マイクロノベル
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11:50pm · 28 Jul 2019
20190807(水)18:50いなくなったら空虚になるだろうと言ったら、わからない、本当に? と返された。よくない。そもそもいなくなったらなんて仮定が間違ってると言ってくれなきゃ困るのだ。俺の歪んだ暗闇を全てぶち破ってくれるのがお前だから。そう言うと、まあなんでも思い通りにはいかないさと蟹は笑った。11:44pm · 28 Jul 2019
20190807(水)18:50ここに蟹はいらっしゃいませんか?
呼んでいる。呼んでいる。けれど来る蟹はいないだろう。蟹は必ず一人につき、そこを離れることはない。
いらっしゃいませんか、いらっしゃいませんか。
なぜ呼んでいるのかわからない。いらっしゃいませんか。何が。僕の蟹が。蟹はどこへ行ったのだろうか。1:02am · 28 Jul 2019
20190807(水)18:49誰が救ってくれる? 蟹でさえ僕を救うことはできない。そんなことを蟹に言ったら悲しそうな顔をした。僕は、あ、しまったなと思って、でも君だって頑張ってくれてるし、まあ救われないなんてことはないかもしれないと付け加えたが蟹はますます悲しそうな顔をして、僕は途方に暮れてしまった。12:54am · 28 Jul 2019
20190807(水)18:49蟹がいる。ぐるぐる回っている。視界も文字も蟹も。僕は困っている。こんなに回っちゃ歩けない。ベッドに行こうと思っているのに。「蟹…」「ようお前さん、ぐるぐるから救われたいか」
「すく っ て」
しゃきん。世界が止まる。目の前の蟹が、まあ仲良くやろうや、人生は長いで、と言った。8:16pm · 27 Jul 2019
20190807(水)18:48小学一年生か。その頃にはもう蟹と暮らしていたな。蟹といるから人の学校ではなく蟹の学校に通った。友達もいっぱいできたけど、長じるにつれ皆人間を「選び」いなくなっていった。寂しがる僕に僕の蟹は自分がいるからいいじゃないかと言ったけど、パートナーと友達は別なんだよ。
今日も僕と蟹はアパートの一室で飲みながら昔の思い出話なんかをしている。けれどやはりあの頃は懐かしい。誰も誰かを選んでなんかいなかった、皆に蟹としての可能性が開けていたあの頃。そんな風に思うのは、僕が人間だからだろうか。そう蟹に尋ねると、ううむと唸って天井を見上げた。10:53pm · 25 Jul 2019
20190807(水)18:48時には昔の話をという歌があった。昔のアニメの歌、と言ってしまうとファンの方々からお叱りを受けるだろうが、昔の歌だ。僕の蟹はなぜかその歌が好きで、お盆が近づくと歌い出す。理由を訊いてみてもいやあと濁して答えない。王蟹降臨記念のこの時期に、僕の蟹は毎日歌を歌う。12:37am · 25 Jul 2019
20190807(水)18:47彼は蟹が好きだ。彼がいくら喋っても黙ってデスクトップにいてくれるからだ。蟹は彼を現実に繋ぎ止めるたったひとつのファクターで、そんな蟹を彼は愛している。蟹がいつからそこにいるのかは彼も知らない。ただその蟹が消えるとき彼自身も一緒に消えてしまうであろうことだけを知っている。11:06pm · 20 Jul 2019
20190721(日)18:57こんなところにまで蟹が登場し、なんと彼を助けてくれるという。作者は蟹の万能さに思いを馳せ、どうか彼が救われますようにと願った。
作者は一人しかいない、全ての主人公を一人で救うのは不可能だ。そんなときのための蟹。
気長にやろうぜと笑う蟹に、作者はほっと息を吐いた。10:58pm · 20 Jul 2019
20190721(日)18:57そして さくしゃとしゅじんこうは ふたりなかよく うどんをたべました。
つきがきれいな よるでした。
よるはまだまだつづくけど いまのここはあんぜんだから とさくしゃはいって しゅじんこうは だまってしずかに おちゃをのみました。12:47am · 19 Jul 2019
20190721(日)18:56追っています…必死に蟹を追っています! しかし蟹もさることながら、得意の岩潜り込み! これではロケットが近付けない! 搭乗者、迷っている! 迷っています! 蟹は動かない、蟹は動かない! あっと搭乗者、ロケットから降りた~~~! 無謀です! なんたる無謀! でもここは物語の世界だから無事!
搭乗者は岩をどけて蟹に手を伸ばす! ついに捕まるか、捕まってしまうのか~~~!? ササッ! すばやい! 別の岩の下に潜り込んだ~~~!!! 岩から岩へ、撹乱するかのように移動していく! おおっとここで搭乗者、目を回して倒れてしまった~~~!!! カンカンカン! 勝者、蟹~~~!!!!!