いいツーツーの日

 きみ。
 そう、きみだよ。
 探し出すのに苦労した。これまで何をしてたんだい?
 いや、やめよう。
 僕が君のことを気にするなんて、君は求めていないだろうから。
 そう、きみ。
 大丈夫だよって言ってもすぐにどこかに行ってしまう。相変わらずだね。
 きみが僕のことをどう思ってたって、僕はどうでもいいさ。きみだってわかってると思ったんだけどね。不安になっちゃうなんて、きみらしい。
 いつかこんな日が来るんじゃないかって、そりゃ思ってたさ。きみはくるくるした生き物だからね。
 不安だったかって? いいや。そうなったらそのときのことだって思ってた。今日だって、今だって、それなりの対処をしただけで、嘆き悲しんだなんてそんなことはないんだよ。
 知っているよ、僕だって。きみが何を考えているかくらいは。
 「それならどうして」?
 愚問だね。僕ときみが一緒にいることは決まっているのさ。
 なぜだって? さあね。
 誰が決めたって? そりゃあ、僕だよ。僕しかいないだろう。
 期待とか、感情とか、そんなこと考えたって仕方がないのさ。僕ときみとの間では。ただ存在している、それだけなんだから。
 「そんなことが許されるのか」?
 そんなこと聞いてどうするんだい。許されないと意味がない?
 意味なんてないのさ。ただ在るだけ。そういう存在だろ。僕たちなんて、人間なんて。
 納得できない顔をしてるね。言いたいことがありそうだ。
 「意味がないと許されない」?
 はは。じゃあこうしようか、きみには確かに意味があるって、僕が言ったらどうする?
 やっぱりそうやって逃げようとする。怖いんだろう。知ってるよ。だけどね……きみは逃げられない。残念だったね、僕は執念深いんだ。きみがどこに逃げても僕はきみの側に「在る」んだよ。
 怯えて、怯えて、生きていけばいい。
 僕はずっと見ているから。
 睨まないでよ。笑ってしまう。
 それでもきみは……いや、やめておこう。
 僕はそういう奴なんだよ。
 これからもよろしく。
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