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食器洗い
いつもは首を隠しているコーラルピンクが、今は後ろで一つに結われている。肌触りの良さそうなセーターに、エプロンは無し。背中の広さは男性のそれなのに、後ろ姿が可愛らしくて思わずどこの新妻? なんて突っ込みたくなる。
前に何かの番組で「妻」は男性にも使える言葉だと言っていた気がするから、あながち間違いではないのかもしれない。あ、いや、間違いだ。だって結婚はしていないもの。
蛇口の水を止め、タオルで手を拭いた彼がこちらに戻ってくる。途中、だらりと横になる私と目が合った。
「なに?」
「んーん。新妻みたいだなと思って」
「誰が?」
「あなたが」
私の目の前に腰を下ろし、彼は「意味わかんない」と呟きながらネイルケアを始める。
指先にオイルを馴染ませ、そのあとに黄色いパッケージのハンドクリームを開ける。手のひらや甲、黒が映える爪の細部までしっかりと塗り込まれていく様子を、私はじっと眺めた。
「ネイルしててもちゃんと水仕事するんだね」
「別に、これくらい普通にするでしょ」
「そういうの嫌いだと思ってた」
「好きでやってるわけじゃないけど?」
つまらなそうにクリームを元の位置に戻したかと思えば、次の瞬間には不敵な笑みを湛えて私に覆い被さってくる。
「新妻、今度はあんたが見せてよ」
解かれたコーラルピンクを頬で受け止める。妻にしてくれるの? なんて戯ければ、いつかはそうなるかもねと口元のほくろが色気を放った。
誘うように私の唇をなぞる彼の指先。そこから香るやさしい甘さが、これから始まる蜂蜜のようなひとときを予感させた。
いつもは首を隠しているコーラルピンクが、今は後ろで一つに結われている。肌触りの良さそうなセーターに、エプロンは無し。背中の広さは男性のそれなのに、後ろ姿が可愛らしくて思わずどこの新妻? なんて突っ込みたくなる。
前に何かの番組で「妻」は男性にも使える言葉だと言っていた気がするから、あながち間違いではないのかもしれない。あ、いや、間違いだ。だって結婚はしていないもの。
蛇口の水を止め、タオルで手を拭いた彼がこちらに戻ってくる。途中、だらりと横になる私と目が合った。
「なに?」
「んーん。新妻みたいだなと思って」
「誰が?」
「あなたが」
私の目の前に腰を下ろし、彼は「意味わかんない」と呟きながらネイルケアを始める。
指先にオイルを馴染ませ、そのあとに黄色いパッケージのハンドクリームを開ける。手のひらや甲、黒が映える爪の細部までしっかりと塗り込まれていく様子を、私はじっと眺めた。
「ネイルしててもちゃんと水仕事するんだね」
「別に、これくらい普通にするでしょ」
「そういうの嫌いだと思ってた」
「好きでやってるわけじゃないけど?」
つまらなそうにクリームを元の位置に戻したかと思えば、次の瞬間には不敵な笑みを湛えて私に覆い被さってくる。
「新妻、今度はあんたが見せてよ」
解かれたコーラルピンクを頬で受け止める。妻にしてくれるの? なんて戯ければ、いつかはそうなるかもねと口元のほくろが色気を放った。
誘うように私の唇をなぞる彼の指先。そこから香るやさしい甘さが、これから始まる蜂蜜のようなひとときを予感させた。
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