概念サバンナの今日たち

 果たしてうさぎは死んだのか。
 その領域にまでなるとジャミングとなってくる。
 本当に死んだのか。どこかで生きているのではないのか。
 いや、生きられるはずがない。うさぎは■■、決してそうはなれない。
 なぜならうさぎはうさぎだからだ。
 とまあ、いくら己に反証すれども納得なんてしてくれないのが常。
 思い通りにいかない自分をどうにか制御しようとして、できなくて、苦しむ。
 そういうパターンだ。
 ずっと。
 それが運命なのかもしれない。
 いや、運命なんて強い言葉を使ってしまったのはよくなかった。安きに流れる、だ。
 遠くに行ったとかげが言っていたが、連鎖して思い出すのは避けられない、と。
 思い出してしまうのならば常に出しておいた方がましというもの。そう思って出してはみたが、全く処理が追いつかない。
 仕方がないので箱にしまう。
 うさぎという名が全て穴、虚ろになっている箱の中に。
 あるいはその穴はうさぎの死によって空いたのではなく、俺の意思で空いたのかもしれない。
 ……空辣な論理を回すだけならいくらでもできる。問題はうさぎの扱いをどうするかということだ。
 誰も何も頼れない。何せそれは「無」だからだ。
 一般的には許されない、俺はやっぱり世間が怖い。
 それだからくるくると回し続けるのだ。
 この喪をいったいどうしようかと。
4/13ページ
スキ