マイクロノベル

記事一覧

  • 9:44pm · 17 Jun 2019

    20190630(日)02:44
    僕は亀になれない、そう思っていた。 リュックを背負って亀だと気付いた。生まれたときから亀で、亀だから、亀であるせいで。 僕は今も亀として生きている。これからも甲羅を降ろすことはたぶんないのだろう。 何もない僕の存在の証明。それが甲羅であるのかどうかはしかしまだわからない。
  • 12:21am · 15 Jun 2019

    20190630(日)02:44
    俺は蟹だったのかもしれない。最後にそう思う。外殻に穴が空き中身が漏れ出した蟹。人の世で生きる蟹に仲間はおらず、消失しながら生きて弱っていなくなる。食べられることさえできぬ、ただ消えるだけの蟹。 海に行けば会えただろうか。そんなことすらわからないまま、意識は途絶えた。
  • 12:14am · 15 Jun 2019

    20190630(日)02:44
    穴が空いている。どこだかわからないが穴が空いている。そこから漏れ出している。じわじわと漏れて、少しずつ痩せていって、一見普通に見える外殻だけが残って、それも削れ壊れてゆく。 止められない。穴が空いている。修復不能な穴が、もうずっと、空いている。
  • 11:16pm · 14 Jun 2019

    20190630(日)02:43
    たのしい。そういや前からすべてがたのしい。たのしい、たのしくてたまらない。どうしてみんな僕を睨むのかとか、どうしてずっと雨が止まないのかとか、空が落ちてきたのはなんでとか、たのしくて、おかしが家に届かなくて、明日はいよいよ雪らしいとか、たのしくって、僕は布団に潜った。
  • 2019/04/30 1:59

    20190630(日)02:42
    イェーイ今日の日はサンゴーズダウンと呟き続けて二年が経った。経ってしまった。当時は物議を醸したなと思いながらそんな平成も終わってしまう。何もせぬままここまで来たような気もするし、何か一つは成したような気もする。机の下を見ると、今日も少年が半分だけ顔を出していた。