01.朱
夢主設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
────それは、突然の出来事だった。
「ちょっと!? 何してんの!!」
小隊の隊長を務めるという、中忍になって初めての大仕事。
待ちわびていた仕事でもある。けれど────。
「最初に言ったはずだ。俺は〝指図されるのが嫌い〟だと」
今までは人の下で働いてきた私が初めて仲間の命綱を握り、隊の指揮を執る。その責任の重さを、ちゃんと理解できていなかったのかもしれない。
「だからってこんな…! 腹が立ったのは私にでしょ!? 怒りをぶつけたいなら私に当たればよかったじゃない!!」
死んだ魚のような目をしたそいつの手にはクナイが力無く握られている。鋭利なその切っ先から鮮血が滴り落ちるのを見て私が泣き叫ぶような声を上げても、かつて仲間だったはずのそいつに耳にはもう、何も届かないみたいだった。
足元に転がる私の親友はぴくりとも動かず、ただ地面に朱い波紋を広げる。
「これを見てお前だけに腹が立ったと思うか?」
親友を足蹴にして嘲笑うそいつに、私はたまらず襲い掛かった。奴と同じように、痛いほどの力でクナイを握り締めて。
────殺してやる。ズタズタに引き裂いて。
そう思ったのを最後に私の意識は混濁し始めた。
こだまする皆の声。肉を裂く感覚。鈍い痛み。
断片的にそれらを感じ、目を覚ました時には病院の天井が凪ぐように広がっていた。
体を起そうとすると全身に鋭い痛みが走る。それはまるで、これまでのことが夢ではなかったのだと強く私に知らしめているようだった。
途端に視界がぼやけ、涙が止まらなくなる。
────ああ、私はなんてことをしてしまったんだろう。
