお風邪を召されたのでは……
おでこをお貸しください。
失礼いたしますね。
よかった、熱はないようです。 -
お嬢様
川島は大げさなんだから。
少し鼻がムズムズするだけなの -
執事
さようでございますか。
では、症状が緩和するハーブティーをお淹れいたしますね。
お嬢様、どちらへ? -
お嬢様
ちょっと……鼻をかみに。
川島はついてこなくていいの! -
執事
お嬢様の可愛らしいお鼻は
私がお世話いたします。
邸の中でも特に肌触りがよく、最高級の素材を使ったティッシュをお持ちしますね。
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お嬢様
いいのに、そんなの。
鼻をかむのに恥ずかしいよ。 -
執事
お待たせいたしました。
さ、お嬢様
チーンなさってください。 -
お嬢様
や……やだぁ。
人前でなんてできないよ
汚いもん。 -
執事
何をいまさら。
私とお嬢様は一心同体ではないですか。まさにふたりでひとりなのです。 -
執事
大丈夫、お嬢様に汚いものなどありません。
素直にチーンなさってください -
お嬢様
・・・
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執事
はい、よくできましたね。
あとはハーブティーを召し上がってスッキリと―― -
お嬢様
川島?どうしたの
怖い顔でティッシュ見つめて。
早く捨てて欲しいんだけど。
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執事
申し訳ございません、お嬢様。
少々、このティッシュに嫉妬してしまって。 -
お嬢様
……はぁ!? -
執事
オレのお嬢様から出たものは
みんなオレのものなのに。
小さな紙切れの分際で、お嬢様の体液をさらってしまうなど忌々しいにもほどが…… -
執事
そうだ。
次回からティッシュではなく、オレの手に直接チーンしていただけますか?
-
お嬢様
イヤっ、なにそれ!
川島の変態っ。
ちょっと気持ち悪いよ。
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執事
気持ち悪……!?
お嬢様!それは聞き捨てならないお言葉です。
オレはただ
愛する人を構成するものすべてを愛しているだけです。
それのなにが悪いのですかっ。
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執事
まったく
大体お嬢様はオレの気持ちなど -
お嬢様
わかった、わかったから。
川島、落ち着いて。ね?
わたしが無神経だった。
ごめんなさい。
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執事
……いえ。
私も少々、冷静さを欠いてしまい申し訳ございません。
お嬢様のこととなると想いが迸るあまりに。 -
お嬢様
ふふ。ティッシュにもヤキモチ妬かれるほど愛されてるってわかって嬉しい。
早く一緒にハーブティー飲もう? -
執事
お嬢様!
本当ですね?オレのこと気持ち悪いなんて冗談ですよね!?
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お嬢様
う…うん、冗談だよ。
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執事
ウッ…あぁ、よかった。
それではすぐに支度いたします
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川島がキッチンへ
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お嬢様
泣くことないのに。
なんだか川島って、たまに色々こわいんだよね。 -
お嬢様
大好きだけど……
これ以上は変態がエスカレートしませんように!
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