12月24日の灯り

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「てっちゃん! ほんとに、高校入ってから全然会わなかったな。てか笑うな」

 掲げていた呼び込みの立て札を下ろして、タケトはてっちゃんのそばに駆け寄った。

「こんな日にまでバイト? お疲れさん」

「まぁね。バイク買う金貯めてるんだ。それに家にいても誰もいないしな」

「おじさんもおばさんも相変わらず? 働き者だなぁ。アレ、弟のケーマは?」

「学校の友達ん家でクリスマスパーティーだとさ。帰り迎えに行ってやらないと。少し遠い家だから、夜道危ないし」

「アイツ今何歳だっけ、10歳? まだサンタに手紙書いてたりしてんの?(笑)」

「いやさすがに。
 でも、家の冷蔵庫に【タケト! 帰りのお迎えと売れ残りのケーキ、あと長靴のお菓子の詰め合わせよろしく!】ってメモが貼ってあった(笑)」

「ふはは。お前もついに呼び捨てされる身になったか。俺もいつの間にかテツ呼ばわりだったしな。
 ターちゃん言ってた頃のケーマが一番可愛かったなー(笑)」

「たしかに(笑)
 で、てっちゃんは今日はどこか行くの」

「おっとっとやべぇやべぇ! 彼女とおデートなんです、山のイルミネーション見に。
 じゃあまたな、今度ゆっくり遊んでくれ!」

 最後は早口でそう言って、てっちゃんは行ってしまった。

 昔は俺とケーマとてっちゃんの3人きりで、パーティーやったなぁと懐かしみながら、てっちゃんの小さくなっていく背中をタケトは見送った。





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