12月24日の灯り

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 さて。次はキミ。
 えっと、ターちゃんでよかったよね?

 タケト
「それで呼ぶな!
 ケーマだけが言うやつじゃねーかよ」

 そうそう。そのケーマくん。
 どこだろうね?

 タケト
「えっ…!? そういや…
 一緒に来たはずだろ!?」

 そういえばターちゃんは、
 ケーマくんがジャマで仕方なかったよね?

 お父さんとお母さんは、
 いつもケーマくんばかり可愛がる。

 タケト
「はっ…!? なに言って…」

 ケーマなんか、生まれなきゃよかった。
 そしたら、お母さんも働きに
 出ないで済んだ。

 ケーマがいなくなれば、
 また自分を大事にしてくれる。

 ちがう?

 タケト
「…っ…」

 おや?
 あのちっちゃい手は、なんだろうね?

 タケト
「…!!
 ケーマ! ケーマっ!!」

 あらあら。引っ張るの?
 もう飲み込まれてるよ。
 無理だと思うけど。

 そもそもキミが、いなくなれって
 願ったんだろう?

 タケト
「ちがう!

 ちがう!

 ちがう!

 そりゃあ、ちょっとは寂しいとか
 思ったけど!

 それとケーマは関係ない!

 ケーマ、おれの事やっと、
 兄ちゃんだって分かってきたんだよ!

 ターちゃんって、おれの事
 おっかけてくるんだよ!

 こんなにかわいいヤツのこと、
 いらないなんて
 思うかよーーー!!!」





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