救出編
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ノール港でティグルに帝都への往き道を教えて貰い、ユーリ達はゾフェル氷刃海と言う所へやって来た
「ううう、うううう、寒い寒い寒い」
着くなりレイヴンががたがたと震え、寒いと繰り返す
「おっさん、ウザイ」
「年寄りは体温高くないのよ。あー、砂漠の暑さが懐かしいわ」
「無駄口叩いてるとこけるぞ・・・って言ってる側から」
それを見てユーリが注意をしようとしていると、カロルが転んでレイヴンを巻き込んでしまい二人とも転けてしまう
「あたー、しゃんとしてよ。年寄りは繊細なんだから」
「・・・ご、ごめん」
「しかしすげぇ所だな。不思議っつーか不気味っつーか。氷から剣が生えてんぞ」
「あちこちにあるわよ。なんなのよ此処!?」
「昔の海賊と帝国が争った名残なのじゃ」
「ん? そ、そう言や、なんかそんなの、き、聞いた事あるな」
「良く知ってるな、そんな事」
「・・・アイフリードの事を調べてた時に収集した情報なのじゃ」
「刃のように冷たいから氷刃海。 ・・・と思ってたけど、こういう事なのね」
「ボクも名前は知ってたけど来たのは初めてだよ」
「刃のように冷たいってのも間違ってないとは思うなあ。ううううさぶさぶ」
「ウウウワンワンワン!!」
「なにどうしたのよ・・・って、ひゃあ!!」
「「!」」「おわ!」
途端ユーリ達の居る流氷の下を大きな魔物が泳いで行った
「ちょっ、なに今の!?」
「大きい・・・。まさか始祖の隷長!?」
「・・・違うわね。知性が感じられないもの」
「って事は魔物でしょ!? 襲って来られたら大変だよ」
「バイトジョーなのじゃ。背骨がガチガチのピカピカで、とっても丈夫な体の魔物なのじゃ」
「ほっときゃ襲って来ないだろ。相手にすんなって。行くぞ」
「カロル、行くよ」
「あ、うん!」
俯いて着いてこないカロルにアスラが声を掛けると急いでユーリ達の跡を追い駆けた
88.凛々の明星の首領
「ねえ、あの魔物、何か着いて来てるんだけど・・・」
カロルの言葉に流氷の下を見ると確かに先程の魔物、バイトジョーが着いて来ていた
「ほっとけって。気にしてたらキリないぞ」
「そそ、寒いんだからこんな所早く出ましょ~」
「おっさん、そればっかりなのじゃ」
「ほら、あいつどっか行ったよ」
流氷の下を見ると確かにもう自分達の近くにはいなかった
「はあ・・これで安心・・・うわわっ!?」
安堵していると急にカロルが悲鳴を上げ前を見ると、目の前の流氷が砕けた
どうやらあの魔物が体当たりをした所為で砕けてしまったようだ
「他の道捜しましょ」
「そうね行きましょう」
「ワン」
暫く進むが、何度か同じ事が繰り返され、ユーリ達は用心して先へと進んで行く
「おろ、なんだこりゃ。どっかで見たような・・・」
中央部と思われる所までやってくると緑色の結晶があった
「エアルクレーネだ」
「こんな所にもあったんだな」
「でもエアルが出てないわね。枯れた跡なのかしら?」
「その割にこの辺りは荒廃してないみたいだけど」
「! みんな気を付けて!」
ジュディスとアスラとラピードが何かに気付きそこを見ると少し先の流氷の下にバイトジョーがいた
「うわ、ま、また出た!」
「大丈夫っしょ。此処岩の上よ」
「!?」
そう思っているとバイトジョーは海から上がり、宙を舞った
「あらま」
バイトジョーが吠えると、突然エアルクレーネが活性化し、ユーリ達は身動きが取れなくなってしまった
「!」
「エアルクレーネが!?」
「やべえ!」
ユーリは咄嗟にカロルを突き飛ばして逃がした
「うわ、ユ、ユーリ!?」
「くっ・・・!」「っ・・・!」
「・・・まさかエアルクレーネを狩りに使う魔物がいるなんて」
「うちとした事が・・・こんなの、知らんかったのじゃ・・・」
「っ、カロル、逃げて!」
「そ、そんな! みんな食べられちゃうよ!」
「一人で勝てる相手じゃねえだろうが!」
「でも!! ひっ・・・!!」
カロルを牽制するとカロルは悲鳴を上げ更に身動きが取れなくなる
それを見てバイトジョーはユーリ達をじっと狙っている
「っ、・・・!」
エアルクレーネから大量のエアルが放出され、更に身動きが取れなくなり息苦しさも増している
「ボクがやらなきゃ・・・今やらなきゃ・・・」
そう声が聞こえカロルの方を見ると、カロルがハンマーを握り締めていた
「!」
「カロル!!」
「今やらなくていつやるんだぁ!! ・・・やああああ!!」
バイトジョーが自分の方に向いた事を確認するとカロルはハンマーを振り翳す
そしてバイトジョーはそのままカロルへと襲い掛かって来た
上手くその一撃を交わし、腹の部分に一撃を与える
「もう一げ・・・、わあああ!」
次の攻撃を仕掛けようとしたが相手の方が動きが速く、避けようとしていると足場を滑らせて後ろへと転がり落ちてしまった
「ち、ちょっと油断したかな」
体制を立て直すとカロルはまたバイトジョーへと攻撃を仕掛けて行く
再び戦闘が始まり少しダメージを与える事が出来たがやはり自分と同じ背丈の獲物を持っているカロルの方が動きが遅くなっている為、その隙を突かれまた後方へと転がり落ちてしまう
「ぐ・・・え・・・。だ、大丈夫、こんなの、へっちゃらだ!」
だがカロルはめげる事なく直ぐに立ち上がり体制を整える
「み、みんなを守るんだ。逃げるもんか・・・!」
誰に言う訳でもなく自分に言い聞かせるように、強い眼差しでカロルは言う
「・・カロル・・・」
その言葉はアスラにははっきりと聞こえていた
一歩、また一歩と踏み出していき隙を突いて攻撃をする
それが何度か繰り返され、カロルが荒い息を吐いたのを見てバイトジョーは尾でカロルのハンマーを弾き飛ばしそのまま遠くへと飛ばされてしまう
「カロル! もう無茶はやめなさい!」
「見てられねぇ! 頼むから逃げろ!」
「それ以上やったら、死んでしまうのじゃ・・・!」
その光景を見ていたユーリ達も耐えきれずカロルに逃げろと訴えるがカロルは荒い息を吐きながら言う
「だ、大丈夫だから・・・」
「大丈夫な訳ないじゃない!」
「大丈夫なんだよ。だって、みんながいるもん」
「カロル・・・お前・・・」
「ボクの後ろにはみんながいるから。ボクがどんだけやられても、ボクに負けはないんだ」
「動けよ、くそ! このままじゃガキんちょが・・・」
カロルは正面にいるバイトジョーを見据える
そして自分とバイトジョーの間の流氷に突き刺さっている剣を見つめる
「・・・。っ!」
息を整え強い眼差しをしカロルはその剣を目掛けて走り出し、バイトジョーもカロルへと向かって行く
流氷と境目でカロルは手を伸ばしジャンプをした
その隙を狙ってバイトジョーはカロルに思いっきり体当たりをすると、カロルは宙へと舞った
「カロル!!」
「! あれは!?」「! ・・・あの子」
「ボクの勝ちだ!!」
カロルの手には流氷に突き刺さっていたあの長剣が握られていた
そして宙で体制を整え、カロルはバイトジョーの頭上に剣を突き立てた
一撃を与えるとエアルの放出が収まり、自由になったユーリ達は急いでカロルの元へ向かった
「まったくとんでもない事する少年だねえ。生きてるかぁ?」
「みんな!」
「悪ぃ。ちょっと道が混んでてな。いけるか?」
「も、勿論だよ!」
「よし、食らった分、倍返しにしてやろうぜ!」
「やったのじゃ!」
あれから数分してやっとバイトジョーを倒す事が出来た
「一人であんな無茶してバカ・・・」
リタがカロルに向かって怒鳴ろうとしているとカロルはそのまま倒れてしまった
「カロル!」
「カロル! おい! カロル!!」
「おい! しっかりしろガキんちょ!」
「・・・大丈夫、安心して気が緩んだのね。気を失ってるだけ」
「ったく・・・エステルとリア助けに行くのにあんたが先にやられちゃったらどうすんのよ」
「ま、そういいなさんな。男には勝負時ってのがあるのよ。お陰で助かったわ」
「ああ。カロルがいなかったら、オレ達今頃あいつの胃の中だ」
「ワン!」
「勝負時・・・」
「そうそう、どうしても逃げたらいかん時ってやつがね。誰でも一度はそういう時があるもんよ」
「さ、じゃあ早く此処を抜けよう。弱ってるカロルにはツライはずだよ」
「ええ」
「ありがとうな。首領」
「格好良かったわ」
皆、ユーリに支えられているカロルへ視線を向け感謝の微笑みを送った
続く
あとがき
氷刃海もといカロル先生の見せ場~!!
ほんとに此処のカロル先生は格好良かったです!!
此処で惚れ直した人は多かったはず!!
ホントに彼は良い男&首領になるよ!!
次回はこの後からになります
久々にあの人が登場です!
2011.05.01
「ううう、うううう、寒い寒い寒い」
着くなりレイヴンががたがたと震え、寒いと繰り返す
「おっさん、ウザイ」
「年寄りは体温高くないのよ。あー、砂漠の暑さが懐かしいわ」
「無駄口叩いてるとこけるぞ・・・って言ってる側から」
それを見てユーリが注意をしようとしていると、カロルが転んでレイヴンを巻き込んでしまい二人とも転けてしまう
「あたー、しゃんとしてよ。年寄りは繊細なんだから」
「・・・ご、ごめん」
「しかしすげぇ所だな。不思議っつーか不気味っつーか。氷から剣が生えてんぞ」
「あちこちにあるわよ。なんなのよ此処!?」
「昔の海賊と帝国が争った名残なのじゃ」
「ん? そ、そう言や、なんかそんなの、き、聞いた事あるな」
「良く知ってるな、そんな事」
「・・・アイフリードの事を調べてた時に収集した情報なのじゃ」
「刃のように冷たいから氷刃海。 ・・・と思ってたけど、こういう事なのね」
「ボクも名前は知ってたけど来たのは初めてだよ」
「刃のように冷たいってのも間違ってないとは思うなあ。ううううさぶさぶ」
「ウウウワンワンワン!!」
「なにどうしたのよ・・・って、ひゃあ!!」
「「!」」「おわ!」
途端ユーリ達の居る流氷の下を大きな魔物が泳いで行った
「ちょっ、なに今の!?」
「大きい・・・。まさか始祖の隷長!?」
「・・・違うわね。知性が感じられないもの」
「って事は魔物でしょ!? 襲って来られたら大変だよ」
「バイトジョーなのじゃ。背骨がガチガチのピカピカで、とっても丈夫な体の魔物なのじゃ」
「ほっときゃ襲って来ないだろ。相手にすんなって。行くぞ」
「カロル、行くよ」
「あ、うん!」
俯いて着いてこないカロルにアスラが声を掛けると急いでユーリ達の跡を追い駆けた
88.凛々の明星の首領
「ねえ、あの魔物、何か着いて来てるんだけど・・・」
カロルの言葉に流氷の下を見ると確かに先程の魔物、バイトジョーが着いて来ていた
「ほっとけって。気にしてたらキリないぞ」
「そそ、寒いんだからこんな所早く出ましょ~」
「おっさん、そればっかりなのじゃ」
「ほら、あいつどっか行ったよ」
流氷の下を見ると確かにもう自分達の近くにはいなかった
「はあ・・これで安心・・・うわわっ!?」
安堵していると急にカロルが悲鳴を上げ前を見ると、目の前の流氷が砕けた
どうやらあの魔物が体当たりをした所為で砕けてしまったようだ
「他の道捜しましょ」
「そうね行きましょう」
「ワン」
暫く進むが、何度か同じ事が繰り返され、ユーリ達は用心して先へと進んで行く
「おろ、なんだこりゃ。どっかで見たような・・・」
中央部と思われる所までやってくると緑色の結晶があった
「エアルクレーネだ」
「こんな所にもあったんだな」
「でもエアルが出てないわね。枯れた跡なのかしら?」
「その割にこの辺りは荒廃してないみたいだけど」
「! みんな気を付けて!」
ジュディスとアスラとラピードが何かに気付きそこを見ると少し先の流氷の下にバイトジョーがいた
「うわ、ま、また出た!」
「大丈夫っしょ。此処岩の上よ」
「!?」
そう思っているとバイトジョーは海から上がり、宙を舞った
「あらま」
バイトジョーが吠えると、突然エアルクレーネが活性化し、ユーリ達は身動きが取れなくなってしまった
「!」
「エアルクレーネが!?」
「やべえ!」
ユーリは咄嗟にカロルを突き飛ばして逃がした
「うわ、ユ、ユーリ!?」
「くっ・・・!」「っ・・・!」
「・・・まさかエアルクレーネを狩りに使う魔物がいるなんて」
「うちとした事が・・・こんなの、知らんかったのじゃ・・・」
「っ、カロル、逃げて!」
「そ、そんな! みんな食べられちゃうよ!」
「一人で勝てる相手じゃねえだろうが!」
「でも!! ひっ・・・!!」
カロルを牽制するとカロルは悲鳴を上げ更に身動きが取れなくなる
それを見てバイトジョーはユーリ達をじっと狙っている
「っ、・・・!」
エアルクレーネから大量のエアルが放出され、更に身動きが取れなくなり息苦しさも増している
「ボクがやらなきゃ・・・今やらなきゃ・・・」
そう声が聞こえカロルの方を見ると、カロルがハンマーを握り締めていた
「!」
「カロル!!」
「今やらなくていつやるんだぁ!! ・・・やああああ!!」
バイトジョーが自分の方に向いた事を確認するとカロルはハンマーを振り翳す
そしてバイトジョーはそのままカロルへと襲い掛かって来た
上手くその一撃を交わし、腹の部分に一撃を与える
「もう一げ・・・、わあああ!」
次の攻撃を仕掛けようとしたが相手の方が動きが速く、避けようとしていると足場を滑らせて後ろへと転がり落ちてしまった
「ち、ちょっと油断したかな」
体制を立て直すとカロルはまたバイトジョーへと攻撃を仕掛けて行く
再び戦闘が始まり少しダメージを与える事が出来たがやはり自分と同じ背丈の獲物を持っているカロルの方が動きが遅くなっている為、その隙を突かれまた後方へと転がり落ちてしまう
「ぐ・・・え・・・。だ、大丈夫、こんなの、へっちゃらだ!」
だがカロルはめげる事なく直ぐに立ち上がり体制を整える
「み、みんなを守るんだ。逃げるもんか・・・!」
誰に言う訳でもなく自分に言い聞かせるように、強い眼差しでカロルは言う
「・・カロル・・・」
その言葉はアスラにははっきりと聞こえていた
一歩、また一歩と踏み出していき隙を突いて攻撃をする
それが何度か繰り返され、カロルが荒い息を吐いたのを見てバイトジョーは尾でカロルのハンマーを弾き飛ばしそのまま遠くへと飛ばされてしまう
「カロル! もう無茶はやめなさい!」
「見てられねぇ! 頼むから逃げろ!」
「それ以上やったら、死んでしまうのじゃ・・・!」
その光景を見ていたユーリ達も耐えきれずカロルに逃げろと訴えるがカロルは荒い息を吐きながら言う
「だ、大丈夫だから・・・」
「大丈夫な訳ないじゃない!」
「大丈夫なんだよ。だって、みんながいるもん」
「カロル・・・お前・・・」
「ボクの後ろにはみんながいるから。ボクがどんだけやられても、ボクに負けはないんだ」
「動けよ、くそ! このままじゃガキんちょが・・・」
カロルは正面にいるバイトジョーを見据える
そして自分とバイトジョーの間の流氷に突き刺さっている剣を見つめる
「・・・。っ!」
息を整え強い眼差しをしカロルはその剣を目掛けて走り出し、バイトジョーもカロルへと向かって行く
流氷と境目でカロルは手を伸ばしジャンプをした
その隙を狙ってバイトジョーはカロルに思いっきり体当たりをすると、カロルは宙へと舞った
「カロル!!」
「! あれは!?」「! ・・・あの子」
「ボクの勝ちだ!!」
カロルの手には流氷に突き刺さっていたあの長剣が握られていた
そして宙で体制を整え、カロルはバイトジョーの頭上に剣を突き立てた
一撃を与えるとエアルの放出が収まり、自由になったユーリ達は急いでカロルの元へ向かった
「まったくとんでもない事する少年だねえ。生きてるかぁ?」
「みんな!」
「悪ぃ。ちょっと道が混んでてな。いけるか?」
「も、勿論だよ!」
「よし、食らった分、倍返しにしてやろうぜ!」
「やったのじゃ!」
あれから数分してやっとバイトジョーを倒す事が出来た
「一人であんな無茶してバカ・・・」
リタがカロルに向かって怒鳴ろうとしているとカロルはそのまま倒れてしまった
「カロル!」
「カロル! おい! カロル!!」
「おい! しっかりしろガキんちょ!」
「・・・大丈夫、安心して気が緩んだのね。気を失ってるだけ」
「ったく・・・エステルとリア助けに行くのにあんたが先にやられちゃったらどうすんのよ」
「ま、そういいなさんな。男には勝負時ってのがあるのよ。お陰で助かったわ」
「ああ。カロルがいなかったら、オレ達今頃あいつの胃の中だ」
「ワン!」
「勝負時・・・」
「そうそう、どうしても逃げたらいかん時ってやつがね。誰でも一度はそういう時があるもんよ」
「さ、じゃあ早く此処を抜けよう。弱ってるカロルにはツライはずだよ」
「ええ」
「ありがとうな。首領」
「格好良かったわ」
皆、ユーリに支えられているカロルへ視線を向け感謝の微笑みを送った
続く
あとがき
氷刃海もといカロル先生の見せ場~!!
ほんとに此処のカロル先生は格好良かったです!!
此処で惚れ直した人は多かったはず!!
ホントに彼は良い男&首領になるよ!!
次回はこの後からになります
久々にあの人が登場です!
2011.05.01