救出編
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「騎士団じゃねえか。帝都に攻め込むとこか」
デイドン砦と帝都を繋ぐ道を歩いていると騎士団が布陣しているのが見え、ユーリ達は足を止めた
「でも足踏みしてるみたい。何か遭ったのかしら?」
彼等の様子を見たジュディスの言う通り、少しだけざわついていた
「そうだ、ねえ、ユーリ、フレンが一緒に来てくれたら心強いんじゃない?」
「騎士団率いてるんでしょ。あたし等と来るのは無理なんじゃないの?」
「ユーリ! セイ! みんな!」
そう声が聞こえ振り向くと、フレンがユーリ達の所に歩いて来ていた
「良かった、無事だったんだな」
「そっちもな」
「エステリーゼ様とリアは・・・まだザーフィアスなんだな」
「ああ。今の所はまだ、な。そっちは何やってんだ、こんなとこで」
「親衛隊がこの先に布陣している。出方を見る為に送った偵察隊が戻るのを待っているんだ」
「隊長、今はあまり彼等と話す時間は・・・」
「心配ご無用。長居するつもりはねえよ」
「君達も帝都に行くんだね」
「ああ」
「・・・・」
「・・・」
フレンの視線に気付いたセイは小さく頷きフレンはそのままユーリへと視線を移す
「・・・少しだけ二人で話しがしたい。良いかい?」
「隊長!」
「大丈夫だ、直ぐ戻るよ。何か動きがあれば報せてくれ。行こう」
言うとユーリとフレンはそのまま少し離れた場所へと歩いて行った
「ヨーデル殿下とセイから何が起きているのか、おおよその話は聞いた。エステリーゼ様の能力の事もね。万が一の場合、君は・・・」
「おいおい、そうならないようにオレ達は行くんだぜ」
「分っている。僕が言っているのは最悪の場合の話しだ」
「オレはもう選んだんだぜ。忘れたのか?」
「そう、だったね」
ユーリの言葉を聞き、フレンは少しだけ言葉に詰まる
「オレは腹を括った。その上で望みを拾いに行くんだ。お前はどうする」
「ずっと考えていた。法とは何か、罪とは何か。良いものと悪いものの境は何処にあるのかと。さんざん考えて、出て来たのははっきりした線引きは出来ない、という分りきった答えだけだ。法が必要だという思いは今でも変わらない。それでも君を悪だと呼ぶ気にはなれない。だからせめてこれ以上、繰り返さずにすむような世の中を作りたいと思った。・・・それなのに、今またこんな事になるなんて」
それはエステルの事と、ユーリとフレン、セイやアスラ達にとって大切な存在であるリアの事も含め、と言う意味も込められていた
「なら一緒に行くか? どうせ帝都はエアルだらけで騎士団は入る事が出来ねえはずだ。オレ等となら、全員は無理でも多少はなんとかなるかもしれねえぜ」
ユーリはそれを読み取り、言って宙の戒典を一瞥するとフレンもちらりと見てユーリへ視線を戻す
「宙の戒典か」
「正直、この先どうなるかは分らねえ。だからどうするか自分で決めてくれ」
「僕は・・・」
ユーリの言葉にフレンは少しだけ視線を落として何か言おうとしていると、鎧の音が近付いて来た
「失礼します! 敵陣から戦闘機械の大群が出現! 物凄い数です!!」
「!」「なんだって!?」
ユーリとフレンは顔を見合わせ急いでセイ達の所に戻った
「あ、ユーリ! 大変だよ!」
「・・・まだあれだけの戦力を隠していたのか」
「あれを突破するのは少々骨が折れそうね」
「いやー流石にキツイっしょ。帝都に辿り着く頃にはこっちもボロボロよ」
「何も真正面から挑む必要はないだろ。パティ、何処か回り込めそうな所は見えないか」
ずっと双眼鏡を覗いているパティに声を掛けると
「うーん・・・何処見ても敵だらけ、これはちょっと無理そうなのじゃ」
「帝都は直ぐ其処なのに・・・」
戦闘機械が動き出し、フレン隊へと近付いて来る
「う、動き出したぞ!」
「おい、砦まで撤退した方が良いんじゃないか」
「隊長・・・」
騎士達からざわめく声が聞こえソディアは不安そうな目をしてフレンを見ると、フレンは少し考えた後ユーリの前に移動する
「ユーリ、帝都に行くのはアレクセイを止める為、そして・・・リアとエステリーゼ様を『救う』為だね?」
「・・・ああ」
「なら・・・例えどんな結果になろうと僕はそれが最善だと信じる」
「お前・・・」
「行ってくれ」
「フレン・・」
言うとフレンはユーリ、セイ、アスラを見て、騎士達の所へ歩いて行き
「騎士団諸君!!」
馬に乗って自身の剣を抜き掲げる
「目の前に敵の大部隊、そしてその背後にはアレクセイが控えている。容易い相手だとは言わない。逃げたくなるのも無理はない」
そして皆の方へ剣を向け告げる
「しかし思い出して欲しい。僕等が成すべき事を! 僕等の後ろにあるものを!」
フレンは強い眼差しを騎士団に向ける
「僕等は騎士だ。その剣で市民を護る騎士だ! 誰にも強制はしない。だけどもし志を同じくする者がいるなら、この一戦、共に戦おう!」
そう告げ剣を宙に掲げると、騎士達も雄叫びを上げ、自身の獲物を宙に掲げた
「フレン、凄いや・・・」
フレンの様子を見てカロルがぽつりと呟き、ユーリ、セイ、アスラは小さく微笑んでいた
「帝国騎士団、前進!」
フレンの合図と共に騎士達は雄叫びを上げ戦闘機械に向かって行った
「行こうぜ、帝都だ」
「俺達は俺達の成すべき事をしに、な」
「「うん」」「「ええ」」「おう」「じゃの」「ワン!」
91.光と影 -light and dark-
帝都に辿り着いたオレ達だったが、帝都は結界には覆われていたが街の中には魔物が入り込んでいて植物も異常な程に伸びていてケーブ・モックん時みたいになっていた
オレは下町の様子が気になっていたが、リアとエステルを助け出す事を優先し、何とか城に着く事が出来た
城の中に入るとエアルがなかった
どうやらエステルの力をこんな事にまで使っているらしい
「セイ、リアとエステルの居場所分かるんだよな?」
「ああ。けど、城にはまだ親衛隊が残ってる。見つからないように行くぞ」
「・・・止まれ」
城に入りセイを先頭にして歩いているとある一室の前でセイが止まった
「え、な、何?」
すると、ドアの向こうから人の気配がしオレ達は警戒を強め、扉の両サイドに分かれた
「「「だあああああ!!」」」
「むっ!?」
そしてドアが開き出て来た連中は壁に激突した
「あだだだだだだだ!」
オレはその連中に視線を向けると、それはお馴染みのルブランとデコとボコだった
「なんだぁ・・・?」
「ユーリ!? ユーリか!」
オレ達は呆気に取られていると聞き覚えのある声が聞こえた
「!? ハンクスじいさん!?」
そしてその後に出て来たのは、ハンクスじいさんだった
とりあえず此処にいると他の騎士に見つかる可能性もあるからオレ達は食堂の中へ入った
食堂の中に入ると、下町のみんながいた
「じいさん、みんな! 無事だったのか!」
「そりゃこっちのセリフじゃ」
「なんで城の中になんて居んだよ!?」
「ほんと、それにお前等まで」
レイヴンはルブラン達を見てそう言うと、ルブラン達は姿勢を正し、ルブランが口を開く
「はっ、それがその、フレン殿の命令で市民の避難を誘導していたのでありますが、その・・・ふと下町の住民の姿が見えない事に気が付きまして。命令にはなかったんでありますが、つまりその・・・」
「出口は崩れるわ、おかしな靄は迫るは、危ないとこじゃった。何とか騎士殿の助けで靄のない此処に逃げ込めた。命の恩人じゃよ」
「め、命令違反の罰は受けます!」
「我々も同罪なのであーる!」「我々も同罪なのだ!」
「罰も何も、俺ただのおっさんだからねぇ。それに市民を護るのは騎士の本分っしょ? ・・・良くやったな」
「・・・こっ光栄であります! シュヴァ・・・レイヴン隊長殿!」
「隊長ゆーな。俺様はただのレイヴンよ」
「はっ! 失礼しました。ただのレイヴン殿ォ!」
ルブランはガキが泣くように手を目に上に乗せそう言うと、おっさんははあーと大きな溜息を吐いて頭に手を当てた
「尊敬されてるのね」
「ほんと、想像つかないわ」
「見かけによらないもんじゃの」
「良かったね、ユーリ」
「フッ、しぶとい奴等だっての忘れてた。心配するだけ無駄だったわ。つか、セイ、お前知ってて止まったんだろ?」
「当たり前だろ。お前の心配事減らさねえとこれから困るだろ」
「確かに・・・。でもセイも心配だったんでしょ?」
「まあな。ちゃんと確かめてなかったからな」
「セイ? もしかしてお前さん、あのセイか?」
ハンクスじいさんの言葉にみんな一斉にセイを見る
「ああ。みんな久しぶりだな」
「セイ! 久しぶり!!」
「元気だったか?」
「ああ」
「相変わらずふらついてんのか?」
「ふらついてるって・・・仕事だっての!」
「セイ、おかえりぃ~!」
「セイ、旅のお話聞かせてよぉ~」
「お! お前等、暫く見ない間にデカくなったな」
下町のみんなは久しぶりに会ったセイを見て、嬉しそうな顔をしてセイの周りに集まった
「こっちの青年も大人気ね」
「二年位帰ってなかったからね」
「久しぶりに会えて嬉しいのよ」
「うん、セイも下町の人達も嬉しそうな顔してる」
「みんな楽しそうなのじゃ」
「ええ」
「お前等、元団長閣下を見なかったか?」
おっさんはまだ泣きじゃくるルブラン達に訪ねるとルブラン達はまた姿勢を正した
「はっ、いえ我々は見ておりません。ただ外で親衛隊の話し声で、何やら御剣の階梯の事を」
「御剣の階梯?」
「うちらが吹っ飛ばされた、あの高ーい高いアレよ」
「まだそこにいるって事ね」
「煙と極悪人は高い所に昇りたがるんじゃな」
「問題は、御剣の階梯ってえらーい人しか入れないのよね。仕掛けがあんの」
「仕掛けならボクが外す! 術式ならリタがいる。分からない事はセイとアスラとフキに聞けば、大丈夫だよ!」
「ああ」「うん」
カロルの言葉にセイ達が頷き、オレも返事を返してじいさんを見た
「だな。じいさん、あんた等はこのまま此処で隠れててくれ。行くぜ!」
そう言ってオレは勢い良く扉を開け、御剣の階梯を目指し出した
*
「・・・エステル・・・」
あの光景から戻って来てもう数時間は経った
だけど未だにエステルのあの言葉が耳から離れない
信じたくない、と言うのが正直な所
それでもあの光景とあの言葉が何度も蘇る
「っ・・・。・・ユーリ達、大丈夫かな」
頭を振り、次に思ったのはあの時暴走したエアルで吹き飛ばされてしまったユーリ達の事だった
あの時の言葉はユーリ達にも聞こえていたと思う
ユーリの表情が微かにだけど変わっていたから・・・
「もし、・・あのままエステルの力が制御出来なくなっちゃったら・・ユーリは、エステルを・・・」
あの中でエステルの言葉を実行するのはいつも損な役回りを引き受けているユーリだろう
ユーリは誰よりも仲間思いで、真っ直ぐな人だから
「でも、そうさせないようにするのも、エステルを助けるのも凛々の明星の役目。 ・・・そうだよね、ユーリ」
小さく頭を振った後、私は宙を見上げてそう呟いた
続く
あとがき
フレンの名シーンキターーー!!
ゲームやった時は此処はホント魅入ったよ!
ユーリとフレンの友情も再確認した所でもありましたよね
だからタイトルがこれなんですけどねww
そしていよいよザーフィアス城にも乗り込み、架橋へと入ってきたのでリアちゃんもそろそろ登場させないとと思い最後は意味深で終わらせました
・・・この後からちょっとでも替えていけるように頑張りますよっ!!
2011.05.01
デイドン砦と帝都を繋ぐ道を歩いていると騎士団が布陣しているのが見え、ユーリ達は足を止めた
「でも足踏みしてるみたい。何か遭ったのかしら?」
彼等の様子を見たジュディスの言う通り、少しだけざわついていた
「そうだ、ねえ、ユーリ、フレンが一緒に来てくれたら心強いんじゃない?」
「騎士団率いてるんでしょ。あたし等と来るのは無理なんじゃないの?」
「ユーリ! セイ! みんな!」
そう声が聞こえ振り向くと、フレンがユーリ達の所に歩いて来ていた
「良かった、無事だったんだな」
「そっちもな」
「エステリーゼ様とリアは・・・まだザーフィアスなんだな」
「ああ。今の所はまだ、な。そっちは何やってんだ、こんなとこで」
「親衛隊がこの先に布陣している。出方を見る為に送った偵察隊が戻るのを待っているんだ」
「隊長、今はあまり彼等と話す時間は・・・」
「心配ご無用。長居するつもりはねえよ」
「君達も帝都に行くんだね」
「ああ」
「・・・・」
「・・・」
フレンの視線に気付いたセイは小さく頷きフレンはそのままユーリへと視線を移す
「・・・少しだけ二人で話しがしたい。良いかい?」
「隊長!」
「大丈夫だ、直ぐ戻るよ。何か動きがあれば報せてくれ。行こう」
言うとユーリとフレンはそのまま少し離れた場所へと歩いて行った
「ヨーデル殿下とセイから何が起きているのか、おおよその話は聞いた。エステリーゼ様の能力の事もね。万が一の場合、君は・・・」
「おいおい、そうならないようにオレ達は行くんだぜ」
「分っている。僕が言っているのは最悪の場合の話しだ」
「オレはもう選んだんだぜ。忘れたのか?」
「そう、だったね」
ユーリの言葉を聞き、フレンは少しだけ言葉に詰まる
「オレは腹を括った。その上で望みを拾いに行くんだ。お前はどうする」
「ずっと考えていた。法とは何か、罪とは何か。良いものと悪いものの境は何処にあるのかと。さんざん考えて、出て来たのははっきりした線引きは出来ない、という分りきった答えだけだ。法が必要だという思いは今でも変わらない。それでも君を悪だと呼ぶ気にはなれない。だからせめてこれ以上、繰り返さずにすむような世の中を作りたいと思った。・・・それなのに、今またこんな事になるなんて」
それはエステルの事と、ユーリとフレン、セイやアスラ達にとって大切な存在であるリアの事も含め、と言う意味も込められていた
「なら一緒に行くか? どうせ帝都はエアルだらけで騎士団は入る事が出来ねえはずだ。オレ等となら、全員は無理でも多少はなんとかなるかもしれねえぜ」
ユーリはそれを読み取り、言って宙の戒典を一瞥するとフレンもちらりと見てユーリへ視線を戻す
「宙の戒典か」
「正直、この先どうなるかは分らねえ。だからどうするか自分で決めてくれ」
「僕は・・・」
ユーリの言葉にフレンは少しだけ視線を落として何か言おうとしていると、鎧の音が近付いて来た
「失礼します! 敵陣から戦闘機械の大群が出現! 物凄い数です!!」
「!」「なんだって!?」
ユーリとフレンは顔を見合わせ急いでセイ達の所に戻った
「あ、ユーリ! 大変だよ!」
「・・・まだあれだけの戦力を隠していたのか」
「あれを突破するのは少々骨が折れそうね」
「いやー流石にキツイっしょ。帝都に辿り着く頃にはこっちもボロボロよ」
「何も真正面から挑む必要はないだろ。パティ、何処か回り込めそうな所は見えないか」
ずっと双眼鏡を覗いているパティに声を掛けると
「うーん・・・何処見ても敵だらけ、これはちょっと無理そうなのじゃ」
「帝都は直ぐ其処なのに・・・」
戦闘機械が動き出し、フレン隊へと近付いて来る
「う、動き出したぞ!」
「おい、砦まで撤退した方が良いんじゃないか」
「隊長・・・」
騎士達からざわめく声が聞こえソディアは不安そうな目をしてフレンを見ると、フレンは少し考えた後ユーリの前に移動する
「ユーリ、帝都に行くのはアレクセイを止める為、そして・・・リアとエステリーゼ様を『救う』為だね?」
「・・・ああ」
「なら・・・例えどんな結果になろうと僕はそれが最善だと信じる」
「お前・・・」
「行ってくれ」
「フレン・・」
言うとフレンはユーリ、セイ、アスラを見て、騎士達の所へ歩いて行き
「騎士団諸君!!」
馬に乗って自身の剣を抜き掲げる
「目の前に敵の大部隊、そしてその背後にはアレクセイが控えている。容易い相手だとは言わない。逃げたくなるのも無理はない」
そして皆の方へ剣を向け告げる
「しかし思い出して欲しい。僕等が成すべき事を! 僕等の後ろにあるものを!」
フレンは強い眼差しを騎士団に向ける
「僕等は騎士だ。その剣で市民を護る騎士だ! 誰にも強制はしない。だけどもし志を同じくする者がいるなら、この一戦、共に戦おう!」
そう告げ剣を宙に掲げると、騎士達も雄叫びを上げ、自身の獲物を宙に掲げた
「フレン、凄いや・・・」
フレンの様子を見てカロルがぽつりと呟き、ユーリ、セイ、アスラは小さく微笑んでいた
「帝国騎士団、前進!」
フレンの合図と共に騎士達は雄叫びを上げ戦闘機械に向かって行った
「行こうぜ、帝都だ」
「俺達は俺達の成すべき事をしに、な」
「「うん」」「「ええ」」「おう」「じゃの」「ワン!」
91.光と影 -light and dark-
帝都に辿り着いたオレ達だったが、帝都は結界には覆われていたが街の中には魔物が入り込んでいて植物も異常な程に伸びていてケーブ・モックん時みたいになっていた
オレは下町の様子が気になっていたが、リアとエステルを助け出す事を優先し、何とか城に着く事が出来た
城の中に入るとエアルがなかった
どうやらエステルの力をこんな事にまで使っているらしい
「セイ、リアとエステルの居場所分かるんだよな?」
「ああ。けど、城にはまだ親衛隊が残ってる。見つからないように行くぞ」
「・・・止まれ」
城に入りセイを先頭にして歩いているとある一室の前でセイが止まった
「え、な、何?」
すると、ドアの向こうから人の気配がしオレ達は警戒を強め、扉の両サイドに分かれた
「「「だあああああ!!」」」
「むっ!?」
そしてドアが開き出て来た連中は壁に激突した
「あだだだだだだだ!」
オレはその連中に視線を向けると、それはお馴染みのルブランとデコとボコだった
「なんだぁ・・・?」
「ユーリ!? ユーリか!」
オレ達は呆気に取られていると聞き覚えのある声が聞こえた
「!? ハンクスじいさん!?」
そしてその後に出て来たのは、ハンクスじいさんだった
とりあえず此処にいると他の騎士に見つかる可能性もあるからオレ達は食堂の中へ入った
食堂の中に入ると、下町のみんながいた
「じいさん、みんな! 無事だったのか!」
「そりゃこっちのセリフじゃ」
「なんで城の中になんて居んだよ!?」
「ほんと、それにお前等まで」
レイヴンはルブラン達を見てそう言うと、ルブラン達は姿勢を正し、ルブランが口を開く
「はっ、それがその、フレン殿の命令で市民の避難を誘導していたのでありますが、その・・・ふと下町の住民の姿が見えない事に気が付きまして。命令にはなかったんでありますが、つまりその・・・」
「出口は崩れるわ、おかしな靄は迫るは、危ないとこじゃった。何とか騎士殿の助けで靄のない此処に逃げ込めた。命の恩人じゃよ」
「め、命令違反の罰は受けます!」
「我々も同罪なのであーる!」「我々も同罪なのだ!」
「罰も何も、俺ただのおっさんだからねぇ。それに市民を護るのは騎士の本分っしょ? ・・・良くやったな」
「・・・こっ光栄であります! シュヴァ・・・レイヴン隊長殿!」
「隊長ゆーな。俺様はただのレイヴンよ」
「はっ! 失礼しました。ただのレイヴン殿ォ!」
ルブランはガキが泣くように手を目に上に乗せそう言うと、おっさんははあーと大きな溜息を吐いて頭に手を当てた
「尊敬されてるのね」
「ほんと、想像つかないわ」
「見かけによらないもんじゃの」
「良かったね、ユーリ」
「フッ、しぶとい奴等だっての忘れてた。心配するだけ無駄だったわ。つか、セイ、お前知ってて止まったんだろ?」
「当たり前だろ。お前の心配事減らさねえとこれから困るだろ」
「確かに・・・。でもセイも心配だったんでしょ?」
「まあな。ちゃんと確かめてなかったからな」
「セイ? もしかしてお前さん、あのセイか?」
ハンクスじいさんの言葉にみんな一斉にセイを見る
「ああ。みんな久しぶりだな」
「セイ! 久しぶり!!」
「元気だったか?」
「ああ」
「相変わらずふらついてんのか?」
「ふらついてるって・・・仕事だっての!」
「セイ、おかえりぃ~!」
「セイ、旅のお話聞かせてよぉ~」
「お! お前等、暫く見ない間にデカくなったな」
下町のみんなは久しぶりに会ったセイを見て、嬉しそうな顔をしてセイの周りに集まった
「こっちの青年も大人気ね」
「二年位帰ってなかったからね」
「久しぶりに会えて嬉しいのよ」
「うん、セイも下町の人達も嬉しそうな顔してる」
「みんな楽しそうなのじゃ」
「ええ」
「お前等、元団長閣下を見なかったか?」
おっさんはまだ泣きじゃくるルブラン達に訪ねるとルブラン達はまた姿勢を正した
「はっ、いえ我々は見ておりません。ただ外で親衛隊の話し声で、何やら御剣の階梯の事を」
「御剣の階梯?」
「うちらが吹っ飛ばされた、あの高ーい高いアレよ」
「まだそこにいるって事ね」
「煙と極悪人は高い所に昇りたがるんじゃな」
「問題は、御剣の階梯ってえらーい人しか入れないのよね。仕掛けがあんの」
「仕掛けならボクが外す! 術式ならリタがいる。分からない事はセイとアスラとフキに聞けば、大丈夫だよ!」
「ああ」「うん」
カロルの言葉にセイ達が頷き、オレも返事を返してじいさんを見た
「だな。じいさん、あんた等はこのまま此処で隠れててくれ。行くぜ!」
そう言ってオレは勢い良く扉を開け、御剣の階梯を目指し出した
*
「・・・エステル・・・」
あの光景から戻って来てもう数時間は経った
だけど未だにエステルのあの言葉が耳から離れない
信じたくない、と言うのが正直な所
それでもあの光景とあの言葉が何度も蘇る
「っ・・・。・・ユーリ達、大丈夫かな」
頭を振り、次に思ったのはあの時暴走したエアルで吹き飛ばされてしまったユーリ達の事だった
あの時の言葉はユーリ達にも聞こえていたと思う
ユーリの表情が微かにだけど変わっていたから・・・
「もし、・・あのままエステルの力が制御出来なくなっちゃったら・・ユーリは、エステルを・・・」
あの中でエステルの言葉を実行するのはいつも損な役回りを引き受けているユーリだろう
ユーリは誰よりも仲間思いで、真っ直ぐな人だから
「でも、そうさせないようにするのも、エステルを助けるのも凛々の明星の役目。 ・・・そうだよね、ユーリ」
小さく頭を振った後、私は宙を見上げてそう呟いた
続く
あとがき
フレンの名シーンキターーー!!
ゲームやった時は此処はホント魅入ったよ!
ユーリとフレンの友情も再確認した所でもありましたよね
だからタイトルがこれなんですけどねww
そしていよいよザーフィアス城にも乗り込み、架橋へと入ってきたのでリアちゃんもそろそろ登場させないとと思い最後は意味深で終わらせました
・・・この後からちょっとでも替えていけるように頑張りますよっ!!
2011.05.01