夜間飛行
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「…シーナ? やっぱり寒いよね? ほらほら、毛布沢山使ってよ。
イオさんのスープも…って、ここじゃ揺れてゆっくり飲めないな。
どこか着陸出来る所…」
私に毛布の束を投げると、サザンは腰のバッグからスコープを取り出して、360度ゆっくりと旋回する。
大きくなってもこういう所──気の利く所やどこか慌ただしい所──は変わってないなぁ、毛布の下でひっそり笑いを堪えたのに、「ナニ笑ってんの」サザンにはばれていた。
「なんでもなーい。
…あっサザン、あそこは? 少し高台になってない?」
「えっどれどれ?
…あぁほんとだ、降りられるかも。行ってみよう」
サザンのスコープが一点を捉えると、サザンは安心したようにそう呟いて、舵をそちらの方向へ取った。
城から持ち出したコンパスと親方の地図を照らし合わせてみると、確かに、もう少し先に行ったそこは高台になっていて、どうやら湖があるらしかった。
…