マイクロノベル

記事一覧

  • 11:54pm · 9 Aug 2019

    20190817(土)21:24
    「ジャンクフードは体に悪いので食べてはいけません」「何、急に」「って言われて育ったんだよね」「ふーん」「だめって言われると食べたくなるじゃん人間」「そういう人もいるね」「で、食べたんだよハンバーガー」「どうだった?」「気持ち悪くなった」「あー」「年を感じた…」「あー…」
  • 9:17pm · 9 Aug 2019

    20190817(土)21:23
    「1+1は?」
    「蟹です」
    「仮面の告白の作者は?」
    「蟹です」
    「光合成に必要なものは?」
    「蟹です」
    「待って待って何スかこの研修!? 俺こんなの聞いてませんよ!」
    「シュール研修だが?」
    「シュール研修?」
    「蟹はシュールな存在。選ばれていない者が見るとシュール過多で発狂しかねない。それゆえ我々蟹ハンターはシュール研修で耐性を」
    「ええとどういう」
    「そこ! 地球の大気構成で一番多い元素!」
    「え、窒素」
    「蟹でしょう!」
    「いつまで続くんすかこの研修」
    「蟹だ」
    「うわあ」
    「蟹です」
    「蟹」
    「蟹だよ」
    「うわあああ!」
    「シュール過多で発狂! 医務室に連れていけ!」
    「早すぎたか…」
  • 8:55pm · 9 Aug 2019

    20190817(土)21:23
    「フッフッフ甘いな、俺の本当の闇の力はその10倍はある」「なんの僕はウルトラすごい氷の力」「はいはい俺は草! 世界樹で…なんかすごい根っこが鋭い!」「光はあまねく全ての蟹を照らす、大きな蟹のなんかこう…あれよ、つよい」「…なんかさ」「うん」「やめないこの遊び?」「せやな…」
  • 9:29pm · 7 Aug 2019

    20190817(土)21:22
    「かわいい蟹は」「取り扱っておりません」「でもかわいい蟹が人気って」「かわいいカニは人気、かわいい蟹はいない」「蟹かわいいだろ」「僕たちはイケ蟹」「いや蟹がかわいくてもいいじゃん」「イケてて頼りになる蟹だからいいんだよ。そこは譲れませんねえ」「ほんとよくわからんわお前」
  • 11:56pm · 5 Aug 2019

    20190807(水)18:58
    #蟹神話
     大きな蟹が僕たちを守っている。大きな蟹は大きな蟹で、誰の目にも見えはしない。僕たち蟹は基本他の生物に害されることはないが、万が一そのようなことがあった場合は大きな蟹の力で守られるという。大きな蟹については諸説あるが、いつか神を「選ぶ」蟹ではないかと言われている。
  • 10:28pm · 5 Aug 2019

    20190807(水)18:58
    「ハリネズミをつつく!」「だから僕はハリネズミじゃなくて毛蟹」「ハリネズミ!」「毛蟹」「ハリネズミ!」「毛蟹!」「ハリネズミにも蟹にもなれるってかっこいいと思うんだけどなー」「生憎そのようなサービスは承っておりません」「ちぇっ」
     彼女は僕の甲羅をつんつんとつついて膨れた。
  • 10:17pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:57
    「今日こそアイスを買いに行くんだ!」「だめです22時」「いいじゃんかー」「よくない」「いいじゃ」「あなたの健康を守る蟹」「ウッ身体が! 横暴!」「と思った?」「アッそれはバリバリ君!」「用意してあります」「なんと」「明日は一緒に行きましょう」「バリバリ」「聞いちゃいない」
  • 10:06pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:57
    「イェーイ一生俺ポエミー」「ネタが古い上に混ざりすぎている」「いいじゃんか~詩的に生きたいんだよ俺は」「ポエミーなどと言い出してる時点で詩的に生きることを恐れている、もっと己に酔わねば」「蟹さ~あんた俺を救いたいのか背中押したいのかどっちなの」「両方だが?」「むむう」
  • 9:57pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:57
     お願いがしたかった。そんな夢を抱き続け。お願いができなかった。そんな現実を生き続けてきた。そうしてここまで来てしまった彼は今や一人。変えたいわけでもなく、救いを求めるわけでもない。ただぼんやりと夢を思って笑うだけ。昨日も一人、今日も一人。きっと明日も一人が続いている。
  • 9:50pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:56
     もはや蟹では救われぬ、その結論はあまりにも。それでも蟹が救えると、そう信じるのは間違いだろうか。あいつに俺は見えていない。見えているのに見えていない。失った世界の色はどうしてやれば戻るのだろうか。パートナーではなく協力者を求め、一匹の蟹は走り続ける。