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執事
今夜は
夜風が気持ちいいですね。
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お嬢様
うん。
お散歩するには丁度いいね。
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執事
お嬢様、
少し休憩なさいますか?
飲み物でも買ってまいります。
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お嬢様
そうだね。じゃあ
川島と同じものお願い。
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執事
かしこまりました。
おかしな輩が近づいてきたら、大声で川島とお呼びくださいね!
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お嬢様
ふふ。もー心配性なんだから。
大丈夫だから早く買ってきて。
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執事
はい。行ってまいります。
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川島が戻ってくる
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執事
お待たせいたしました。
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お嬢様
ありがとう。
飲んだら帰ろうね。
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執事
ええ。
あの……お嬢様。
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お嬢様
ん?
真面目な顔してどうしたの。
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執事
オ…オレと、おっ、おっ
おお…お
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お嬢様
プッあはは!なに?
ちょっとー、こぼしちゃったでしょ。笑わせないでよ。
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執事
いえあの、
笑わせようとしたわけでは -
お嬢様
ふふっ、ごめん。
それでオレと何?
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執事
オレと、その……お
おっ、おん
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お嬢様
ふっ、ふふふ!
川島どうしちゃったの。
そんなに言いづらいこと?
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執事
……もういいです。
また次の機会にいたします。
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お嬢様
ええ!ダメだよ。
途中まで言いかけて
それはナシ。
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お嬢様
最後まで言いなさい。
ちゃんと目を見て。
これは命令です。
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執事
ふぅ。かしこまりました。
お嬢様、オレと
スー。ハー。 -
執事
オレと、温泉に行きませんか!
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執事
言えた……。
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お嬢様
なんだ、そんなこと?
もちろん、いいよ。
一緒に行こ。
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執事
よかった。
安心いたしました。
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お嬢様
なんで
そんなに緊張して言うの。
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執事
すきな女性をお誘いするのは勇気が要りますし、緊張もするものです。
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執事
それに、温泉にお誘いしたのはお嬢様が初めてですから。
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お嬢様
そうなの。
川島の初めてだなんて嬉しいな♪
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執事
……茶化さないでください。
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お嬢様
ごめんてば。
髪の毛なでてあげる。
それで、
どうして急に温泉なの?
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執事
ああ……お嬢様の手
気持ちがいい……。
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執事
ハッ。ええと、もっとお嬢様と恋人同士らしいことをしたかったのです。
世間一般の男女は、温泉に行くのが通例のようですので。
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執事
それに、日々がんばられている
お嬢様を湯治でお癒ししたく。
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お嬢様
うん、確かに。
すきな人と温泉旅行は癒されるし、特別な感じするね。
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執事
ハッ。まさか過去に
行かれたことがおありですか!?
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お嬢様
川島、目が怖い。
男の人とは行ったことないよ。
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執事
本当ですか!よかった……。
ハッ。ということは
オレが初めてなのですね?
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お嬢様
うん。
だから、そう言ってる──
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執事
オレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初めて
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お嬢様
川島、川島!
落ち着いて。
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執事
オレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初
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お嬢様
全然きこえてない。
しばらく放っておこう。
それとも先に帰ろうかな。
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執事
オレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初めてオレが初
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お嬢様
まだ言ってる。
うーん、どうして男の人って初めてになりたがるんだろう。
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お嬢様
川島と温泉かあ。
楽しみだな。
ふふ、いーっぱい甘えよ♡
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10分後
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執事
オレが初めてオレが初
ハッ。お嬢様がいない!
ああっあんな遠くに……
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執事
お嬢様!お待ちください。
私もお連れください
お嬢様ぁーーー!!
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