短編小説

「遭難したわけじゃないけど遭難した気分だよ」
「そうなん?」
「ノーコメント」
「会心のギャグだったのに」
「友人のメンタルが危機っぽいときにギャグを言う奴がいるか」
「ここにいるぞ!」
「遭難! した! 気分! なの!」
「なんで?」
「いやだってさぁ蟹がさぁ」
「そいえば今日蟹連れてないね、どしたの」
「なんか用事があるとかで……」
「邪魔な蟹もいないことだしこの機会にどうですか二人で海でも」
「ゑ?」
「とか言うと思った?」
「びっくりするからやめてそういうの」
「びっくりしただけか……」
「何か言った?」
「なんでもない」

(5月拍手2『蟹のいぬ間』)
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