救出編
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帝都に向かったヘラクレスの後を追ったユーリ達は、海を渡っているヘラクレスを見つけた
だが海面からヘラクレスに近付いたり正面から行けば砲撃されてしまうと判断し、上空からなら狙われる心配はないと思い様子を伺うと一カ所だけ砲撃されていない場所があった
そこでユーリ達はそのまま砲撃されていない場所、左後方へ上空から飛び移った
「死ぬかと思ったよ・・・」
「衛兵が倒されている・・・」
「だから此処だけ弾幕が薄かったのか」
「誰?」
ジュディスの声に皆警戒を強めると通路の向こうから見覚えのある人物が出て来た
「まったく無計画な連中だな。強行突破しか策がないのか」
「その通りであ~る」
「此処で会ったが100年目なのだ!」
出て来たのはルブラン達だった
「また出たの? あんた等しつこすぎ!」
「・・・シュヴァーン隊か。あんな事が遭ったってのにまだアレクセイに就くのか?」
「我等は騎士の誇りに従って行動するのみ!」
「・・・もうボク達の邪魔しないでよ!」
「そうよ! あんた等の顔見てると思い出したくない顔が浮かんでくるのよ!」
「どんな顔なんだろうなぁ。よっぽど非道い顔のヤツなのね」
その聞き覚えのある声が聞こえアデコールとボッコスの後ろを見るとそこには
「レイヴン・・・!」
レイヴンがいた
「!」
「「レイヴン!」」「おっさん!」「あなた・・・!」
「驚いたのじゃ・・・」
「おう。レイヴン様参上よ」
そう言ってレイヴンは宙返りをして親指をグッと立ててユーリ達を見た
「なになに? 感動の再会に心いっぱい胸がどきどき?」
「おっさん、何しに来た?」
「冷たいお言葉ね・・・」
いつものように軽い口調で言うとユーリが冷静に返し、レイヴンは弓を構えユーリ達を狙って来た騎士目掛けて矢を放った
「おう、お前等! 此処は任せるぜ」
「はっ!」「「了解であります!」」
レイヴンの言葉を聞くとルブラン達は先に向かって行き、そのままユーリ達の方に向き合った
「ま、こういうワケ」
「レイヴン・・・」
「そういう事でよろしく頼むわ」
「な、何言ってんのよ! 信用出来るわけ・・・ないでしょ!」
「おっさん、自分が何やったか忘れたとは言わせねぇぜ」
「そっか。なら、サクっと殺っちゃってくれや」
言うとレイヴンはユーリ短剣を投げて渡し、ユーリはそれを受け取った
「ばっ! なんのつもりよ!」
「命が惜しかった訳じゃないはずなのに何でかこうなっちまった。此処でお前等に殺られっちまうのならそれはそれ」
「アレクセイに刃向かった今、いずれ魔導器を止められてしまって命はない。だから此処で死んでも同じ・・・そう言う事?」
「俺はもう死んだ身なんよ」
「その死んじまったヤツが何で此処に来たんだ? レイヴン、あんた、ケジメを付けに来たんだろ。じゃあ凛々の明星の掟に従ってケジメを付けさせてもらうぜ」
レイヴンは溜息を吐きながら肩を落とし、ユーリはレイヴンを見据えたままゆっくりとレイヴンの所に歩いて行く
そしてレイヴンの前に行き右手を翳し、そのまま殴った
「って~」
「あんたの命、凛々の明星が貰った。生きるも死ぬもオレ達次第」
ユーリはそう言いながら短剣を投げ捨て、向きを変えてカロルを見る
「こんなとこでどうだ? カロル先生」
「えへへ、流石ユーリ。ばっちりだよ」
カロルの返事を聞くとユーリは先に歩き出した
そしてカロルがレイヴンの所に歩いて来てジャンプをしてレイヴンの頭を殴った
「あだ!」
「とりあえずこれが罰ね」
カロルはそう言い爽やかに歩いていき、蹲っているレイヴンの前にジュディスが止まった
そして片手を出して立たせてあげる体制を取っていた
「ありがと、ジュディスちゃん」
レイヴンはジュディスの手を取って立ち上がると、ジュディスはニコリと笑ってレイヴンの頬を殴った
「ぶへっ」
ジュディスは何も言わずそのまま立ち去り、レイヴンは頬を抑えて座り込むと次にレイヴンの前に来たのはリタだったが、立ち上がったレイヴンを見てリタは直ぐに拳を握りレイヴンの腹目掛けて左ストレートを入れた
「はぐっ!!」
レイヴンはそのまま後ろの壁に当たってしまい、リタは手をパンパンと叩き爽やかな顔をしてレイヴンを見て告げた
「せっかくだからあたしもぶっとくわ」
そう言うとリタもそのまますたすたと歩いて行き、レイヴンは壁に手を置いて崩れ落ちそうになっていた
「おごっ!」
「うちもやっとくのじゃ」
そして次に勢いをつけてパティがヒップアタックをし、パティもすたすたと歩いて行きレイヴンはまた崩れ落ちそうになっていた
「まだ終わりじゃないよ?」
「へ? ぐほぉっ!」
いつの間にか元の姿に戻ったアスラがそう言うと、アスラは鳩尾の少し下辺りを殴った
「・・・ひ、ひどい・・・」
最後のアスラの一発が見事に決まり、レイヴンは今度こそ崩れ落ちてしまった
「・・・アスラ、容赦ないねι」
「そりゃ一番頭に来てるのはアスラじゃろうからな」
「レイヴン。アレクセイのヤツが何処にいるか解るか?」
「うう・・・。制御室だと思う・・・」
「じゃ、行きましょ」
「ああ」
「勝手に死んじゃダメだからね。レイヴン!」
そしてみんな満面の笑みを向けて、先に歩いて行く
「良くご無事で」
「へ? ん、ああ、ルブラン達のお陰でどうにかね。みっともない話しさ」
「本当に貴方だったんですね」
レイヴンはフレンの手を取り立ち上がってフレンを見た
「お前さんにも悪い事したな。殴られも文句は言わんよ」
言うとフレンは首を横に振って答えた
「・・・自分も騎士団長に従い続けた身ですから」
「そか。そんじゃま、団長閣下に世話になったモン同士、落とし前付けに行くとするかね」
「はい」
84.夜想曲
「・・・ア、・・・リア!!」
「・・・」
近くで誰かが私の名前を呼んでいる気がした
「リア、・・・リア、しっかりして下さい!」
「・・・っ・・、? エス、・・テル・・・?」
その声に聞き覚えがあり、ぽつりと呟き瞼をゆっくりと開け顔を上げた
「良かった・・・。目を覚ましてくれて・・・」
エステルの安堵した声が聞こえ、まだ虚ろな状態の中エステルの方へ顔を向けた
どうやら私もエステルも術式紋様が刻まれた光結界のようなものの中に閉じ込められていた
「リア、大丈夫です? 何処か痛みます?」
「ちょっとだけ頭と背中が痛いかな・・・」
光結界を見て気絶する前の事を思い返しているとエステルの心配そうな声が聞こえ、痛みやエステルの表情を見て驚くと言うより微笑していた
「それより此処は・・・?」
辺りを見るとヘラクレスの中と比べると殺風景ではなく、立派な家具などもあり一目で何処か立派な部屋の一室にいるのだと解った
「此処はザーフィアス城の貴族が住んでいる部屋の一室です」
「ザーフィアス!? でもアレクセイは確かバクティオン神殿に向かうって・・・」
「・・・・・」
「エステル?」
その言葉を聞いた途端、エステルはツラそうな顔をして俯いた
「バクティオン神殿には行きました・・・。そこでアレクセイがわたしの、満月の子の力を使ってアスタルを・・・・っ・・!」
その時の事を思い出したのかエステルは肩を振るわせ途中で言葉が途絶えたが、エステルの様子を見てアスタルがどうなったのか解ってしまった
「・・・ツラい思いをさせちゃったね・・」
エステルの頭を優しく撫でてやりたかったが光結界の所為でそれが出来ないから言葉に乗せて励ますとエステルはでも、と言って顔を上げた
「でも、わたしより、ユーリとフレンの方がもっとツライ顔をしてました」
「ユーリとフレン?」
思いもしなかった人物の名前が出てきて首を傾げるとエステルは顔を上げて私を見て言った
「わたしを助けに来た時、フレンもユーリとみんなと一緒でした。その時にアレクセイがリアの事を少しだけ話したらユーリとフレンが怒りを露わにしてとてもツラそうな顔をしていたんです」
「・・・・」
実際にその場を見てないけど何となくその時のユーリとフレンの様子が浮かんだ
(きっと、今はユーリとフレン、それにアスラやみんな、そして兄さんとフキ達みんなで私達の事を探してるんだろうな・・・)
「・・リア?「「!」」
今の話しを聞き、兄さんの名前が出なかった事からそう思っているとエステルの心配そうな声が聞こえた直後、この部屋の扉が開く音が聞こえた
「・・・アレクセイ」
その人物を確認した途端、私は警戒を強めエステルも息を詰め不安を押し隠そうとしていた
「二人して怖い顔をしていますよ」
「・・・・」
そうなってしまうのも無理はない
エステルも私も同じように光結界に捕らわれていて、アレクセイの計画と言うのに利用されようとしているのだから・・・
「・・・私達に、何をさせるつもりなの?」
私は警戒を強めて目を細めて少しだけ強い口調で言うとアレクセイはまた面白そうに口角を上げた
「前にもお話した通りですよ。今は、エステリーゼ様に用があるのです」
「!」
そう言われた途端エステルはビクリと肩を振るわせ更に不安そうな顔を浮かべた
「エステルに何をさせるつもりなの?」
「満月の子の力で帝都の結界を調整するだけさ」
「調整って・・・」
調整と言っても満月の子の力を使うと言った
つまりまたエステルへ負担が掛かり、世界のエアルが乱れてしまうと言う事だった
「そんな事したらエステルに負担が掛かるし、エアルがもっと乱れてしまうのよ」
「安心したまえ、君はこの光結界の中にいるのだから君には一切影響はないさ」
「リアには・・・?」
その言葉に私もエステルもふとした疑問が浮かんだ
だがその先の答えを聞く前にアレクセイはエステルを連れて部屋を出て行こうとしていた
「待って! きゃあっ!!」
「リアっ!?」
途端光結界の周りにある聖核が光り出し身体に電流が走り、私の悲鳴を聞いたエステルが悲痛な声を出して振り向いたが、アレクセイはそれを気にする事なくそのままエステルを連れて部屋を出て行ってしまった
*
場所は変わって、こちらはユーリ達サイド
ユーリ達は動力室の前を厳重な警備で固められているのを見て、制御室へ行ってヘラクレスの動きを止めようと今は制御室へ向かっていた
「・・・前にノードポリカでユーリがフレンに言った事なんじゃが・・・」
ふとパティが立ち止まり、その後ろを歩いていたフレンとラピードが立ち止まった
「え、何の事だい?」
それは他の誰でもなく自分に向けての言葉だと解りフレンはパティを見た
「フレンが悪人になるなら消すと、ユーリが言った事じゃ」
「それは・・・」
パティの言葉を聞きフレンは少しだけ俯いてしまう
「例えば、なのじゃ」
少しだけ沈黙が流れた後パティがぽつりと呟きフレンとラピードはパティを見る
「もしもフレンがユーリにとって消すべき存在だったとしたら・・・ユーリは躊躇なく刃を下ろすのかの。フレンのような大切な友達が相手、でも」
「ユーリは簡単に人を斬るような人間じゃない・・・。でも、本当にやらなければならないなら例え僕でも斬るだろうね」
「それが、リアやセイ兄でも・・かの」
「ああ」
「本当に? そんな事が本当に出来るのか?」
「ノードポリカでのあの時、彼の目は悲しそうだったけれど、揺るぎはなかった」
「やっぱり・・・。でも、その決断はきっとツライものなのじゃ」
「例え、その事で自分が深く傷つこうともその傷を一生、飲み込んで生きる事を覚悟しているんだと思う。ユーリは、そう言う強さを持っている」
「なのかの・・・?」
「だけど、もしユーリが罪を重ね続けるのなら僕はこの剣で彼を止めなければならなくなる。そんな日が来ない事を祈るばかりだけどね」
フレンは自分の手と剣を見てそう言い、パティは少しだけ俯いたままぽつりと呟いた
「やっぱり・・・フレンも強いのじゃ」
「そうかな、自分では良く分らないけど。でも、ありがとう、パティ」
フレンはそう告げると先に歩き出した
「・・・」
だがパティは何かを思い、少しだけ眉を寄せて重い口調で呟いた
「傷を一生、飲み込んで生きる覚悟・・・」
「・・・・」
その様子をアスラは少し離れた所で見ていた
続く
あとがき
どうも!! かなあぁぁぁーーーーりお久しぶりです!!
やっっっっっっと完成しました!!
何故かあの時期って話しが書けるような書けないような時期に陥るんですよねぇ・・・ι
さてそれはさておき、愛のフルボッコ!! 勿論PS3版でも健在!!ww
パティもやっぱりボコったけど、でもフレンだけはやっぱりボコらなかったねww さすがww と思った人は多かったはずですww
とりあえずこっちでも言っておこう、おっさんお帰り~~!!
そしてちょっとだけリアちゃんとエステルの所を書いてみましたが・・・、相変わらずな状態が続いているが・・・どうなることやら??
そして最後にフレンとパティの会話、PS3版はこの二人の絡みが意外と多いですよね
でもパティはフレンの言葉を聞いて何かを思っている様子ですが・・・?
この辺りも今後に期待です ←
良し、書ける内に書いておきたいからこのまま続きを書いてきます!
2011.04.18
だが海面からヘラクレスに近付いたり正面から行けば砲撃されてしまうと判断し、上空からなら狙われる心配はないと思い様子を伺うと一カ所だけ砲撃されていない場所があった
そこでユーリ達はそのまま砲撃されていない場所、左後方へ上空から飛び移った
「死ぬかと思ったよ・・・」
「衛兵が倒されている・・・」
「だから此処だけ弾幕が薄かったのか」
「誰?」
ジュディスの声に皆警戒を強めると通路の向こうから見覚えのある人物が出て来た
「まったく無計画な連中だな。強行突破しか策がないのか」
「その通りであ~る」
「此処で会ったが100年目なのだ!」
出て来たのはルブラン達だった
「また出たの? あんた等しつこすぎ!」
「・・・シュヴァーン隊か。あんな事が遭ったってのにまだアレクセイに就くのか?」
「我等は騎士の誇りに従って行動するのみ!」
「・・・もうボク達の邪魔しないでよ!」
「そうよ! あんた等の顔見てると思い出したくない顔が浮かんでくるのよ!」
「どんな顔なんだろうなぁ。よっぽど非道い顔のヤツなのね」
その聞き覚えのある声が聞こえアデコールとボッコスの後ろを見るとそこには
「レイヴン・・・!」
レイヴンがいた
「!」
「「レイヴン!」」「おっさん!」「あなた・・・!」
「驚いたのじゃ・・・」
「おう。レイヴン様参上よ」
そう言ってレイヴンは宙返りをして親指をグッと立ててユーリ達を見た
「なになに? 感動の再会に心いっぱい胸がどきどき?」
「おっさん、何しに来た?」
「冷たいお言葉ね・・・」
いつものように軽い口調で言うとユーリが冷静に返し、レイヴンは弓を構えユーリ達を狙って来た騎士目掛けて矢を放った
「おう、お前等! 此処は任せるぜ」
「はっ!」「「了解であります!」」
レイヴンの言葉を聞くとルブラン達は先に向かって行き、そのままユーリ達の方に向き合った
「ま、こういうワケ」
「レイヴン・・・」
「そういう事でよろしく頼むわ」
「な、何言ってんのよ! 信用出来るわけ・・・ないでしょ!」
「おっさん、自分が何やったか忘れたとは言わせねぇぜ」
「そっか。なら、サクっと殺っちゃってくれや」
言うとレイヴンはユーリ短剣を投げて渡し、ユーリはそれを受け取った
「ばっ! なんのつもりよ!」
「命が惜しかった訳じゃないはずなのに何でかこうなっちまった。此処でお前等に殺られっちまうのならそれはそれ」
「アレクセイに刃向かった今、いずれ魔導器を止められてしまって命はない。だから此処で死んでも同じ・・・そう言う事?」
「俺はもう死んだ身なんよ」
「その死んじまったヤツが何で此処に来たんだ? レイヴン、あんた、ケジメを付けに来たんだろ。じゃあ凛々の明星の掟に従ってケジメを付けさせてもらうぜ」
レイヴンは溜息を吐きながら肩を落とし、ユーリはレイヴンを見据えたままゆっくりとレイヴンの所に歩いて行く
そしてレイヴンの前に行き右手を翳し、そのまま殴った
「って~」
「あんたの命、凛々の明星が貰った。生きるも死ぬもオレ達次第」
ユーリはそう言いながら短剣を投げ捨て、向きを変えてカロルを見る
「こんなとこでどうだ? カロル先生」
「えへへ、流石ユーリ。ばっちりだよ」
カロルの返事を聞くとユーリは先に歩き出した
そしてカロルがレイヴンの所に歩いて来てジャンプをしてレイヴンの頭を殴った
「あだ!」
「とりあえずこれが罰ね」
カロルはそう言い爽やかに歩いていき、蹲っているレイヴンの前にジュディスが止まった
そして片手を出して立たせてあげる体制を取っていた
「ありがと、ジュディスちゃん」
レイヴンはジュディスの手を取って立ち上がると、ジュディスはニコリと笑ってレイヴンの頬を殴った
「ぶへっ」
ジュディスは何も言わずそのまま立ち去り、レイヴンは頬を抑えて座り込むと次にレイヴンの前に来たのはリタだったが、立ち上がったレイヴンを見てリタは直ぐに拳を握りレイヴンの腹目掛けて左ストレートを入れた
「はぐっ!!」
レイヴンはそのまま後ろの壁に当たってしまい、リタは手をパンパンと叩き爽やかな顔をしてレイヴンを見て告げた
「せっかくだからあたしもぶっとくわ」
そう言うとリタもそのまますたすたと歩いて行き、レイヴンは壁に手を置いて崩れ落ちそうになっていた
「おごっ!」
「うちもやっとくのじゃ」
そして次に勢いをつけてパティがヒップアタックをし、パティもすたすたと歩いて行きレイヴンはまた崩れ落ちそうになっていた
「まだ終わりじゃないよ?」
「へ? ぐほぉっ!」
いつの間にか元の姿に戻ったアスラがそう言うと、アスラは鳩尾の少し下辺りを殴った
「・・・ひ、ひどい・・・」
最後のアスラの一発が見事に決まり、レイヴンは今度こそ崩れ落ちてしまった
「・・・アスラ、容赦ないねι」
「そりゃ一番頭に来てるのはアスラじゃろうからな」
「レイヴン。アレクセイのヤツが何処にいるか解るか?」
「うう・・・。制御室だと思う・・・」
「じゃ、行きましょ」
「ああ」
「勝手に死んじゃダメだからね。レイヴン!」
そしてみんな満面の笑みを向けて、先に歩いて行く
「良くご無事で」
「へ? ん、ああ、ルブラン達のお陰でどうにかね。みっともない話しさ」
「本当に貴方だったんですね」
レイヴンはフレンの手を取り立ち上がってフレンを見た
「お前さんにも悪い事したな。殴られも文句は言わんよ」
言うとフレンは首を横に振って答えた
「・・・自分も騎士団長に従い続けた身ですから」
「そか。そんじゃま、団長閣下に世話になったモン同士、落とし前付けに行くとするかね」
「はい」
84.
「・・・ア、・・・リア!!」
「・・・」
近くで誰かが私の名前を呼んでいる気がした
「リア、・・・リア、しっかりして下さい!」
「・・・っ・・、? エス、・・テル・・・?」
その声に聞き覚えがあり、ぽつりと呟き瞼をゆっくりと開け顔を上げた
「良かった・・・。目を覚ましてくれて・・・」
エステルの安堵した声が聞こえ、まだ虚ろな状態の中エステルの方へ顔を向けた
どうやら私もエステルも術式紋様が刻まれた光結界のようなものの中に閉じ込められていた
「リア、大丈夫です? 何処か痛みます?」
「ちょっとだけ頭と背中が痛いかな・・・」
光結界を見て気絶する前の事を思い返しているとエステルの心配そうな声が聞こえ、痛みやエステルの表情を見て驚くと言うより微笑していた
「それより此処は・・・?」
辺りを見るとヘラクレスの中と比べると殺風景ではなく、立派な家具などもあり一目で何処か立派な部屋の一室にいるのだと解った
「此処はザーフィアス城の貴族が住んでいる部屋の一室です」
「ザーフィアス!? でもアレクセイは確かバクティオン神殿に向かうって・・・」
「・・・・・」
「エステル?」
その言葉を聞いた途端、エステルはツラそうな顔をして俯いた
「バクティオン神殿には行きました・・・。そこでアレクセイがわたしの、満月の子の力を使ってアスタルを・・・・っ・・!」
その時の事を思い出したのかエステルは肩を振るわせ途中で言葉が途絶えたが、エステルの様子を見てアスタルがどうなったのか解ってしまった
「・・・ツラい思いをさせちゃったね・・」
エステルの頭を優しく撫でてやりたかったが光結界の所為でそれが出来ないから言葉に乗せて励ますとエステルはでも、と言って顔を上げた
「でも、わたしより、ユーリとフレンの方がもっとツライ顔をしてました」
「ユーリとフレン?」
思いもしなかった人物の名前が出てきて首を傾げるとエステルは顔を上げて私を見て言った
「わたしを助けに来た時、フレンもユーリとみんなと一緒でした。その時にアレクセイがリアの事を少しだけ話したらユーリとフレンが怒りを露わにしてとてもツラそうな顔をしていたんです」
「・・・・」
実際にその場を見てないけど何となくその時のユーリとフレンの様子が浮かんだ
(きっと、今はユーリとフレン、それにアスラやみんな、そして兄さんとフキ達みんなで私達の事を探してるんだろうな・・・)
「・・リア?「「!」」
今の話しを聞き、兄さんの名前が出なかった事からそう思っているとエステルの心配そうな声が聞こえた直後、この部屋の扉が開く音が聞こえた
「・・・アレクセイ」
その人物を確認した途端、私は警戒を強めエステルも息を詰め不安を押し隠そうとしていた
「二人して怖い顔をしていますよ」
「・・・・」
そうなってしまうのも無理はない
エステルも私も同じように光結界に捕らわれていて、アレクセイの計画と言うのに利用されようとしているのだから・・・
「・・・私達に、何をさせるつもりなの?」
私は警戒を強めて目を細めて少しだけ強い口調で言うとアレクセイはまた面白そうに口角を上げた
「前にもお話した通りですよ。今は、エステリーゼ様に用があるのです」
「!」
そう言われた途端エステルはビクリと肩を振るわせ更に不安そうな顔を浮かべた
「エステルに何をさせるつもりなの?」
「満月の子の力で帝都の結界を調整するだけさ」
「調整って・・・」
調整と言っても満月の子の力を使うと言った
つまりまたエステルへ負担が掛かり、世界のエアルが乱れてしまうと言う事だった
「そんな事したらエステルに負担が掛かるし、エアルがもっと乱れてしまうのよ」
「安心したまえ、君はこの光結界の中にいるのだから君には一切影響はないさ」
「リアには・・・?」
その言葉に私もエステルもふとした疑問が浮かんだ
だがその先の答えを聞く前にアレクセイはエステルを連れて部屋を出て行こうとしていた
「待って! きゃあっ!!」
「リアっ!?」
途端光結界の周りにある聖核が光り出し身体に電流が走り、私の悲鳴を聞いたエステルが悲痛な声を出して振り向いたが、アレクセイはそれを気にする事なくそのままエステルを連れて部屋を出て行ってしまった
*
場所は変わって、こちらはユーリ達サイド
ユーリ達は動力室の前を厳重な警備で固められているのを見て、制御室へ行ってヘラクレスの動きを止めようと今は制御室へ向かっていた
「・・・前にノードポリカでユーリがフレンに言った事なんじゃが・・・」
ふとパティが立ち止まり、その後ろを歩いていたフレンとラピードが立ち止まった
「え、何の事だい?」
それは他の誰でもなく自分に向けての言葉だと解りフレンはパティを見た
「フレンが悪人になるなら消すと、ユーリが言った事じゃ」
「それは・・・」
パティの言葉を聞きフレンは少しだけ俯いてしまう
「例えば、なのじゃ」
少しだけ沈黙が流れた後パティがぽつりと呟きフレンとラピードはパティを見る
「もしもフレンがユーリにとって消すべき存在だったとしたら・・・ユーリは躊躇なく刃を下ろすのかの。フレンのような大切な友達が相手、でも」
「ユーリは簡単に人を斬るような人間じゃない・・・。でも、本当にやらなければならないなら例え僕でも斬るだろうね」
「それが、リアやセイ兄でも・・かの」
「ああ」
「本当に? そんな事が本当に出来るのか?」
「ノードポリカでのあの時、彼の目は悲しそうだったけれど、揺るぎはなかった」
「やっぱり・・・。でも、その決断はきっとツライものなのじゃ」
「例え、その事で自分が深く傷つこうともその傷を一生、飲み込んで生きる事を覚悟しているんだと思う。ユーリは、そう言う強さを持っている」
「なのかの・・・?」
「だけど、もしユーリが罪を重ね続けるのなら僕はこの剣で彼を止めなければならなくなる。そんな日が来ない事を祈るばかりだけどね」
フレンは自分の手と剣を見てそう言い、パティは少しだけ俯いたままぽつりと呟いた
「やっぱり・・・フレンも強いのじゃ」
「そうかな、自分では良く分らないけど。でも、ありがとう、パティ」
フレンはそう告げると先に歩き出した
「・・・」
だがパティは何かを思い、少しだけ眉を寄せて重い口調で呟いた
「傷を一生、飲み込んで生きる覚悟・・・」
「・・・・」
その様子をアスラは少し離れた所で見ていた
続く
あとがき
どうも!! かなあぁぁぁーーーーりお久しぶりです!!
やっっっっっっと完成しました!!
何故かあの時期って話しが書けるような書けないような時期に陥るんですよねぇ・・・ι
さてそれはさておき、愛のフルボッコ!! 勿論PS3版でも健在!!ww
パティもやっぱりボコったけど、でもフレンだけはやっぱりボコらなかったねww さすがww と思った人は多かったはずですww
とりあえずこっちでも言っておこう、おっさんお帰り~~!!
そしてちょっとだけリアちゃんとエステルの所を書いてみましたが・・・、相変わらずな状態が続いているが・・・どうなることやら??
そして最後にフレンとパティの会話、PS3版はこの二人の絡みが意外と多いですよね
でもパティはフレンの言葉を聞いて何かを思っている様子ですが・・・?
この辺りも今後に期待です ←
良し、書ける内に書いておきたいからこのまま続きを書いてきます!
2011.04.18