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お嬢様
今日は大変な雨ですわね。
こんな日はご一緒に、ボードゲームでもなさいませんこと? -
執事
……。
いかがなさいましたか、お嬢様。
そのようなお言葉遣いは、
わたしとふたりきりのときには
されませんのに。 -
お嬢様
ふふっ、
そうだけどたまにはね。
それに 川島がわたしの執事になった当初は、きちんとした話し方だったでしょ? -
執事
思い返してみますと、ええ。
そうでしたね。
わたしのような者にもおやさしく、丁寧にお言葉をかけてくださいました。
懐かしい日々です。
今ではわたしの扱いなど酷いもので、あられもないお姿で無防備にお眠りになるなど、とてもお嬢様らしからぬ―― -
お嬢様
人のことばかり言うけど川島はどうなの?
川島だって、私に対してたまにタメ口になるときあるでしょ。 -
執事
……身に覚えがありませんが。
たとえばどのような時に? -
お嬢様
エッ……チなことしてるとき、
とか。 -
執事
なんですか?お嬢様。
お声の大きさが少々、 -
お嬢様
とにかく、たまにあるの!
ねえ、もっと意図的にできない?
わたしのこと、ただの友だちみたいな感じで話してみてよ。 -
執事
そんな、滅相もございません。
断じていたしかねます。 -
お嬢様
お願い川島~。
あとでなんでも言うこと聞くから。 -
執事
かしこまりました。
-
お嬢様
ふふっ。じゃあ今からね。
よーいスタート! -
執事
今夜はなにをお召し上がりに……
なにが食べたい?
和食、洋食、それともオレ?
夜まで待てないなら今すぐにでも―― -
お嬢様
違ーう。
なんでそういう方向にいっちゃうの。
ただの友だちとそんな会話しないし。 -
執事
違うのですか。
ではもう一度チャンスをください。 -
お嬢様
いいよ。
次はちゃんとやってよね! -
執事
お嬢様。
初めて会ったときから、ずっとすきだった……。
ずっと抱きしめたくて。
すきだ。
今も、これからも、永遠に。 -
お嬢様
……。
-
執事
すきだ、すきだ、すきだ。
愛してる。
わかる?オレの気持ち。 -
お嬢様
……。
-
執事
お嬢様。
なにかおっしゃっていただかないと、会話になりませんよ。 -
お嬢様
うん。
-
執事
それだけですか?
真剣にお話いたしましたのに。
あぁ、そうですか。
それだけですか。
さてと、わたしはお掃除に取りかかりますね。 -
お嬢様
川島!待って。
ありがとう。
すごく嬉しい……
わたしも愛してる。
-
執事
お嬢様!
-
お嬢様
きゃっ、 なにするの。
-
執事
なにって、お姫様抱っこで
お嬢様をオレの部屋へお連れするんです。 -
お嬢様
掃除するんじゃなかったの?
-
執事
予定変更です。
今からふたりで、雨の音を聞きながらイチャイチャします。
お掃除は明日、お嬢様に手伝っていただきますね。
今日はもう一日中ベッドの上ですから。 -
お嬢様
ええっ。
-
執事
さ、ドアを閉めてください。
ありがとうございます。
ふふふ……っ。なんでも言うことをきくとおっしゃいましたね?
もう逃げられませんよ。 -
お嬢様
や、いやーーーッ!
-
執事
クックッ。
抵抗してもムダで……痛っ!
なにをなさるのですか。
イタっ、痛いです。
おやめください。
お嬢様、申し訳ございま……
うぅっ。 -
お嬢様
許してください、は?
-
執事
はぁ、はぁ……。
勝手なことをいたしました。
お許しください。 -
お嬢様
ダメ。許してあげない。
逃がしてもあげない。
ふふっ、川島?
抵抗してもムダ……ふふふっ。 -
執事
!お嬢様、あぁっ。
いけません、お嬢様――
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