君と、花と、簪と
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何かを察した鳥達が、一際大きな羽音を立てて森を駆け抜ける。不自然なほどに静まり返った森の中で、優しい午後の陽だまりが映し出すのは、吐き気がするほど鮮やかな血の色だった。
「あーあ…こいつらもハズレかぁ」
ため息混じりの呟きは森に溶け込み、あっという間に消えてしまう。手を払うようにして返り血を飛ばしながら、私は死体を背に立ち上がった。
新たな任務。それは、尾獣に関する情報収集だった。
元々尋問は得意分野だし、その私がこの任務を請け負うのはわかる。わかるんだけど…─。さすがに、こうも情報を得られないと、自信がへし折られてしまいそうだった。
────情報少なすぎ……。
目の前に転がる血まみれの男達は皆すでにこと切れ、元がわからないほどに顔が膨らんでいる。
デイダラと共に、ここまでしても情報が出て来ないのだ。
────全く、めんどくさい。
ここ最近ずっとハズレ続きだったのもあって、やる気だけが一方的に削がれていく。
そんな中、私は脳内の引き出しからとある情報を見つけ出し、思いついたようにデイダラの元へ駆け寄った。
「ねねね! 次の目星って、もう決まってたっけ?」
前のめりな私の勢いに驚いたのか、デイダラはあくびを噛み殺しながら首を振った。
「いんや。こりゃまた、イチからだな」
「それならさ!」
気だるそうに頭を掻く彼に私は提案する。この近くにある小国へ行かないか、と。
デイダラは断る理由もなかったのか、快く承諾してくれた。
その小国は小さいながらも力を持っていると聞いたことがある。力のある国には大概、重要な情報が眠っているものだ。
「場所は?」
「ここから丸一日くらい歩いたとこ」
「随分とざっくりだな……うん。ま、お前が言うなら何か当たるかもな」
デイダラのその言葉に微笑み返し、私達は小国を目指して歩き始めた。
