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アルハイゼン
カーヴェ
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カーヴェ
…なんだよ
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アルハイゼン
いいゲームがある。やってみないか
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カーヴェ
やだね
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カーヴェ
どうせ知論派の考えるゲームなんてただの言葉遊びにすぎない
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アルハイゼン
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
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カーヴェ
おい勝手に始めるなよ
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アルハイゼン
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼んだ。
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カーヴェ
聞いてるのか!
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アルハイゼン
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」 -
カーヴェ
僕を無視して進めるな!やらないって言ってるだろ!
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アルハイゼン
しかし、男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をした。
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アルハイゼン
なぜだと思う?
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カーヴェ
はぁ?そんなの僕が知るわけないだろ
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アルハイゼン
では君はこの謎が解けないと?
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カーヴェ
そうは言ってないだろ!
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カーヴェ
少し考えれば分かるさ、どうせそのスープはウメガメじゃなかったとかそんなんだろ
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アルハイゼン
悪くない回答だな
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アルハイゼン
だが不正解だ
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カーヴェ
はぁ?…なら男はウミガメのスープを前に飲んだことがあったりしたのか?
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アルハイゼン
そうだな。飲んだことはある。
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カーヴェ
なのにシェフにわざわざ本当かどうかを尋ねたのは、昔食べたものと味が違ったからか?
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アルハイゼン
鋭いな。まさかそこから来るとは。
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アルハイゼン
君ならてっきり男の自殺の原因から尋ねると思っていたよ。
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カーヴェ
スープを飲んで自殺したなら、スープに自殺の原因があるって思うだろう
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カーヴェ
…………
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カーヴェ
男はそのスープのせいで自殺したんだよな?
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アルハイゼン
ああ、そうだ。
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カーヴェ
過去に食べたウミガメのスープの味と違うことを知って自殺……
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カーヴェ
男が過去に食べたのは本当にウミガメのスープなのか?
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カーヴェ
男は何を食べたんだ?
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アルハイゼン
さすが、伊達に妙論派の星と呼ばれてるだけある
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カーヴェ
なんだよ、馬鹿にしてるのか?
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アルハイゼン
いいや、素直に賞賛を贈っている。どうしてそう捻れた解釈になるのか謎だが。
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カーヴェ
いちいち一言が多いな君は!
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カーヴェ
で、実際どうなんだよ!男が昔食べたのはウミガメのスープだったのか?
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アルハイゼン
いいや、男が昔食べたのはウミガメのスープじゃない。
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アルハイゼン
男は昔船に乗ったことがあったが、その船は遭難してしまったんだ。
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アルハイゼン
数人の男と共に救難ボートで難を逃れたが、漂流の憂き目に。食料に瀕した一行は、体力のない者から死んでいく。
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アルハイゼン
やがて、生き残っているものは、生きるために死体の肉を食べ始めるが一人の男はコレを固辞。当然、その男はみるみる衰弱していく。
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アルハイゼン
見かねた他のものが、「これはウミガメのスープだから」と偽り男にスープを飲ませ、救難まで生き延びさせた。
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アルハイゼン
それで、生き延びた彼は後に冒頭の問題で本物のウミガメのスープに出会った、というわけだ。
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カーヴェ
おい……
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カーヴェ
なんて話聞かせるんだよ……
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カーヴェ
最悪の展開じゃないか!やっぱり君の問題になんか付き合わなければよかった!
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アルハイゼン
まぁただの遊びだ。これはフィクションだし、実際にあったことじゃない。
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アルハイゼン
だから気にする必要は無い
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カーヴェ
無理だろこんなの……よくもこんな話を……うう…
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カーヴェ
今日は君のツケで酒を飲んでやるからな
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アルハイゼン
そうじゃない日があったか?
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カーヴェ
うるさい!さすがにそれは誇張しすぎだぞ!
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カーヴェ
僕だって稼いだら君に奢ってるじゃないか!
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アルハイゼン
その時だけだがな
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カーヴェ
君ってやつは……!!
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