マイクロノベル

記事一覧

  • 10:17pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:57
    「今日こそアイスを買いに行くんだ!」「だめです22時」「いいじゃんかー」「よくない」「いいじゃ」「あなたの健康を守る蟹」「ウッ身体が! 横暴!」「と思った?」「アッそれはバリバリ君!」「用意してあります」「なんと」「明日は一緒に行きましょう」「バリバリ」「聞いちゃいない」
  • 10:06pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:57
    「イェーイ一生俺ポエミー」「ネタが古い上に混ざりすぎている」「いいじゃんか~詩的に生きたいんだよ俺は」「ポエミーなどと言い出してる時点で詩的に生きることを恐れている、もっと己に酔わねば」「蟹さ~あんた俺を救いたいのか背中押したいのかどっちなの」「両方だが?」「むむう」
  • 9:57pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:57
     お願いがしたかった。そんな夢を抱き続け。お願いができなかった。そんな現実を生き続けてきた。そうしてここまで来てしまった彼は今や一人。変えたいわけでもなく、救いを求めるわけでもない。ただぼんやりと夢を思って笑うだけ。昨日も一人、今日も一人。きっと明日も一人が続いている。
  • 9:50pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:56
     もはや蟹では救われぬ、その結論はあまりにも。それでも蟹が救えると、そう信じるのは間違いだろうか。あいつに俺は見えていない。見えているのに見えていない。失った世界の色はどうしてやれば戻るのだろうか。パートナーではなく協力者を求め、一匹の蟹は走り続ける。
  • 9:44pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:56
    「どうしてだ、蟹を信じれば救われるって、そう言ったじゃないですか」
    「信心が足りんのだよ。蟹は金を必要とする。全てを捧げる心のない者の前に蟹は現れぬ」
     蟹に選ばれた教祖、その座は磐石。蟹を求めて得られなかったと教団の誰が信じよう。
     世界を諦め絶望した彼は今日も蟹を説き続ける。
  • 9:36pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:55
     大事にしている物語。そんな言葉がふと浮かぶ。宙をかけるSF、幻獣と交流するファンタジー、愛を抱く物語。でも。物語は本当ではない、物語では救われない。そうですよね?
    「その通り。君を救えるのは」
    「蟹しかいない、わかっています」
     信じていれば救われる。だから今日も、待っている。
  • 9:24pm · 4 Aug 2019

    20190807(水)18:55
     削られる。好きなことをしているはずなのに罪悪感がじわじわ心を苛む。誰からも何も言われるはずがないのに削られていく。仰向けになったり横を向いてみたりして気分を変えようとする。それでも変わらない、削られていく。耐えられなくて、布団に潜り込んで、私はハリネズミになった。
  • 9:44pm · 3 Aug 2019

    20190807(水)18:55
    「うおおアイスがないと俺は生きていけないんだ!」「嘘乙」「嘘じゃない」「は?」「ねーアイス買いに行こう」「22時」「まだいける!」「あなたの健康を守る蟹」「ウッ身体が」「夜におやつはダメ」「横暴!」「と言いたいところでしたがここにダッツが」「神か?」「蟹でーす」「蟹よ!」
  • 9:32pm · 3 Aug 2019

    20190807(水)18:54
    「っべー大正時代に来ちまった」
     馬車走りガス灯が点き洋装和装入り乱れるそこは帝都。
    「浪漫! 文豪探そ」
     あちこちふらつき一高にも入ってみたが文豪は見つからない。
    「おかしい。山盛り文豪パラダイスじゃないのか。先生、文豪は幻でしょうか」
    「滅びるね」
    「えっ」
    「だって君の夢だからさ」
  • 9:47pm · 2 Aug 2019

    20190807(水)18:54
    #世界・神様・僕を使って文章を作ると性癖が出る
     蟹に選ばれたものは人と違う世界を生きる。それは神ですら例外ではない。蟹は真理、蟹は摂理。世界を決めるのは僕達蟹だがそれを自ら言うことはない。蟹ゆえに。