短編小説

 窓が凍っている。
 凍結と融解を繰り返し、汚れてしまったその窓。
 掃除しようとは思わない。
 四六時中カーテンは閉めっぱなし、綺麗にしようがしまいが同じことだ。
 だけど時々ふとした瞬間外を見ようとカーテンを上げて、窓が汚れてしまっていると気付く。
 それだけ。
 それだけだ。
 ため息一つつき、カーテンをまた閉める。
 そういえばお腹が空いている。
 冷蔵庫には何もない。
 ベッドの下から携帯食料を一つ取り出し、もそもそと齧る。
 今夜も窓は凍るのだろう。

(1月拍手『凍結』)
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