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はじまり✕出会い✕よーいドン!
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青い空!
空と同じくらいに果てしなく広い海!
「わぁ────!!!外だわ!」
ゆかりの宝石のようなキラキラした瞳には、真っ青な広い空が視界いっぱいに広がっていた。
ツインテールにした紫色の長い巻き毛に、白いロリータのドレス姿はかなり目立っていた。
堅苦しい暗殺一家の実家を家出同然で抜け出して、目指すはハンター試験会場だ。
歩くのは港町。
朝市には色んな出店が並び、見た事のない風景はゆかりにとって、とても新鮮だった。
魚や貝が焼ける匂い。
新鮮な瑞々しい果物の甘い香り。
香辛料を売る店や反物など、様々な店が所狭しと並んで賑わっていた。
そんな中、呑気に観光がてら歩くのゆかりは、本来であればナビを雇うはずだが、情報屋に金に物を言わせて、ハンター試験会場まで急いだ。
(のんびりしてたら連れ戻しされちゃうかもしれないしね)
特に、シスコンの兄に見つかろうものなら···。
(···のんびりしてられないわ!急がなければ)
と、言うわけで。
着いた定食屋は、至ってハンター試験会場とはかけ離れた作りだ。
「いらっしゃいませ!」
「あのー、すみません。ステーキ定食一つお願いします」
ピーン、と店主の雰囲気が変わった。
「焼き方は?」
「弱火でじっくり···ですわ」
「お客さん一名、奥へご案内!」
「はーい」とウェイターに案内されたのは、大きな部屋の前だった。
「こちらへどうぞ。ご武運を」
「ありがとう!行ってきます!」
開かれたドアに、今頃になってドキドキと冒険の始まる高揚感に心が震える。
「でっかいステーキ」
意をけして中に入れば、部屋の真ん中には大きなテーブル状の焼肉を焼く網の上でステーキが美味しそうな肉汁を垂らしていい音を立てていた。
「···!これは、食べていいのよね?」
用意されたナイフとフォークを両手に持ち食べ始めると、ジュワッと甘い肉汁が口に広がり、柔らかい肉が噛めば噛むほど解れて喉へ入って行く。
「お、おいひい···♡」
とろける肉に舌鼓をうっていると、部屋が降下し始めた。
(なるほど···面白い仕掛けだわ!)
面白い部屋の仕掛けと、美味しいステーキに、ハンター試験にワクワクと胸が弾んだ。
❖
チーン。
エレベーターが着く頃にはステーキを平らげていたゆかり。
ガラガラとドアが開けば、一面薄暗い地下通路が広がっていた。
足を一歩踏み出せば、スキンヘッドや筋肉ムキムキの屈強な見た目の男達が一斉にゆかりを見た。
「何だありゃ?ここはじょーちゃんの遊び場じゃねーんだぜ?帰んな帰んな」
「わぁ!皆様とてもお強そうですわね!どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
あまり人との接点が無かったゆかりは、見知らぬ人間に話しかけられた事が嬉しかったらしく、優雅なカーテシを送った。
「てめぇ、バカにしてんのか」
バキャッ!!
切れた大男がゆかりの足元目掛けて拳を下ろせば、地面に穴が空いた。
が、···。
「まあまあ、凄い力ですわ」
ひょいっと避けたゆかりは、蝶が舞うように可憐に着地した。
「ですけれど、大丈夫でしょうか···腕が痛そうです」
「うっ、うわぁぁうぁぁ」
見れば、男の腕は何か鋭いものでスパッと切られたように綺麗に切断されていた。
その場に断末魔が響き、男は激痛に脂汗をかいてもがいている。
「キミさぁ◆さっきからうるさかったんだよねェ」
くつくつと喉の奥で笑いながら、全身を舐め回されるような声音。
ゆかりが視線をやれば、水色の髪をオールバックに流した、奇妙なピエロの衣装に身を包んだ男が嗤っていた。
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