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サバンナシリーズちょこっと解説

2021/04/26 23:06
 最近更新している短編『サバンナの夢』から始まる通称「サバンナシリーズ」の「わかる人にしかわからない」度が少し高すぎる気がしたので、解釈の一例として、言える範囲で若干の解説を記したいと思います。
 以下はあくまで私が提示する仮説の一つにすぎず、絶対の解釈ではないということをご念頭に置かれた上でお読みください。

 サバンナシリーズの『うさぎ、ライオン』内でも少し触れられていることではありますが、このシリーズの登場概念である「うさぎ」「ライオン」「俺」。それらには、過去である「うさぎ」、未来である「ライオン」、うさぎ・ライオンに囚われた現実という名の「俺」という図式が見られます。
 この三つの概念は非対称であり、非等価です。
 うさぎは死者でありそこまで力はなく、蘇ることもありませんが、「穴」として「俺」の「頭」を捕らえています。
 ライオンは不可視状態で、「俺」に少しずつにじり寄っているようだが実は近付いていないようにも思える……そのことが示す事実はライオンの示す未来が実は「まやかし」であり、不安と抑圧の集合体に過ぎないということです。
 不安と抑圧、だからこそ「俺」にはライオンを「見ないふりする」ことが求められます。なぜならそれを直視してしまうと「絶望して」しまうからです。
 「俺」はこれらの事実に心のどこかでは気付いているようですが、それでも過去と未来の力が強すぎてどこにも向かうことができない……そんな停滞した状態を描いているのがこの「サバンナシリーズ」であると言えるのかもしれません。
 現時点で言えることとしましてはこのようなものです。

 何度も申し上げますがこの解釈は絶対ではなく、あくまでたくさんある解釈の一つに過ぎませんので、そんな感じで捉えていただけますと幸いです。

 それでは、今後ともWkumoや作品群をどうぞ無理なくよろしくお願いいたします。

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