マイクロノベル
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10:39pm · 12 Jun 2020
20200704(土)22:20「概念の海老は希望を抱く者のところに現れパートナーとなり絶望を」「悪役じゃん!」「冗談だよぉ」「キャラがわかってないから冗談言われてもわからないよぉ…」「やっぱりエビも怖いじゃないか」「君はすぐそっちの話に持っていこうとする」「海老でーす!」「あーもー!」10:37pm · 12 Jun 2020
20200704(土)22:20「カニが怖い」「何、失礼だなぁ」「蟹じゃなくてカニだ」「君がやってるゲームのやつならエビだからね」「いやあれどう見てもカニだろ」「エビって書いてあったよ」「カニ!」「エビ!」「カニ!」「エビ!」「呼んだ?」「うわ誰だお前」「海老でーす」「概念の海老…存在してたのかぁ…」12:34am · 9 Jun 2020
20200704(土)22:20「メリイイイイチューズデイィィ!」「なんだよ蟹、夜中に大声出すなよ。それに全然めでたくないぞ」「めでたくない?」「全然めでたくない」「世の中には火曜日が休みの人もいるというのに」「それはそれ、これはこれ。俺は火曜日仕事なの」「人間の会社なんてやめちゃえば良いのに」「そういうわけにもいかない」「そもそも君が今人間の会社にいるのは何かの蟹的手違いなんだぞ」「まあ、そうかもな」「いかんな…早く蟹神社に行かないと…」「何をぶつぶつ言ってるんだ?」「なんでもないよ、早く寝な」「んー? まあいいか。おやすみ」「おやすみ」12:29am · 9 Jun 2020
20200704(土)22:19「火曜日になったのか」「そう、『なった』んだ。気分はどう?」「悪かないな」「なってみれば良いものだろ」「ああ、週の二日目というのが絶望感があって良い」「絶望感、それがないと僕たちのような概念は生きてけないからね」「違いない」「メリーチューズデイ、僕たちの今日に栄光あれ」9:56pm · 3 Jun 2020
20200704(土)22:19真夏の夜空に憧れていたのはそれを観る機会がなかったから。だのに、それを君と見た記憶が頭にずっとこびりついている。そんな記憶はないはずなのに、そう親しくもなかった君と夜空を見た記憶が焼き付いて消えてくれない。おかしいのだ。いつからか。今日もうなされる、一面の星空。9:51pm · 3 Jun 2020
20200704(土)22:18蟹ハンターを選ぶ遊び? そんな非人道的な遊びするわけないだろ。蟹だけど。選定は常に真剣、遊びなんてないのさ。蟹ハンターくんたちは誤解してるみたいだけど、概念はただ選ぶだけ、そこに感情が乗るってことそのものがもうバグなのさ。まあそういう僕もどうかな、ちょっと怪しいかもね。9:49pm · 3 Jun 2020
20200704(土)22:18蟹はどこだ? 俺を惑わした蟹は。蟹ハンターである俺が蟹に選ばれるなどありえない。そんなことがありえてたまるか。そう思う気持ちと、疲れた、もう休みたいと思う気持ちと、そんな気持ちはあるはずがない。蟹に惑わされているのだ。許すことはできない、根絶やしにせねば。蟹はどこだ、蟹…9:33pm · 3 Jun 2020
20200704(土)22:17再放送をしている。何をって、人生の。実際にしてるわけじゃない。頭の中で。人生の再放送は予告なしに突然始まり延々続く。通勤中、仕事中、休憩中、何をしていてもお構いなし。この前「再放送お断り」の札を作ってドアに貼ったのだが変な蟹が訪ねて来ただけだった。蟹は今も部屋にいる。9:29pm · 3 Jun 2020
20200704(土)22:17世の人々は蟹を探しているが俺はかまきりを探している。かまきりはその大鎌で絶望を捕らえ、食べてくれるという。伝説のかまきりを見た者はいない。ひょっとするとかまきりなんていないのかもしれない。それでも俺は探している。そうでなければ…そうでなければ? 今日も野原を辿っている。9:26pm · 3 Jun 2020
20200704(土)22:17蟹にさらわれて消えてしまった幼馴染みがいる。いや本当はいない。いたらこの蟹排斥のご時世強気に出られるなと思っただけだ。そんな自分の性格の悪さがほとほと嫌になるが、性分なので変えられない。変えようとして蟹を探したこともあるのだが、見つからなかった。ここまで極まってしまった人間に蟹は見つからないのかもしれない。でもひょっとすると絶望すれば見えるのかもしれない。希望でもない、絶望でもない、ふわふわした停滞の中で宙ぶらりんになっている限り蟹は見えないのか。それならどうすれば。
そんなことを考えていた俺の部屋のドアを蟹ハンターのスカウトが叩いたのは夏の始まりのことだった。
