マイクロノベル
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6:15pm · 22 Aug 2020
20200822(土)18:18「チュンチュン…はっ! もう鳥か…。鳥だと困るね。いや案外困ってもないんだけど、虫おいしいし」「君はなぜ鳥になっても喋れているんだい?」「鳥かわいいだろ?」「答えになってない」「知らん、なんか不思議パワーだろ、俺たちっていつもそんなだし」「そうやって強引に片付けようとするのが君の悪いところだよ」6:11pm · 22 Aug 2020
20200822(土)18:13「うーんうーん、闇クリームコロッケ……はっ! もう夜か……」「やあ」「わあ!?」「蟹だよ」「なんだ蟹か、びっくりさせないでくれよ」「部屋に蟹がいたことについてはびっくりしないんだね」「そりゃ俺は『選ばれる』ってわかってたからな」「絶望の中でも自信を失わない人間は嫌いじゃないけど」「けど?」「よくわからないね」「何が?」「こっちの話さ」11:06pm · 17 Aug 2020 蝶と虚無
20200818(火)17:19蝶に憧れる者はいない。蝶が全てを消すからだ。憧れて憧れて、手に取った虚無に自ら飛び込んでいく。そうしてそいつは消える、虚無は増える。そうやって僕たちは生きているのさと虚無は語った。11:04pm · 17 Aug 2020 物語る
20200818(火)17:18日々物語る者がそれをやめたときどうなるのかなと蟹が問う。それはお前が日々物語っているからかと訊くと、どうかな、と返る。蟹は蟹なりに不安なのだということを考える気持ちと考えたくない気持ちと、いずれにせよそんなことを考える僕はバグなんだろうねと言って蟹は笑った。10:59pm · 17 Aug 2020 光は遠く
20200818(火)17:18光を見ていた。それは遠くて、届かないほど遠くて、とっくの昔に諦めていたそれが近付いてきて僕に触れたのが昨日のこと、けれども光は再び遠くに、戻らない。平坦にと言い聞かせても忘れてくれないのが心というものならばいったい光とは何だったのか、わからないまま今日も遠くを見ている。10:54pm · 17 Aug 2020 流れ星
20200818(火)17:17流れ星が流れなくなったのはいつからだろう。最近のことかもしれないし、もうずっと昔からかもしれない。いずれにせよ今一つだけわかるのは、蝶が全てを消したということ。全てが消えたのにどうして僕だけ残っているのかって? そりゃあきみ、僕こそが虚無だからさ。10:51pm · 17 Aug 2020 どこにも
20200818(火)17:17「どこにいるんだ」どこにもいない。「どこにいるんだ」どこにもいない。呼んでいる、呼んでいる。遠く、遠くに行ってしまった。私が、か、あの人なのかはわからない。これらはただのまやかしだから。12:04am · 5 Aug 2020 蝶編
20200818(火)17:16「名前を思い出せない曲の断片たちをデフラグすると」「すると?」「なんかすごいことになったらよかった」「ざんねん…空白が空くだけ」「蝶は空白に住むという」「君は蝶が欲しいのかい?」「そういうわけでもないんだけど」「それじゃあ蝶の話などしない方が良い、寄ってくるからね」10:47pm · 1 Aug 2020 マケル
20200818(火)17:16「イツモジブントムキアツテイル サフイフモノニ ワタシハ」「ちがうーなんか違うー!」「何が違うんだ!」「何もかもだよ! 読み直してきて!」「断る」「なんでー!」「嫌いだから」「じゃあなんでパロったの!」「逆に蟹はそれ好きなのかって話だよ」「いや別に?」「ええー」11:22pm · 17 Aug 2020 一魔王 ニ側近
20200818(火)17:16「一!」「魔王!」「二!」「側近!」「三!」「勇者!」「待てなぜお前がここにいる」「俺がいちゃだめなのかー?」「駄目に決まっておろう! 宿敵だぞ!」「えー、いいじゃん」「駄目ったら駄目!」「お堅いんだから…」「帰るふりして柱に隠れるのもやめろー!」「ちぇー」