救出編
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「くくく・・・ははは・・・成功だ! やったぞ、遂にやった!!」
突如海上に現れた巨大な指輪のような形をしたものに囲まれた建物を見てアレクセイは高らかに笑った
「あれこそ、古代文明が生み出した究極の遺産、ザウデ不落宮!! かつて世界を見舞った災厄をも打ち砕いたと言う究極の魔導器!」
「魔導器!? あれが・・・」
「誰もいないとこでやってくれ。聞いてて恥ずかしいぜ」
アレクセイは一息吐き、満足げに言う
「・・・ショーは終わりだ。幕引きをするとしよう。姫、一人ずつお仲間の首を落として差し上げるが良い」
「! てめえ・・・」
冷たい目でユーリ達を流すように見つめ、エステルの光の結界を解き、振り返える
「姫も君達がわざわざ此処に来たりしなげれば、こんな事をせずに済んだものを。我に返った時の姫の事を思うと心が痛むよ。では、ごきげんよう・・・」
アレクセイは紳士のように言いお辞儀をすると身を翻した
「待てってんだ、アレクセイ!」
それを見たユーリはエステルの剣を払い除け、アレクセイの方へと走って行くが既に風に包まれ、そこにアレクセイの姿はなかった
94.エステル救出
「! エステル・・・やめて・・・!」
向こうからリタがエステルに向かって叫んでいる声が聞こえる
オレはエステルが振り翳した剣を払い除け、体制を立て直すとエステルも体制を立て直しまた剣を振り翳す
「っ・・・だぁ!」
オレはその剣を受け止めると、ゆっくりとエステルの口が動いた
「これ以上・・・誰かを傷つける前に・・・お願い・・・」
そしてエステルは
「殺して」
またあの言葉を呟いた
言うとエステルは勢い良くオレを弾き飛ばし、オレはカロル達がいる前まで押された
「今・・・楽にしてやる」
「ユーリ・・・」
「「ユーリ!」」
静かに告げた言葉にジュディ、カロル、リタが反応する
「「・・・・」」
おっさんとパティは静かにオレの様子を見ていた
(こっからはオレ一人が戦 る事だ・・・)
目を細めてエステルの構えを見て、同時に動いた
互いに剣を振り翳しては、はね除け、また振るう
「一体お前は何やってんだよ!」
「わたし・・・わ、たし・・・いやぁ・・もう・・・もう!!」
「こんな所で本当に死ぬつもりかよ! 死んでも良いのか!」
戦いながらオレは必死にエステルに訴え掛ける
まだオレの声は聞こえているみたいだ
「いやあああああああ」
だが、やっぱり力が制御出来ないのか剣を振るい続ける
「オレの目を見ろ! エステル!!」
「ぅ・・・あぅ・・・ああああ!!!」
「っ!!」
エステルは悲鳴を上げると、力が暴走してオレは飛ばされる
「目ぇ覚ませ! エステル!!」
「やあああああぁ!!」
更に力を発し、その力はオレ達に当たり、その隙を狙ってエステルは剣を振り翳した
「っ!!」
何とかその剣を受け止めると、ポケットから何か音が聞こえた
(何だ?)
「・・・!」
ポケットに入ってる物の事を思い出しそれを手に取る
それは少し前に別れたリアから預かったものだった
「ユーリ!」
呼ばれユーリはリアの所まで行くとあるものを渡された
「これ、持って行って」
「これは?」
それはピンクの花の形をしたブローチのような物だった
「・・・ブローチ?」
「役に立つはずだから・・・」
何かを確信したような目をしているリアを見てユーリはそれを受け取りみんなの所へ行ったのだった
(・・・一か八かだ)
リアの真剣な目と言葉を信じ、そのブローチを大きく掲げた
「エステル!」
「・・・っ!!」
途端、エステルの反応が変わった
「・・それ、は・・・」
エステルはそのブローチを見て、構えていた剣と盾を降ろした
「っ・・止まった?」
後ろでオレ達の様子を見ていたカロルが小さく呟いた
けど、これでまだ終わりじゃねえ、
止めるなら、今しかねえ
オレはエステルの前に移動して、ゆっくりとエステルを見て言葉を発した
「帰って来い、エステル!」
「!?」
「お前はそのまま、道具として死ぬつもりか!?」
オレの言葉にエステルは反応して震えだし、持っている剣にもその振動が伝わる
「ハァ・・ッ・・ァ・・」
カラン
何度か反応を見せていると、エステルの手から剣が滑り落ち肩をふるふると震わせる
剣が落ちたのを見てカロル達は揃って目を少しだけ見開いて息を呑んだ
そしてエステルの体が光に包まれていく
「わた・・・」
徐々にエステルの目に涙が浮かび上がる
「わたしは・・・」
目を閉じると同時に涙が頬を伝って落ち、エステルの目に光が宿り、エステルの頭上に光の粒子が飛び散った
そして、
「わたしはまだ、人として生きていたい!!」
エステルは叫ぶと、集まっていた光の粒子は空に勢いよく舞い上がり、帝都全体に広がる
その光の粒子は次第にエアルの暴走を抑え、紫色に染まっていた空はだんだんと元の色へと変化していった
「はぁ・・・はぁ・・・」
「は・・・く・・・」
エステルは力を使い過ぎたのか、そのままその場に座り込み、みんな互いに息を吐いた
「やった、エステル、目が覚めたんだね!」
「待って、システムが!?」
喜んでるのも束の間、エステルの周囲にオレンジ色の球体が現れ、それがエステルを包み込んだ
「アレクセイの剣が要だったんだわ。このままでは・・・!」
「うう・・・ああ!!」
エステルが叫んだ途端、今度はオレンジの光が放たれる
「うわぁ!」
「ぐぅぅっ!」
「駄目・・もう止まらない・・。みんな逃げて・・!!」
「大丈夫だ、仲間を信じろ!!」
「あいつのシステムが使えるかも・・・!」
リタはそう言って、エステルが閉じ込められている球体のプログラムを開いた
「すごい・・。エステルとの同調も完璧。干渉術式不活性化調整データ、余剰エアル隔離術式も揃ってる・・! でも、肝心の聖核の代わりをどうしたら・・」
「この剣使ったらどうだ!? アレクセイが使ってたヤツの本物だろ!?」
リタは少しだけ考えた後、プログラムと閉じて頷いてオレ達を見る
「・・・やってみる!」
「手伝うわ。流れを読み取るから」
「ボクも!」
「手伝うのじゃ」
「くぅ、融通の利かない体だぜ・・・」
「みんな、もう・・」
その様子を横目で見ていると、エステルが苦しそうに言うのが聞こえオレはエステルの前に移動する
「言ったろ。信じろって。凛々の明星はやるときゃやる。そんな顔するなって」
「・・・・はい!」
エステルはゆっくりとオレに顔を向けると、にこりと笑って答えた
リタ指示でそれぞれ球体の周りに集まり、オレはエステルの前に立った
「ユーリ! 剣を!」
「っしゃあ!」
リタの合図でオレは宙の戒典を使い、エステルを閉じ込めている球体を攻撃する
だが、徐々に身体が重くなっていくような感じがした
それでもエステルを助けたいと言うオレ達の思いが強くそれに応えるように宙の戒典が反応し、エステルを閉じ込めている球体に当たった
そしてエステルを閉じ込めていた球体はなくなり、エステルはそのままゆっくりと倒れ込み、エステルを支えるように抱きしめその場に座り込んだ
「やったあ!!」「成功なのじゃ!」
そしてオレはゆっくりと言葉を継げた
「・・・・おかえり」
「・・・ただいま」
オレの言葉に答えるとエステルはぎゅっとオレの服を掴んだ
*
「・・・終わった、んだね」
「ああ・・・」
外の景色と城の中の空気が変わった事に気付いたリアはぽつりとそう呟いた
「エステルもユーリ達も、みんな無事だよ」
遠視をしてユーリ達の様子を見たアスラがリアを安心させるようにそう言ってくれた
「良かっ・・た・・・」
「! リア!」
安堵した途端リアはまた倒れてしまった
「・・・安心して気が緩んだんだな」
「ああ。このまま寝かせてやろうぜ」
隣にいたフキがリアを受け止め、安堵した顔をしているリアを見てセイ達は微笑んでリアをベッドに運んで寝かせてあげた
続く
あとがき
やっとエステル救出出来た!
リアちゃんもエステルも何とか無事で良かったね!
でもまだ救出編は終わりじゃないですよ
ある意味こっからが本番ですからねww
さ、次回はいよいよザウデに乗り込むぞ~!!
2011.05.03
突如海上に現れた巨大な指輪のような形をしたものに囲まれた建物を見てアレクセイは高らかに笑った
「あれこそ、古代文明が生み出した究極の遺産、ザウデ不落宮!! かつて世界を見舞った災厄をも打ち砕いたと言う究極の魔導器!」
「魔導器!? あれが・・・」
「誰もいないとこでやってくれ。聞いてて恥ずかしいぜ」
アレクセイは一息吐き、満足げに言う
「・・・ショーは終わりだ。幕引きをするとしよう。姫、一人ずつお仲間の首を落として差し上げるが良い」
「! てめえ・・・」
冷たい目でユーリ達を流すように見つめ、エステルの光の結界を解き、振り返える
「姫も君達がわざわざ此処に来たりしなげれば、こんな事をせずに済んだものを。我に返った時の姫の事を思うと心が痛むよ。では、ごきげんよう・・・」
アレクセイは紳士のように言いお辞儀をすると身を翻した
「待てってんだ、アレクセイ!」
それを見たユーリはエステルの剣を払い除け、アレクセイの方へと走って行くが既に風に包まれ、そこにアレクセイの姿はなかった
94.エステル救出
「! エステル・・・やめて・・・!」
向こうからリタがエステルに向かって叫んでいる声が聞こえる
オレはエステルが振り翳した剣を払い除け、体制を立て直すとエステルも体制を立て直しまた剣を振り翳す
「っ・・・だぁ!」
オレはその剣を受け止めると、ゆっくりとエステルの口が動いた
「これ以上・・・誰かを傷つける前に・・・お願い・・・」
そしてエステルは
「殺して」
またあの言葉を呟いた
言うとエステルは勢い良くオレを弾き飛ばし、オレはカロル達がいる前まで押された
「今・・・楽にしてやる」
「ユーリ・・・」
「「ユーリ!」」
静かに告げた言葉にジュディ、カロル、リタが反応する
「「・・・・」」
おっさんとパティは静かにオレの様子を見ていた
(こっからはオレ一人が
目を細めてエステルの構えを見て、同時に動いた
互いに剣を振り翳しては、はね除け、また振るう
「一体お前は何やってんだよ!」
「わたし・・・わ、たし・・・いやぁ・・もう・・・もう!!」
「こんな所で本当に死ぬつもりかよ! 死んでも良いのか!」
戦いながらオレは必死にエステルに訴え掛ける
まだオレの声は聞こえているみたいだ
「いやあああああああ」
だが、やっぱり力が制御出来ないのか剣を振るい続ける
「オレの目を見ろ! エステル!!」
「ぅ・・・あぅ・・・ああああ!!!」
「っ!!」
エステルは悲鳴を上げると、力が暴走してオレは飛ばされる
「目ぇ覚ませ! エステル!!」
「やあああああぁ!!」
更に力を発し、その力はオレ達に当たり、その隙を狙ってエステルは剣を振り翳した
「っ!!」
何とかその剣を受け止めると、ポケットから何か音が聞こえた
(何だ?)
「・・・!」
ポケットに入ってる物の事を思い出しそれを手に取る
それは少し前に別れたリアから預かったものだった
「ユーリ!」
呼ばれユーリはリアの所まで行くとあるものを渡された
「これ、持って行って」
「これは?」
それはピンクの花の形をしたブローチのような物だった
「・・・ブローチ?」
「役に立つはずだから・・・」
何かを確信したような目をしているリアを見てユーリはそれを受け取りみんなの所へ行ったのだった
(・・・一か八かだ)
リアの真剣な目と言葉を信じ、そのブローチを大きく掲げた
「エステル!」
「・・・っ!!」
途端、エステルの反応が変わった
「・・それ、は・・・」
エステルはそのブローチを見て、構えていた剣と盾を降ろした
「っ・・止まった?」
後ろでオレ達の様子を見ていたカロルが小さく呟いた
けど、これでまだ終わりじゃねえ、
止めるなら、今しかねえ
オレはエステルの前に移動して、ゆっくりとエステルを見て言葉を発した
「帰って来い、エステル!」
「!?」
「お前はそのまま、道具として死ぬつもりか!?」
オレの言葉にエステルは反応して震えだし、持っている剣にもその振動が伝わる
「ハァ・・ッ・・ァ・・」
カラン
何度か反応を見せていると、エステルの手から剣が滑り落ち肩をふるふると震わせる
剣が落ちたのを見てカロル達は揃って目を少しだけ見開いて息を呑んだ
そしてエステルの体が光に包まれていく
「わた・・・」
徐々にエステルの目に涙が浮かび上がる
「わたしは・・・」
目を閉じると同時に涙が頬を伝って落ち、エステルの目に光が宿り、エステルの頭上に光の粒子が飛び散った
そして、
「わたしはまだ、人として生きていたい!!」
エステルは叫ぶと、集まっていた光の粒子は空に勢いよく舞い上がり、帝都全体に広がる
その光の粒子は次第にエアルの暴走を抑え、紫色に染まっていた空はだんだんと元の色へと変化していった
「はぁ・・・はぁ・・・」
「は・・・く・・・」
エステルは力を使い過ぎたのか、そのままその場に座り込み、みんな互いに息を吐いた
「やった、エステル、目が覚めたんだね!」
「待って、システムが!?」
喜んでるのも束の間、エステルの周囲にオレンジ色の球体が現れ、それがエステルを包み込んだ
「アレクセイの剣が要だったんだわ。このままでは・・・!」
「うう・・・ああ!!」
エステルが叫んだ途端、今度はオレンジの光が放たれる
「うわぁ!」
「ぐぅぅっ!」
「駄目・・もう止まらない・・。みんな逃げて・・!!」
「大丈夫だ、仲間を信じろ!!」
「あいつのシステムが使えるかも・・・!」
リタはそう言って、エステルが閉じ込められている球体のプログラムを開いた
「すごい・・。エステルとの同調も完璧。干渉術式不活性化調整データ、余剰エアル隔離術式も揃ってる・・! でも、肝心の聖核の代わりをどうしたら・・」
「この剣使ったらどうだ!? アレクセイが使ってたヤツの本物だろ!?」
リタは少しだけ考えた後、プログラムと閉じて頷いてオレ達を見る
「・・・やってみる!」
「手伝うわ。流れを読み取るから」
「ボクも!」
「手伝うのじゃ」
「くぅ、融通の利かない体だぜ・・・」
「みんな、もう・・」
その様子を横目で見ていると、エステルが苦しそうに言うのが聞こえオレはエステルの前に移動する
「言ったろ。信じろって。凛々の明星はやるときゃやる。そんな顔するなって」
「・・・・はい!」
エステルはゆっくりとオレに顔を向けると、にこりと笑って答えた
リタ指示でそれぞれ球体の周りに集まり、オレはエステルの前に立った
「ユーリ! 剣を!」
「っしゃあ!」
リタの合図でオレは宙の戒典を使い、エステルを閉じ込めている球体を攻撃する
だが、徐々に身体が重くなっていくような感じがした
それでもエステルを助けたいと言うオレ達の思いが強くそれに応えるように宙の戒典が反応し、エステルを閉じ込めている球体に当たった
そしてエステルを閉じ込めていた球体はなくなり、エステルはそのままゆっくりと倒れ込み、エステルを支えるように抱きしめその場に座り込んだ
「やったあ!!」「成功なのじゃ!」
そしてオレはゆっくりと言葉を継げた
「・・・・おかえり」
「・・・ただいま」
オレの言葉に答えるとエステルはぎゅっとオレの服を掴んだ
*
「・・・終わった、んだね」
「ああ・・・」
外の景色と城の中の空気が変わった事に気付いたリアはぽつりとそう呟いた
「エステルもユーリ達も、みんな無事だよ」
遠視をしてユーリ達の様子を見たアスラがリアを安心させるようにそう言ってくれた
「良かっ・・た・・・」
「! リア!」
安堵した途端リアはまた倒れてしまった
「・・・安心して気が緩んだんだな」
「ああ。このまま寝かせてやろうぜ」
隣にいたフキがリアを受け止め、安堵した顔をしているリアを見てセイ達は微笑んでリアをベッドに運んで寝かせてあげた
続く
あとがき
やっとエステル救出出来た!
リアちゃんもエステルも何とか無事で良かったね!
でもまだ救出編は終わりじゃないですよ
ある意味こっからが本番ですからねww
さ、次回はいよいよザウデに乗り込むぞ~!!
2011.05.03