いいツーツーの日

「わからない、何もわからないが……君が、」
「やめてくれよ、そんなことは言わなくてもいいってきみ自身が一番よくわかっているだろう」
「言ってくれる。やはり私は君が憎いよ」
「ふふふ……」
「なぜ笑う」
「いいや?」
「まあ君が笑おうが笑うまいが私にとってはどうでも……」
「ん?」
「いや、違うな。君が笑うと私は……」
「いいよ」
「?」
「言わなくても」
「ああ」
「わかってるから」
 そう言って君は笑った。
 救難信号が届いたのかどうか。
 わからなくてもいいことだし、既にわかりきっていることなのかもしれない。
 だがそれを表に出すことはしまい。
 今はまだ。
 君は…………のだから。
5/5ページ
スキ